「毎月定額で、全国のホテルや旅館に泊まり放題」そんな夢のようなサービスが現実のものとなり、新しい旅のスタイルとして注目を集めているのが「旅行サブスクリプション(サブスク)」です。
働き方の多様化や、これまでとは違う旅の体験を求める人々の増加を背景に、旅行サブスクは急速にその市場を拡大しています。しかし、「本当に得なの?」「どんなサービスがあるの?」「自分に合った選び方がわからない」といった疑問や不安を感じる方も少なくないでしょう。
この記事では、旅行サブスクの基本的な仕組みから、利用する上でのメリット・デメリット、そして後悔しないための選び方のポイントまで、網羅的に解説します。さらに、2024年最新の情報に基づき、主要な旅行サブスクサービス7社をピックアップし、それぞれの特徴や料金、どんな人におすすめなのかを徹底的に比較します。
この記事を読めば、あなたにぴったりの旅行サブスクが見つかり、もっと自由に、もっとお得に、新しい旅の世界へと一歩を踏み出すことができるはずです。
目次
旅行のサブスクリプションとは?
「サブスクリプション(Subscription)」とは、元々「定期購読」や「会費」を意味する言葉です。近年では、商品やサービスを所有するのではなく、月額や年額などの定額料金を支払うことで、一定期間利用する権利を得るビジネスモデルとして広く知られています。動画配信サービスや音楽ストリーミングサービスなどがその代表例です。
このサブスクリプションの仕組みを旅行の分野に応用したものが「旅行サブスク」です。具体的には、月額などの定額料金を支払うことで、サービスに加盟している全国各地のホテル、旅館、ホステル、ゲストハウスといった宿泊施設を、プランの範囲内で自由に利用できるサービスを指します。
従来の旅行は、行きたい場所や泊まりたい宿をその都度探し、予約・決済するのが一般的でした。これは「都度購入型」と言えるでしょう。一方、旅行サブスクは「定額利用権型」であり、この両者には明確な違いがあります。
比較項目 | 従来の旅行(都度購入型) | 旅行サブスク(定額利用権型) |
---|---|---|
料金体系 | 宿泊ごとに料金が発生 | 月額・年額などの定額制 |
支払タイミング | 予約時または宿泊時 | 毎月・毎年など定期的 |
コスト感覚 | 1泊あたりの単価が明確 | 利用頻度が高いほど1泊あたりの単価が割安に |
旅の計画性 | 事前に目的地や宿を決めることが多い | 気軽に、思いつきで旅に出やすい |
宿の選択肢 | 全ての宿泊施設から自由に選べる | サービスが提携する施設の中から選ぶ |
主な利用目的 | 観光、レジャー、ビジネス | 観光、ワーケーション、多拠点生活など多様 |
旅行サブスクが注目される背景には、いくつかの社会的な変化があります。最も大きな要因は、リモートワークの普及による働き方の多様化です。オフィスに出社する必要がなくなったことで、自宅以外の場所で働く「ワーケーション」や、複数の拠点を持ちながら生活する「多拠点生活(デュアルライフ)」といった新しいライフスタイルを選択する人が増えました。旅行サブスクは、Wi-Fiやワークスペースが完備された施設を多く揃えており、こうしたニーズに完全に応えることができます。
また、旅に対する価値観の変化も影響しています。有名な観光地を巡るだけの旅行ではなく、その土地の日常に溶け込んだり、地域の人々と交流したりといった、より深い体験を求める傾向が強まっています。旅行サブスクは、これまで知らなかった地域や個性的な宿との「偶然の出会い(セレンディピティ)」を生み出しやすく、「暮らすように旅する」という新しい体験価値を提供します。
旅行サブスクは、その特徴によっていくつかのタイプに分類できます。
- 宿泊特化型: 全国の多様な宿泊施設を利用することに特化した、最も一般的なタイプです。ホテル、旅館から古民家、ホステルまで、幅広い選択肢が魅力です。
- 交通セット型: 宿泊だけでなく、新幹線や飛行機などの交通機関もセットで利用できる、あるいはポイント等で交換できるタイプです。移動コストもまとめて抑えたい人に向いています。
- 体験・レジャー型: 宿泊よりも、現地でのアクティビティやレジャー施設の利用に特化したタイプです。日帰り旅行や週末のお出かけを充実させたい家族連れなどに人気です。
- コミュニティ型: 宿泊機能に加え、会員同士や地域住民との交流を重視するタイプです。共有スペースでのイベント開催など、人との繋がりを求める人におすすめです。
このように、旅行サブスクは単なる宿泊予約サービスではなく、私たちのライフスタイルや旅の価値観そのものを変える可能性を秘めた革新的なサービスなのです。次の章からは、この旅行サブスクを利用することで得られる具体的なメリットについて、さらに詳しく掘り下げていきます。
旅行サブスクを利用するメリット
旅行サブスクを利用することで、従来の旅行では得られなかった多くのメリットを享受できます。ここでは、主な4つのメリットを具体的に解説します。
お得に旅行や宿泊ができる
旅行サブスク最大の魅力は、利用頻度が高ければ高いほど、一回あたりの旅行や宿泊にかかるコストを大幅に抑えられる点です。
従来の旅行では、宿泊するたびに数万円単位の出費が発生することが一般的でした。特に、立地が良いホテルや設備の整った旅館を選べば、料金はさらに高くなります。しかし、旅行サブスクを利用すれば、月額数万円程度の固定費で、プランによっては月に何度も、あるいは無制限に宿泊することが可能になります。
例えば、月額4万円の宿泊サブスクプランに加入したと仮定しましょう。このプランを利用して月に4泊した場合、1泊あたりのコストは1万円となります。もし月に8泊すれば、1泊あたりはわずか5,000円です。通常なら1泊15,000円以上するような質の高い施設にも、このコスト感で滞在できる可能性があるのです。これは、出張が多いビジネスパーソンや、頻繁に旅に出るノマドワーカー、ワーケーションを積極的に取り入れたいフリーランスにとって、計り知れない経済的メリットと言えるでしょう。
もちろん、全てのケースで必ず安くなるわけではありません。利用頻度が低ければ、かえって割高になる可能性もあります。しかし、自分のライフスタイルに合わせて計画的に利用することで、年間の宿泊費全体を劇的に圧縮できるポテンシャルを秘めています。
さらに、多くのサブスクサービスでは、光熱費やWi-Fi利用料が月額料金に含まれています。これにより、滞在中のランニングコストを心配する必要がなく、予算管理が非常にシンプルになります。都度予約の際に発生する予約サイトの手数料などもかからないため、目に見えないコストも削減できるのです。
このように、旅行サブスクは「旅は高いもの」という固定観念を覆し、賢く利用することで、これまで以上に経済的かつ自由に旅を楽しむための強力なツールとなります。
新しい旅先や施設に出会える
私たちは旅行を計画する際、知っている観光地や過去に訪れたことのある場所、あるいはインターネットで検索して上位に表示されるような有名な宿泊施設を選びがちです。しかし、それでは旅の体験が画一的になってしまうことも少なくありません。
旅行サブスクは、こうしたマンネリを打破し、自分一人では決して見つけられなかったであろう、新しい旅先や魅力的な施設との出会いを創出してくれます。
各サブスクサービスは、それぞれ独自のコンセプトや基準に基づいて、提携する宿泊施設を厳選しています。そのラインナップは、有名なリゾートホテルだけでなく、地域創生の一環として再生された古民家、クリエイターが集うコリビングスペース、地元の人々と深く交流できるゲストハウスなど、非常に多岐にわたります。
サービスを利用することで、あなたは「今月はどこに泊まろうか」と、まるで宝探しのように提携施設リストを眺めることになります。その中には、名前も知らなかった町や、ユニークなコンセプトを持つ宿がきっと見つかるはずです。偶然性に身を任せることで、予期せぬ素晴らしい体験が生まれる「セレンディピティ」こそ、旅行サブスクが提供する大きな価値の一つです。
例えば、「都心から1時間で行ける、こんな静かな里山があったのか」「廃校をリノベーションしたホステルで、世界中の旅人と語り合えた」「地元の漁師が営むゲストハウスで、新鮮な海の幸を味わえた」といった体験は、従来の旅行計画ではなかなか生まれにくいものです。
サービス側が施設のクオリティを一定水準以上に保っているため、知らない場所でも安心して訪れることができるのも大きなポイントです。自分で一から宿の評判を調べる手間が省け、気軽に新しい挑戦ができます。
このように、旅行サブスクは私たちの視野を広げ、旅の選択肢を無限に広げてくれる羅針盤のような役割を果たします。決まりきったルートから外れ、まだ見ぬ日本を発見する喜びを、ぜひ体験してみてください。
好きな場所で働きながら滞在できる
リモートワークの普及は、私たちの「働く場所」の概念を根底から覆しました。旅行サブスクは、この新しい働き方である「ワーケーション(Work + Vacation)」を実践するための最適なプラットフォームです。
多くの旅行サブスクサービスは、ワーケーション利用者をメインターゲットの一つとして捉えており、提携施設の多くが快適な労働環境を整えています。具体的には、以下のような設備やサービスが提供されることが一般的です。
- 高速で安定したWi-Fi環境: 仕事をする上で最も重要なインフラです。多くの施設で全館無料Wi-Fiが完備されています。
- ワークスペース: 個室のデスクだけでなく、集中して作業できるコワーキングスペースや、オンライン会議用の個室ブースを備えた施設も増えています。
- 電源・モニターなどの設備: デスクに十分な数の電源が確保されていたり、貸し出し用のPCモニターやプリンターが用意されていたりする場合もあります。
こうした環境が整っていることで、「平日の昼間は景色の良いラウンジで集中して仕事を進め、仕事が終わればそのまま温泉へ。週末は周辺の観光地を巡る」といった、仕事とプライベートをシームレスに融合させた理想的なライフスタイルが実現可能になります。
また、旅行サブスクは1週間や1ヶ月といった中長期の滞在がしやすい料金体系になっているため、腰を据えて一つの地域に滞在し、「暮らすように働く」体験ができます。毎朝、近所のパン屋に立ち寄り、昼休みには海辺を散歩し、夜は地元の居酒屋で常連さんと語り合う。こうした日常に溶け込む体験は、短期の旅行では決して味わえない深い満足感をもたらします。
さらに、異なる環境に身を置くことは、新しいアイデアやインスピレーションの源泉にもなります。煮詰まった企画も、窓の外に広がる雄大な自然を眺めながら考えれば、思わぬ突破口が見つかるかもしれません。
旅行サブスクは、単なる宿泊サービスではなく、生産性と創造性を高め、ワークライフバランスを向上させるための「移動するオフィス」としての価値を提供してくれるのです。
平日や閑散期を有効活用できる
日本の多くの宿泊施設は、週末やゴールデンウィーク、お盆、年末年始といった特定の時期に利用者が集中し、それ以外の平日は稼働率が低いという課題を抱えています。旅行サブスクは、この需給のミスマッチを解消し、平日や閑 বাকিのシーズン(閑散期)を有効活用するための画期的なソリューションです。
多くの旅行サブスクは、平日利用をメインのターゲットとして設計されています。そのため、利用者にとっては以下のような大きなメリットがあります。
- 混雑からの解放: 観光地や宿泊施設が最も混雑する週末や大型連休を避けて旅ができるため、人混みのストレスなく、ゆったりとした時間を過ごすことができます。人気のレストランや観光スポットも、平日なら並ばずに入れる可能性が高まります。
- 質の高いサービス: 宿泊施設側も、比較的余裕のある平日のほうが、利用者一人ひとりに対して、よりきめ細やかなサービスを提供できる場合があります。
- コストメリット: サブスクの料金体系自体が平日利用を前提に割安に設定されていることが多いだけでなく、現地の交通機関や飲食店なども、平日限定の割引プランを提供していることがあります。
- 予約のしやすさ: 週末には予約で埋まってしまうような人気の施設でも、平日であれば比較的簡単に予約が取れるケースが多くなります。
この仕組みは、宿泊施設側にとっても大きなメリットがあります。これまで空室になりがちだった平日の稼働率を安定的に向上させることができ、収益の安定化に繋がります。つまり、旅行サブスクは、利用者と宿泊施設の双方にとってWin-Winの関係を築くことができるのです。
平日や閑散期に休みが取れるフリーランス、シフト制勤務の会社員、あるいはリタイア後の時間を有効に使いたいシニア層などにとって、旅行サブスクはまさにうってつけのサービスです。これまで「旅は混んでいて高いもの」と諦めていた人も、旅行サブスクを活用すれば、静かで質の高い、コストパフォーマンスに優れた旅を思う存分楽しむことができるようになります。
旅行サブスクのデメリットと注意点
旅行サブスクは多くの魅力的なメリットを持つ一方で、利用する前に知っておくべきデメリットや注意点も存在します。これらを理解しないまま契約してしまうと、「思ったように使えなかった」「かえって損をしてしまった」ということになりかねません。ここでは、賢い選択をするために不可欠な4つのポイントを解説します。
利用頻度が低いと元が取れない可能性がある
旅行サブスクの最大のメリットは「利用すればするほどお得になる」点ですが、これは裏を返せば、利用頻度が低い場合には、都度払いで旅行するよりも割高になってしまうリスクがあることを意味します。
例えば、月額3万円のプランに加入したにもかかわらず、仕事が忙しくてその月に一度も利用できなかった場合、3万円はそのまま無駄になってしまいます。たとえ1泊だけ利用できたとしても、その1泊に3万円を支払ったことになり、非常にコストパフォーマンスの悪い旅になってしまうでしょう。
そのため、契約前には「損益分岐点」を冷静に計算することが極めて重要です。損益分岐点とは、支払った月額料金と、もし都度払いで同等の施設に宿泊した場合の料金が等しくなる利用回数のことです。
【シミュレーション例】
- サブスクプラン: 月額40,000円
- 提携施設の平均的な宿泊費: 1泊12,000円
この場合、40,000円 ÷ 12,000円/泊 ≒ 3.33泊
となります。つまり、月に最低でも4泊以上利用しなければ、元を取るのは難しいという計算になります。
契約を検討する際には、まず自分のライフスタイルを客観的に見つめ直しましょう。「月に何日くらいなら、実際に旅行やワーケーションに出かけられそうか?」「急な仕事や用事で予定がキャンセルになる可能性はどのくらいあるか?」といった点を現実的に考える必要があります。「いつか行けるだろう」という希望的観測だけで契約するのは非常に危険です。
特に、最低利用期間が定められているサービスの場合、途中で「あまり使わないから」と解約すると違約金が発生することもあります。自分の旅行スタイルや頻度が、本当にサブスクというモデルに適しているのかを、契約前に慎重に見極めることが、失敗を避けるための第一歩です。
行きたい施設が対象外の場合がある
旅行サブスクは、サービスに加盟している提携施設の中から宿泊先を選ぶ仕組みです。提携施設は全国に数多く存在しますが、世の中のすべてのホテルや旅館が対象になっているわけではありません。
そのため、「あの有名な高級旅館に泊まりたい」「特定のエリアにある、お気に入りのホテルを定宿にしたい」といった、明確で具体的な希望がある場合、その施設がサブスクの対象外である可能性は十分に考えられます。
各サブスクサービスは、それぞれ独自のコンセプト(例:ワーケーション向け、ホステル中心、古民家再生など)を持っており、提携施設のラインナップにも特色があります。ラグジュアリーホテルに強いサービスもあれば、アットホームなゲストハウスを中心に揃えているサービスもあります。
もし、あなたが利用したい施設やエリアのイメージが固まっているなら、契約前に必ず公式サイトで最新の提携施設リストを隅々まで確認しましょう。マップ機能などを使って、自分が本当に行きたいと思う場所に、好みのタイプの施設が十分な数だけ存在するかをチェックすることが不可欠です。
「全国1,000施設以上と提携!」といった謳い文句だけを見て契約してしまうと、「行きたいと思っていたA県には、提携施設が山奥の1軒しかなかった」「都市部の施設はほとんどがドミトリータイプのホステルだった」といったミスマッチが生じる可能性があります。
特定の目的地や宿泊施設へのこだわりが強い人にとっては、選択肢が限られる旅行サブスクは不向きな場合があるということを、念頭に置いておく必要があります。自分の旅のスタイルが「場所を問わず、新しい出会いを楽しむ」タイプなのか、「特定の場所で、理想の滞在を追求する」タイプなのかを自問自答してみましょう。
人気の施設は予約が取りにくい
「サブスクに加入すれば、いつでも好きな時に好きな施設に泊まれる」と考えるのは早計です。特に、週末や大型連休、紅葉やスキーシーズンといった繁忙期における人気施設は、予約の競争が激しくなり、希望通りに予約できないケースが少なくありません。
旅行サブスクは、会員であれば誰でも同じ施設を予約する権利を持っています。そのため、景観が良い、設備が新しい、立地が便利といった、誰もが「泊まりたい」と思うような魅力的な施設には、予約が集中します。
サービスによっては、特定の施設を予約するために、通常の月額料金に加えて追加のポイントや料金が必要となる場合があります。それでもなお、人気施設は早い段階で予約枠が埋まってしまうことが日常茶飯事です。
この問題への対策としては、以下のような工夫が考えられます。
- 早めの予約を心がける: 多くのサービスでは、数ヶ月先までの予約が可能です。旅行の計画が決まったら、できるだけ早く予約を押さえることが重要です。
- 平日の利用を狙う: 前述の通り、平日は比較的予約が取りやすい傾向にあります。可能であれば、休暇を平日に取得するなどの調整を検討しましょう。
- キャンセル待ちを狙う: 直前になるとキャンセルが出ることもあります。サービスによってはキャンセル通知機能などがある場合もあるため、こまめに空室状況をチェックするのも一つの手です。
- 第二、第三候補を用意しておく: 第一希望の施設が予約できなくてもがっかりしないよう、あらかじめ他の魅力的な施設もリストアップしておくと、スムーズに旅の計画を立てられます。
「いつでも必ず希望の施設に泊まれるわけではない」という現実を理解し、柔軟な計画性を持つことが、旅行サブスクをストレスなく楽しむための鍵となります。
月額料金以外に追加費用がかかることも
「月額料金さえ支払えば、あとは一切お金がかからない」というイメージは、必ずしも正しくありません。多くの旅行サブスクでは、基本の月額料金以外に、さまざまな場面で追加費用が発生する可能性があるため、注意が必要です。
追加費用が発生する主なケースとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 同伴者料金: プランは会員本人の利用のみを対象としていることがほとんどです。家族や友人と一緒に宿泊する場合は、1人あたり数千円程度の追加料金が必要になるのが一般的です。
- 施設のグレードアップ料金: 同じサービス内でも、施設のランクによって「スタンダード」「プレミアム」のように階層が分かれている場合があります。よりグレードの高い施設に宿泊する際には、追加料金や、月額料金とは別に付与・購入する独自のポイント(コイン)が必要になることがあります。
- 個室利用料: ホステルやゲストハウスが中心のサービスで、ドミトリー(相部屋)ではなく個室を希望する場合、別途追加料金がかかるのが通常です。
- 清掃費・リネン交換費: 長期滞在の場合、定期的な清掃やシーツ・タオルの交換が有料オプションとなっていることがあります。
- 食事代・アクティビティ代: ほとんどのサブスクプランは「素泊まり」が基本です。食事や温泉の利用、現地でのアクティビティなどは、当然ながら別料金となります。
- 初期費用・事務手数料: 契約時に、月額料金とは別に初期費用や登録手数料がかかるサービスもあります。
これらの追加費用を見落としていると、最終的な支出が予想を大きく上回ってしまう可能性があります。特に、料金体系が複雑なポイント制(コイン制)のサービスでは、どの施設に泊まると何ポイント消費するのか、ポイントの追加購入はいくらなのか、といった仕組みを完全に理解しておく必要があります。
契約前には、公式サイトの料金ページや利用規約の「よくある質問(FAQ)」などを徹底的に読み込み、「月額料金に何が含まれていて、何が含まれていないのか」を明確にリストアップしてみることをお勧めします。不明な点があれば、契約前に必ずサポートデスクに問い合わせて確認しましょう。
失敗しない旅行サブスクの選び方
数ある旅行サブスクの中から、自分にぴったりのサービスを見つけることは、新しい旅のスタイルを成功させるための最も重要なステップです。ここでは、後悔しないための具体的な選び方のポイントを4つの視点から解説します。
旅の目的や利用スタイルで選ぶ
まず最初に考えるべきは、「自分はなぜ旅行サブスクを使いたいのか?」という根本的な問いです。あなたの旅の目的やライフスタイルによって、最適なサービスは大きく異なります。
宿泊施設の利用がメインか
もしあなたの目的が「全国各地の様々な場所に滞在し、多拠点生活やワーケーションを楽しみたい」ということであれば、宿泊特化型のサービスが最適です。このタイプのサービスを選ぶ際は、以下の点を重視しましょう。
- 提携施設数とエリアの広さ: 日本全国を網羅しているか、自分が興味のあるエリアに施設が豊富にあるか。
- 施設の多様性: ホテル、旅館、古民家、アパートメントなど、様々なタイプの施設があり、気分に合わせて選べるか。
- ワーケーション環境: Wi-Fiの速度やワークスペースの有無など、仕事がしやすい環境が整った施設が多いか。
HafH(ハフ)やADDress(アドレス)などは、このタイプの代表的なサービスと言えます。
交通手段もセットで考えたいか
旅行において、宿泊費と同じくらい大きなウェイトを占めるのが交通費です。「移動コストも含めてトータルでお得に旅をしたい」と考えるなら、交通機関と連携したサービスに注目すべきです。
- 提携交通機関: 新幹線、飛行機など、自分がよく利用する交通手段が含まれているか。
- 交換レートや条件: 宿泊用のポイントを航空券に交換できるか、その際のレートは妥当か。特定のポイントを貯めることで交通機関を利用できるか。
JR東日本の「どこかにビューーン!」は交通に特化したユニークなサービスですし、HafHのように貯めたコインをANAやJALの航空券に交換できるサービスもあります。
現地での体験やレジャーを重視するか
「宿泊そのものよりも、旅先でのアクティビティや体験を充実させたい」という方には、体験・レジャー型のサービスが向いています。
- 体験の種類: アウトドア、ものづくり、グルメ、温泉、テーマパークなど、自分の興味に合った体験が豊富に用意されているか。
- 利用エリア: 自分がよく出かけるエリアで使えるか。
- 利用形態: 都度購入だけでなく、年間パスポートのような形でお得に利用できるか。
アソビュー!のようなプラットフォームは、全国の様々な「遊び」を提供しており、日帰り旅行や週末のお出かけを頻繁にする家族連れなどには特におすすめです。
提携施設のラインナップで選ぶ
旅の目的が明確になったら、次に具体的な提携施設の中身を徹底的にチェックします。これがサービスの満足度を直接左右する、非常に重要なプロセスです。
まず、公式サイトの施設一覧ページを必ず確認しましょう。「全国◯◯ヶ所以上」という数字だけでなく、その内訳を見ることが大切です。
- エリアの偏り: 自分が主に行きたいと考えているエリア(例:関東、関西、北海道、沖縄など)に、十分な数の施設があるかを確認します。全国展開を謳っていても、特定のエリアに施設が集中している場合があります。
- 施設のクオリティとタイプ: 掲載されている写真や説明文から、施設の清潔感や雰囲気を掴みます。自分の好みが「モダンなホテル」なのか、「風情のある古民家」なのか、「交流が楽しめるホステル」なのかによって、選ぶべきサービスは変わります。施設のタイプ(ホテル、旅館、ホステル、一棟貸しなど)の比率も確認しましょう。
- ワーケーション設備の詳細: ワーケーション目的であれば、Wi-Fi完備は当然として、個室デスク、コワーキングスペース、モニター貸出の有無など、より詳細な設備情報をチェックすることが重要です。
このチェック作業は、契約してから「泊まりたい施設が全然なかった」というミスマッチを防ぐために不可欠です。できれば、気になる施設を5〜10ヶ所ほどピックアップし、それらがすべて自分の希望条件を満たしているかを確認するくらいの慎重さが求められます。
料金プランの仕組みで選ぶ
旅行サブスクの料金体系は、サービスによって大きく異なり、一見すると複雑に感じられることもあります。自分の利用スタイルに合わないプランを選んでしまうと、損をする原因になります。
料金プランを比較する際は、以下のポイントに注目してください。
チェックポイント | 主な種類・内容 | 確認すべきこと |
---|---|---|
料金体系 | ・月額固定制: 毎月決まった額で、プラン内の施設に泊まり放題。 ・ポイント/コイン制: 月額料金に応じてポイントが付与され、施設のランクや時期に応じてポイントを消費して宿泊。 |
シンプルさを求めるなら固定制。旅のスタイルに柔軟性を持たせたいならポイント制が向いている。ポイントの有効期限や追加購入の可否も確認。 |
宿泊制限 | ・宿泊日数: 月に泊まれる日数(例: 5泊まで、10泊まで)に上限があるか。 ・同時予約数: 同時に予約を入れられる件数に制限があるか。 ・連続宿泊日数: 一つの施設に連続で泊まれる日数に上限があるか。 |
自分の利用頻度や滞在スタイル(短期集中型か、長期滞在型か)に合った制限内容か。 |
最低利用期間 | 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年など。 | 期間内に解約すると違約金が発生する場合が多い。お試しで始めたい場合は、最低利用期間が短いか、設定がないサービスを選ぶ。 |
初期費用 | 登録料、事務手数料など。 | 月額料金以外に最初にかかる費用を把握しておく。キャンペーンで無料になる場合もある。 |
特にポイント制(コイン制)は、一見お得に見えても仕組みが複雑な場合があります。例えば、HafHのコインは、使わなければ無期限で貯められますが、どの施設に何コイン必要かは常に変動します。こうした特性を理解し、自分にとって使いやすいかどうかを判断することが重要です。
同伴者の利用条件を確認する
一人旅で利用するのか、パートナーや友人、家族と一緒に利用するのかによっても、選ぶべきサービスは変わってきます。同伴者の利用条件は、トラブルになりやすいポイントなので、契約前に必ず細かく確認しましょう。
- 同伴者の可否: そもそも同伴者と一緒に宿泊することが許可されているか。施設によっては同伴者不可の場合もあります。
- 追加料金の有無と金額: 多くのサービスでは、同伴者1名あたり1泊数千円の追加料金が必要です。その金額が予算に見合っているかを確認します。
- 同伴者の範囲: 友人、恋人、家族など、どこまでの関係性が同伴者として認められるか。
- 子供の利用: 子供の宿泊は可能か。可能な場合、年齢によって料金は変わるか(添い寝無料、子供料金設定あり、大人と同額など)。
- 予約方法: 同伴者がいる場合の予約手続きはどのように行うのか。
特に家族での利用を考えている場合は、子供料金の規定が非常に重要になります。サービスや施設によっては、小学生以上は大人と同じ扱いになることもあり、想定外の出費に繋がる可能性があります。
公式サイトのFAQや利用規約で「同伴者」「お子様」といったキーワードで検索し、関連する項目をすべて熟読することをお勧めします。これらのポイントを総合的に比較検討することで、あなたの旅を最高に充実させてくれる、真に価値のある旅行サブスクを見つけ出すことができるでしょう。
【2024年】おすすめの旅行サブスク7選
ここからは、2024年現在、特に注目されているおすすめの旅行サブスクリプションサービスを7つ厳選してご紹介します。それぞれの特徴、料金、どんな人に向いているかを詳しく解説しますので、サービス選びの参考にしてください。
※料金や提携施設数などの情報は、記事執筆時点のものです。最新の情報は必ず各サービスの公式サイトでご確認ください。
① HafH(ハフ)
HafH(ハフ)は、国内外に豊富な提携施設を持つ、日本最大級の宿泊サブスクリプションサービスです。「Home away from Home(第2のふるさと)」をコンセプトに、多様な旅のスタイルに応える柔軟性が魅力です。
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | ・毎月貯まる「HafHコイン」で宿泊・航空券予約 ・国内外1,800以上の多彩な提携施設(2024年時点) ・コインは無期限で繰り越せる ・ANA/JALの航空券にも交換可能 |
料金プラン | ・Newスタンダード: 月額9,800円(毎月300コイン付与) ・Newベーシック: 月額2,980円(毎月80コイン付与) ※その他、不定期にキャンペーンプランが登場することもある |
おすすめな人 | ・国内外を問わず、様々な場所へ旅したい人 ・飛行機での移動が多い人 ・毎月は旅行に行けないが、コインを貯めて大型連休などに使いたい人 |
参照元 | HafH公式サイト |
HafHの最大の特徴は、独自の「HafHコイン」制度です。月額料金に応じてコインが付与され、そのコインを消費して宿泊予約を行います。必要なコイン数は、施設のランク、部屋のグレード、宿泊日(平日/週末など)によって変動します。この仕組みにより、普段はコインを節約してカジュアルな宿に泊まり、貯めたコインで特別な日に高級ホテルに泊まる、といったメリハリのある使い方が可能です。
また、貯めたコインをANAやJALの国内線航空券と交換できる点は、他のサービスにはない大きな強みです。これにより、宿泊だけでなく移動コストもHafH内で完結させることができ、旅の計画がよりシンプルかつお得になります。
提携施設も、都市部のホテルからリゾート、温泉旅館、ユニークなゲストハウスまで非常に幅広く、飽きることがありません。旅の自由度と柔軟性を最も重視する人にとって、HafHは第一候補となるサービスでしょう。
② ADDress(アドレス)
ADDress(アドレス)は、「多拠点生活」というライフスタイルを日本に広めたパイオニア的存在のサービスです。全国に点在する「家」に、定額で住み放題というコンセプトが特徴です。
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | ・全国270ヶ所以上の「家」に住み放題(2024年時点) ・光熱費、Wi-Fi、生活備品(家具・家電など)が料金込み ・各拠点に「家守(やもり)」がおり、地域との交流をサポート ・コミュニティイベントが活発 |
料金プラン | ・月額9,800円〜(プランにより予約可能日数などが異なる) |
おすすめな人 | ・本格的な多拠点生活やデュアルライフを実践したい人 ・旅先で地域の人々や他の会員と深く交流したい人 ・ワーケーションをしながら、日本の地方の魅力を発見したい人 |
参照元 | ADDress公式サイト |
ADDressの魅力は、単なる宿泊場所の提供に留まらない点です。各拠点には「家守(やもり)」と呼ばれるコミュニティマネージャーが常駐(または近隣に在住)しており、会員の滞在をサポートしたり、地域の人々との交流のハブとなったりする役割を担っています。これにより、ただ滞在するだけでなく、その土地の文化や暮らしに深く溶け込む体験ができます。
施設は、空き家や別荘をリノベーションしたものが多く、キッチンや洗濯機などの生活に必要な設備が整っているため、「暮らすように旅する」ことが可能です。会員同士の交流も活発で、拠点によっては食事会やイベントが頻繁に開催されます。
ホテルライクな快適さよりも、人との繋がりや地域への貢献といった価値を重視する人、新しいライフスタイルを模索している人にとって、ADDressはかけがえのないプラットフォームとなるでしょう。
③ Otell(オーテル)
Otell(オーテル)は、「場所に縛られない働き方」を支援することに特化した、平日限定のワーケーション支援サービスです。質の高い宿泊施設を、手頃な価格で利用できるのが特徴です。
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | ・「働く世代」の平日ワーケーションに特化 ・質の高いホテル・旅館のみを厳選して提携 ・審査制により、コミュニティの質を維持 ・週単位のチケット制で、柔軟な利用が可能 |
料金プラン | ・週3〜5泊のチケットを都度購入する形式 ※料金は公式サイトで要確認 |
おすすめな人 | ・快適な環境で集中してワーケーションをしたい会社員やフリーランス ・平日に休みが取りやすい人 ・宿泊施設のクオリティにこだわりたい人 |
参照元 | Otell公式サイト |
Otellは、週末は利用できない代わりに、平日の宿泊料金を大幅に抑えるというコンセプトで運営されています。提携施設は、ワークスペースやWi-Fi環境が整っていることはもちろん、温泉や景観など、リフレッシュできる付加価値を持つホテル・旅館が中心です。
利用には審査があり、誰でも無条件に使えるわけではありません。これは、サービスのコンセプトを理解し、マナーを守って利用できるユーザー層に限定することで、施設側との信頼関係を築き、会員全体の快適性を保つための仕組みです。
週単位で利用権(チケット)を購入するシステムなので、必要な時に必要な分だけ利用でき、無駄がありません。「次の1週間は、温泉旅館に籠って企画書を仕上げよう」といった、能動的で生産性の高いワーケーションを計画している人に最適なサービスです。
④ HOSTEL LIFE(ホステルライフ)
HOSTEL LIFE(ホステルライフ)は、その名の通り、全国のホステルやゲストハウスに特化した宿泊サブスクサービスです。手頃な価格で、旅人同士の交流を楽しみたい人に人気です。
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | ・全国35ヶ所のホステル・ゲストハウスに泊まり放題(2024年時点) ・ドミトリー(相部屋)が基本で、交流が生まれやすい ・圧倒的なコストパフォーマンス ・1ヶ月、3ヶ月、年間パスなど多様なプラン |
料金プラン | ・泊まり放題プラン: 15,000円/月〜(期間やプランによる) ・回数券プランも有り |
おすすめな人 | ・とにかく旅のコストを抑えたい学生や若者 ・バックパッカーや一人旅が好きな人 ・世界中の旅人との出会いや交流を楽しみたい人 |
参照元 | HOSTEL LIFE公式サイト |
HOSTEL LIFEの最大の魅力は、月額15,000円からという圧倒的な低価格で全国を旅できる点です。宿泊場所はドミトリーが中心となりますが、共有のラウンジやキッチンで他の宿泊者と情報交換をしたり、一緒に食事をしたりと、ホステルならではの出会いと交流が生まれます。
提携ホステルは、それぞれが個性的なコンセプトを持っており、ただ安いだけでなく、デザイン性が高かったり、ユニークなイベントを開催していたりと、魅力的な場所ばかりです。
プライバシーや静かな環境よりも、コストと人との繋がりを重視するアクティブな旅人にとって、これ以上ないサービスと言えるでしょう。日本版バックパッカーのような旅を、手軽に始めることができます。
⑤ JR東日本「どこかにビューーン!」
どこかにビューーン!は、厳密には宿泊サブスクではありませんが、旅のきっかけを提供するユニークな交通系のサービスとして注目されています。JR東日本のポイントプログラム「JRE POINT」を使って、お得に新幹線の旅ができます。
項目 | 内容 |
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特徴 | ・6,000 JRE POINTで、JR東日本エリア内の新幹線停車駅どこかへ往復できる ・行き先は、4つの候補駅の中からランダムで決まる「ガチャ旅」 ・東京、上野、大宮駅のいずれかから出発 |
料金プラン | ・1回の利用につき 6,000 JRE POINT |
おすすめな人 | ・行き先を偶然に任せるサプライズな旅を楽しみたい人 ・JRE POINTが貯まっている人 ・日帰りや1泊2日の気軽な週末旅行をしたい人 |
参照元 | JR東日本「どこかにビューーン!」公式サイト |
このサービスの面白さは、行き先が自分で選べない点にあります。申込時に4つの候補駅がランダムで提示され、その中のどこか1駅が最終的な目的地として決まります。この「どこに行くかわからない」ワクワク感が、旅の新しい楽しみ方を提供してくれます。
通常なら往復で2万円以上かかるような長距離路線(例:東京-新青森)も、わずか6,000ポイントで利用できるため、ポイントの価値を最大化できる非常にコストパフォーマンスの高いサービスです。
貯まったJRE POINTの有効な使い道を探している人や、マンネリ化した旅行に新しい刺激を求めている人は、ぜひ一度この「ガチャ旅」を体験してみてはいかがでしょうか。思いがけない場所との出会いが、あなたを待っているかもしれません。
⑥ アソビュー!
アソビュー!は、全国の遊びやレジャー体験を予約できる日本最大級のプラットフォームです。月額制のサブスクではありませんが、特定の施設をお得に何度も利用できる「年間パスポート」などを扱っており、体験型の旅を充実させたい人におすすめです。
項目 | 内容 |
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特徴 | ・レジャー、遊び、体験、日帰り温泉など、600種類以上の体験を予約可能 ・水族館やテーマパークなどの「年間パスポート」も購入できる ・限定割引やクーポンが豊富 |
料金プラン | ・都度購入が基本 ・施設ごとの年間パスポートなどを販売 |
おすすめな人 | ・週末や休日に日帰りレジャーを頻繁に楽しむ家族連れ ・特定の水族館やテーマパークに何度も行きたい人 ・ものづくりやアウトドアなど、特定の趣味を追求したい人 |
参照元 | アソビュー!公式サイト |
宿泊を伴わない日帰り旅行や、近場でのレジャーを充実させたい場合に、アソビュー!は非常に役立ちます。例えば、子供が好きな水族館の年間パスポートを購入すれば、年に数回行くだけで元が取れ、予約の手間も省けます。これは実質的な「レジャー施設のサブスク」と言えるでしょう。
また、陶芸体験、ラフティング、ガラス細工、そば打ち体験など、多種多様なアクティビティが割引価格で予約できるため、旅先での「コト消費」を豊かにしてくれます。旅行サブスクで宿泊先を確保し、アソビュー!で現地のアクティビティを探す、といった組み合わせも効果的です。
⑦ Rakuten STAY(楽天ステイ)
Rakuten STAY(楽天ステイ)も月額制のサブスクではありませんが、その施設の特徴から、ワーケーションや中長期滞在の選択肢として非常に有力です。楽天グループが運営する、無人運営の宿泊施設ブランドです。
項目 | 内容 |
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特徴 | ・全国に展開する一棟貸しヴィラやアパートメントタイプの施設 ・キッチン、洗濯機、調理器具などを完備し、長期滞在に最適 ・完全非対面・非接触でのチェックイン・アウトが可能 ・楽天ポイントが貯まる・使える |
料金プラン | ・都度払い(連泊割引プランなどがある場合も) |
おすすめな人 | ・家族やグループで、プライベートな空間を重視した旅をしたい人 ・暮らすような感覚で、快適なワーケーションをしたい人 ・楽天ポイントを効率的に活用したい人 |
参照元 | Rakuten STAY公式サイト |
Rakuten STAYの施設は、広々としたリビングや複数のベッドルームを持つ一棟貸しが多く、家族や友人グループでの利用に最適です。また、生活に必要な家具・家電が全て揃っているため、まるで自分の別荘のように快適に過ごせます。
運営が効率化されているため、同等クラスのホテルに比べて割安な価格設定になっていることが多く、連泊することでさらにコストパフォーマンスが高まります。完全非対面なので、人との接触を気にせず、自分のペースで過ごしたい人にもぴったりです。
定額制ではありませんが、その利便性と快適性から、ワーケーションや多拠点生活の拠点として、旅行サブスクと並行して検討する価値のある選択肢と言えるでしょう。
旅行サブスクはこんな人におすすめ
ここまでご紹介してきたメリット・デメリット、そして具体的なサービス内容を踏まえ、旅行サブスクが特にどのような人に向いているのかをまとめます。もしあなたが以下のいずれかに当てはまるなら、旅行サブスクはあなたの人生をより豊かにする強力なツールになる可能性があります。
旅行や出張の頻度が高い人
まず最も分かりやすくメリットを享受できるのが、単純に宿泊を伴う移動が多い人です。これには、全国を飛び回る営業職やフリーランス、特定のプロジェクトで中長期の出張が必要なエンジニアなどが含まれます。
月に数回以上、ホテルやビジネスホテルに宿泊しているのであれば、その費用を合計してみてください。多くの場合、旅行サブスクの月額料金を上回っているはずです。サブスクに切り替えることで、経費を大幅に削減できるだけでなく、毎回宿を探して予約するという手間からも解放されます。
また、定額制であるため予算管理が非常に楽になります。「今月は出張が多かったから宿泊費がかさんだ」といった変動がなくなり、経費計画が立てやすくなるのは、法人・個人事業主を問わず大きなメリットです。これまで泊まっていた画一的なビジネスホテルから、個性豊かな施設へと選択肢が広がることで、出張そのものの質が向上し、仕事へのモチベーションアップにも繋がるかもしれません。
様々な場所を旅してみたい人
「いつか日本中を旅してみたい」という漠然とした夢を持っている人は多いでしょう。しかし、時間やお金、計画の手間などを考えると、なかなか一歩を踏み出せないのが現実です。旅行サブスクは、そんなあなたの背中を押してくれます。
特定の観光地を目指すのではなく、「まだ知らない場所へ行くこと」自体が目的であるような、好奇心旺盛な人に旅行サブスクは最適です。サービスが提供する提携施設リストは、まさに未知の日本への招待状です。これまで名前も知らなかった町や村に、思いがけず素晴らしい風景や文化、人々との出会いが待っているかもしれません。
行き先を固定しない旅は、計画に縛られない自由さをもたらします。「今週末は天気が良いから、北関東の古民家に泊まってみよう」「来週は少し仕事が落ち着くから、海の見えるゲストハウスで過ごそう」といった、気分や直感に基づいた柔軟な旅が可能になります。このようなセレンディピティ(偶然の幸運な出会い)を愛する人にとって、旅行サブスクは最高の遊び道具となるでしょう。
ワーケーションをしたい人
リモートワークが可能な環境にある人にとって、旅行サブスクはワークライフバランスを劇的に向上させる可能性を秘めています。自宅やコワーキングスペースでの仕事にマンネリを感じていたり、環境を変えて集中力や創造性を高めたいと考えていたりするなら、ワーケーションの導入は非常に有効です。
旅行サブスクサービスは、ワーケーション需要を強く意識しており、多くの提携施設で高速Wi-Fiや快適なワークスペースが整備されています。これにより、「移動するオフィス」を手軽に実現できます。
例えば、「午前中は温泉宿の静かな部屋で集中して作業し、午後は温泉でリフレッシュ。夜は地元の食材を使った料理に舌鼓を打つ」といった、理想的な一日を過ごすことができます。環境を変えることで、仕事のストレスが軽減されるだけでなく、新しいアイデアが生まれやすくなるという効果も期待できます。仕事の生産性を落とさずに、旅の非日常感を味わいたいという欲張りな願いを、旅行サブスクは叶えてくれます。
平日に休みが取れる人
旅行サブスクのメリットを最大限に引き出せるのが、平日に比較的自由に時間を使える人です。フリーランス、経営者、シフト制勤務の会社員、あるいはアクティブなリタイア生活を送るシニア層などがこれに該当します。
多くの旅行サブスクは、宿泊施設が空きがちな平日の稼働率を上げることを目的の一つとして設計されているため、平日利用が最もお得で、予約も取りやすくなっています。観光地や交通機関の混雑を避け、静かで快適な環境でゆったりと過ごせるのは、平日休みの特権です。
土日祝日しか休めない人の場合、人気の施設は予約が集中し、希望通りに利用できないストレスを感じることがあるかもしれません。しかし、平日をメインに利用できる人であれば、そうした競争を避けて、サービスの恩恵を心ゆくまで享受できるでしょう。自分のライフスタイルが、旅行サブスクのビジネスモデルと合致しているかどうかは、満足度を左右する重要な判断基準となります。
旅行サブスクに関するよくある質問
最後に、旅行サブスクを検討する際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。契約前の不安や疑問を解消するためにお役立てください。
同伴者も一緒に利用できますか?
回答:多くのサービスで可能ですが、条件や追加料金はサービスごとに大きく異なります。
これは最も多い質問の一つです。結論から言うと、ほとんどのサービスで家族や友人といった同伴者との利用が認められています。しかし、その条件は一律ではなく、必ず事前の確認が必要です。
- 追加料金: 最も一般的なのは、会員本人以外の同伴者1名につき、1泊あたり数千円の追加料金を支払うシステムです。この料金は、サービスの公式サイトや予約画面で明記されています。
- 同伴者プラン: サービスによっては、通常プランとは別に、同伴者利用を前提とした「ペアプラン」や「ファミリープラン」が用意されている場合があります。
- 子供料金: お子様連れの場合、年齢によって料金が細かく設定されています。「未就学児は添い寝無料」「小学生は大人料金の50%」「中学生以上は大人と同額」など、規定は様々です。
- 施設ごとの規定: サービス全体で同伴者が許可されていても、施設によっては「お一人様専用」であったり、受け入れ可能な人数に制限があったりする場合があります。
最も重要なのは、契約前に公式サイトの利用規約やFAQで「同伴者」「お子様」に関する項目を熟読することです。不明な点があれば、カスタマーサポートに問い合わせて、明確な回答を得てから契約するようにしましょう。
支払い方法には何がありますか?
回答:クレジットカード払いが最も一般的です。
サブスクリプションという継続的な課金モデルの性質上、ほとんどのサービスでは支払い方法としてクレジットカードが指定されています。毎月自動で引き落としが行われるため、利用者にとっても支払い忘れがなく便利です。
利用できるクレジットカードのブランド(VISA, Mastercard, JCB, American Expressなど)は、サービスによって異なりますので、登録前に確認しておきましょう。
一部のサービスや法人契約の場合には、銀行振込など他の決済手段に対応している可能性もありますが、個人利用の場合はクレジットカードが必須と考えておくのが無難です。デビットカードやプリペイドカードの利用可否もサービスによって異なるため、こちらも事前の確認が必要です。
途中解約はいつでもできますか?
回答:多くのサービスで途中解約は可能ですが、「最低利用期間」や「解約申請のタイミング」に注意が必要です。
「合わなかったらすぐにやめたい」と考えるのは自然なことですが、解約にはいくつかのルールが設けられているのが一般的です。
- 最低利用期間: サービスによっては、「最低3ヶ月」「最低6ヶ月」といった最低利用期間が設定されていることがあります。この期間内に解約しようとすると、残りの期間分の料金や、所定の違約金が発生する場合があります。特に、長期利用を前提とした割引プランなどにこの縛りが設けられていることが多いです。契約前には、この最低利用期間の有無を必ず確認しましょう。
- 解約申請のタイミング: 解約手続きには締切日が設けられています。例えば、「解約したい月の前月末までに手続きが必要」といったルールです。この締切日を過ぎてしまうと、翌月分の料金も発生してしまいます。解約を決めたら、できるだけ早く手続き方法とスケジュールを確認することが重要です。
- 日割り計算の有無: 月の途中で解約した場合、料金が日割りで返金されるケースはほとんどありません。月末までサービスを利用する権利はありますが、返金はないと考えるのが一般的です。
これらの条件は、サービスの公平性と安定的な運営を保つために必要なルールです。契約は、これらの解約条件もすべて理解し、納得した上で行うようにしましょう。お試しで利用してみたい場合は、最低利用期間の縛りがないサービスや、短期間のプランがあるサービスから始めるのがおすすめです。