【2024年】社員旅行のおすすめ人気行き先20選 国内プランを厳選紹介

社員旅行のおすすめ人気行き先20選、国内プランを厳選紹介

社員旅行は、単なる慰安行事にとどまらず、組織の活性化や従業員エンゲージメントの向上に繋がる重要な機会です。普段の職場を離れた非日常的な環境で時間を共にすることで、部門を超えたコミュニケーションが生まれ、チームの一体感を醸成できます。また、会社が従業員の日頃の労をねぎらう姿勢を示すことで、働く意欲や会社への満足度を高める効果も期待できるでしょう。

しかし、参加者全員が満足する社員旅行を企画するのは簡単なことではありません。行き先の選定から予算の管理、当日の運営まで、幹事が担う役割は多岐にわたります。特に「どこへ行くか」という行き先の選定は、旅行全体の満足度を左右する最も重要な要素と言えます。

そこでこの記事では、2024年最新版として、社員旅行におすすめの国内人気行き先をランキング形式で20箇所厳選してご紹介します。さらに、旅行の目的設定、プランニングのコツ、費用相場、幹事の段取りまで、社員旅行の企画に必要な情報を網羅的に解説します。

この記事を読めば、あなたの会社に最適な社員旅行のプランが見つかり、企画から実施までをスムーズに進めることができるはずです。

社員旅行におすすめの国内人気行き先ランキングTOP20

社員旅行の行き先選びは、参加者の年齢層、旅行の目的、予算、日程など、様々な要素を考慮する必要があります。ここでは、多種多様なニーズに応えられる、魅力あふれる国内の人気旅行先を20箇所、ランキング形式でご紹介します。それぞれの土地の魅力やおすすめの過ごし方を参考に、最適な行き先を見つけてみましょう。

① 北海道

広大な大地に豊かな自然が広がる北海道は、社員旅行の行き先として常に絶大な人気を誇ります。最大の魅力は、壮大なスケール感と食の豊かさです。エリアごとに異なる特色があり、目的に応じて多彩なプランを組めるのもポイントです。

札幌・小樽エリアは、都市観光とグルメを満喫したいグループにおすすめです。札幌では時計台や大通公園を散策し、夜はすすきので新鮮な海鮮やジンギスカン、味噌ラーメンに舌鼓を打つ宴会が楽しめます。小樽では、ノスタルジックな運河沿いを歩いたり、ガラス工芸体験でチームの思い出作りもできます。

富良野・美瑛エリアは、美しい田園風景や花畑が広がり、リフレッシュ目的の旅行に最適です。夏にはラベンダー畑、秋には黄金色に染まる丘など、四季折々の絶景が心を癒してくれます。チームでサイクリングを楽しんだり、写真撮影会を開いたりするのも良いでしょう。

冬であれば、ニセコやルスツでのウィンタースポーツがおすすめです。パウダースノーを求めて世界中からスキーヤーが集まるゲレンデで、スキーやスノーボードを体験すれば、一体感が生まれること間違いありません。運動が苦手なメンバーも、雪景色を望む温泉でゆっくりと過ごせます。

このように、北海道は「グルメ」「自然」「アクティビティ」といった社員旅行に求められる要素を高いレベルで満たしており、参加者全員の満足度を高めやすい王道の行き先と言えるでしょう。

② 沖縄県

日本屈指のリゾート地である沖縄県は、非日常感を満喫し、日々の疲れを癒すリフレッシュ目的の社員旅行に最適です。エメラルドグリーンの海と独自の文化が、参加者を心身ともに解放してくれるでしょう。

本島では、那覇市の国際通りでショッピングやグルメを楽しんだり、首里城公園で琉球王国の歴史に触れたりできます。美しいビーチが点在する恩納村エリアのリゾートホテルに滞在すれば、オーシャンビューの客室から絶景を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせます。チームビルディングとして、シュノーケリングやダイビング、シーカヤックといったマリンアクティビティに挑戦するのもおすすめです。

より特別な体験を求めるなら、石垣島や宮古島といった離島への旅行も選択肢に入ります。手つかずの自然が残る離島では、満点の星空観賞やマングローブカヤックなど、本島とはまた違った感動が待っています。ただし、離島へのアクセスには追加の移動時間とコストがかかるため、日程と予算に余裕がある場合に検討しましょう。

沖縄料理を囲んでの宴会は、泡盛と共に大いに盛り上がります。三線のライブ演奏がある居酒屋を選べば、沖縄ならではの陽気な雰囲気の中で、普段は話せないような本音のコミュニケーションが生まれるかもしれません。開放的な空間が、組織の風通しを良くするきっかけとなります。

③ 京都府

日本の歴史と文化が凝縮された京都府は、落ち着いた雰囲気の中で学びや体験を重視する社員旅行に適しています。世界遺産に登録されている寺社仏閣の数々は、訪れるだけで心が洗われるような特別な空間です。

清水寺や金閣寺、嵐山の竹林の道といった定番スポットを巡るだけでも十分楽しめますが、社員旅行ならではの工夫を取り入れると、より思い出深いものになります。例えば、チームに分かれて着物や浴衣をレンタルし、古都の街並みを散策するのはいかがでしょうか。写真映えもするため、後から見返しても楽しい思い出になります。

また、チームビルディングや研修を兼ねた体験プランも豊富です。座禅体験で精神を統一したり、京友禅染めや和菓子作りといった伝統工芸に挑戦したりすることで、集中力や協調性を養うことができます。共同作業を通じて、新たな一面を発見し、互いの理解を深める良い機会となるでしょう。

食事は、京野菜を使った会席料理や、川床での納涼床料理など、季節感あふれる上品なものが楽しめます。見た目にも美しい京料理は、参加者の満足度を一層高めてくれるはずです。歴史や文化に触れながら、落ち着いた環境で社員同士の交流を深めたい場合に最適な行き先です。

④ 東京都

日本の首都である東京都は、常に最新のトレンドと活気に満ち溢れており、刺激的な社員旅行を企画したい場合に最適です。交通の便が非常に良く、全国各地から社員が集まりやすいという大きなメリットがあります。

渋谷のスクランブル交差点や新しくなった駅周辺の展望施設、チームラボのような最新アート施設など、話題のスポットを巡るプランは、特に若い世代の社員に喜ばれるでしょう。また、観劇やスポーツ観戦、コンサートなど、多様なエンターテインメントを旅程に組み込めるのも大都市ならではの魅力です。

一方で、浅草や谷中など、昔ながらの風情が残る下町エリアを散策するのも一興です。人力車に乗ったり、もんじゃ焼きを囲んだりすれば、和気あいあいとした雰囲気が生まれます。夜には、東京湾の夜景を一望できる屋形船を貸し切っての宴会もおすすめです。非日常的な空間での食事は、特別な思い出として心に刻まれるでしょう。

研修目的の旅行にも適しています。最先端企業のオフィス見学や、各業界のセミナー、展示会への参加などを組み合わせることで、学びと慰安を両立したプログラムを組むことが可能です。多様な選択肢の中から、会社のカルチャーや目的に合わせて自由にプランをカスタマイズできるのが東京の強みです。

⑤ 福岡県

「食の都」として名高い福岡県は、グルメをメインに据えた社員旅行で絶大な人気を誇ります。手頃な価格で美味しいものが楽しめるコストパフォーマンスの高さが魅力で、特に活気ある雰囲気を好むグループにおすすめです。

福岡の夜の代名詞といえば、中洲の屋台です。ラーメンや焼き鳥、おでんなど、様々なジャンルの屋台が軒を連ね、地元の人々や観光客で賑わっています。開放的な空間で肩を寄せ合って食事をすれば、自然と会話が弾み、部署や役職の垣根を越えた交流が生まれるでしょう。

もつ鍋や水炊きといった鍋料理も福岡の名物です。一つの鍋を皆で囲むスタイルは、共同作業のような一体感を生み出し、チームの結束を強めるのに一役買います。

グルメ以外にも、学問の神様として知られる太宰府天満宮への参拝や、おしゃれなカフェや雑貨店が点在する糸島エリアでのドライブなど、見どころは豊富です。コンパクトな市内に観光スポットやグルメが集中しているため、短い日程でも効率よく楽しめる点も、忙しい企業にとっては嬉しいポイントです。アジアの玄関口としての活気を感じながら、美味しい食事で社員の士気を高めたい場合に最適な選択肢と言えるでしょう。

⑥ 大阪府

「食い倒れの街」そして「お笑いの聖地」として知られる大阪府は、エネルギッシュで笑いの絶えない社員旅行を企画したい場合にぴったりです。活気あふれる街の雰囲気が、自然と社員の心を解き放ち、コミュニケーションを促進します。

道頓堀のグリコの看板前での記念撮影は、旅の始まりを告げるお決まりの儀式です。たこ焼きやお好み焼きといった「粉もん」グルメの食べ歩きは、グループでシェアしながら楽しめるため、会話のきっかけになります。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を訪れれば、スリル満点のアトラクションや華やかなショーで、日頃のストレスも吹き飛ぶでしょう。チームで協力してミッションに挑むアトラクションもあり、楽しみながらチームワークを高めることができます。

また、なんばグランド花月で本場の吉本新喜劇や漫才を鑑賞するプランも大阪ならではです。「笑い」を共有する体験は、組織内にポジティブな雰囲気をもたらし、一体感を強める効果が期待できます。明るく、賑やかな雰囲気で社員同士の距離を縮めたいと考える企業にとって、大阪は間違いない選択肢の一つです。

⑦ 神奈川県(箱根・横浜)

首都圏からのアクセスが抜群で、多様な魅力を持つ神奈川県は、手軽に行ける社員旅行先として人気です。特に「温泉地の箱根」と「港町の横浜」は、それぞれ異なる魅力があり、目的に合わせて選べます

箱根は、豊かな自然と温泉が魅力のリゾート地です。彫刻の森美術館でアートに触れたり、芦ノ湖で海賊船に乗ったり、大涌谷で自然の力強さを感じたりと、見どころが満載です。温泉旅館に宿泊し、ゆっくりと湯に浸かりながら語らえば、日頃の疲れが癒され、リラックスした雰囲気の中で本音の対話が生まれるでしょう。1泊2日の慰安旅行に最適なエリアです。

一方、横浜は、異国情緒あふれる港町の景色が魅力です。みなとみらいの夜景はロマンチックで、ディナークルーズや高層階のレストランでの食事は、少し贅沢な社員旅行を演出します。赤レンガ倉庫や中華街の散策も人気で、特に中華街での食べ歩きや円卓を囲んでの食事は、グループでの行動に適しています。こちらは日帰り旅行や、キックオフミーティング後の懇親会といった用途にも向いています。

自然での癒しと都会的なエンターテインメント、両方のニーズに応えられるのが神奈川県の強みです。

⑧ 静岡県(熱海・伊豆)

首都圏や中京圏からのアクセスが良く、温泉、海、山の幸に恵まれた静岡県も、社員旅行の定番として根強い人気があります。特に熱海や伊豆半島は、温暖な気候と風光明媚な景色が魅力です。

熱海は、古くから温泉地として栄え、昭和レトロな雰囲気が漂う街並みが特徴です。大規模な宴会場を備えたホテルも多く、大人数での社員旅行にも対応しやすいのが利点です。温泉で日頃の疲れを癒し、海の幸をふんだんに使った料理を堪能する、王道の慰安旅行が実現できます。

伊豆半島は、エリアによって多様な表情を見せます。東伊豆では城ヶ崎海岸の吊り橋でスリルを味わい、南伊豆では美しい白浜海岸でリゾート気分を満喫できます。西伊豆の堂ヶ島では、クルージングで天窓洞の神秘的な光景を楽しめます。ジオパークに認定されている伊豆半島は、大地の成り立ちを学びながら自然の雄大さに触れる、知的好奇心を満たす旅も可能です。

わさび漬け作り体験やみかん狩りなど、地元の特産品にちなんだアクティビティも豊富で、社員同士の共同体験の場として活用できます。バランスの取れた観光資源が魅力で、幅広い年齢層が楽しめる行き先と言えるでしょう。

⑨ 長野県(軽井沢)

洗練された避暑地として名高い長野県の軽井沢は、おしゃれで落ち着いた雰囲気の社員旅行を求める企業に人気です。豊かな自然に囲まれながらも、都会的なセンスが感じられる場所です。

旧軽井沢銀座通りでのショッピングやカフェ巡り、レンタサイクルでのサイクリングは、軽井沢の定番の楽しみ方です。白糸の滝や雲場池(くもばいけ)など、美しい自然スポットも点在しており、マイナスイオンを浴びながらリフレッシュできます。

近年では、ワーケーションの聖地としても注目されており、研修と休暇を組み合わせたプランにも最適です。午前中はホテルの会議室でワークショップを行い、午後はゴルフやテニスで汗を流し、夜は美味しいフレンチやイタリアンで懇親を深めるといった、メリハリのある旅程を組むことができます。

アウトレットモールも充実しているため、自由時間に参加者が各自でショッピングを楽しめるのも魅力です。知的でクリエイティブな雰囲気が、社員の新たな発想やイノベーションを促すきっかけになるかもしれません

⑩ 石川県(金沢)

「北陸の小京都」とも称される石川県金沢市は、伝統的な街並みと現代アートが融合した、文化的な魅力にあふれる都市です。歴史や芸術に触れ、感性を磨く社員旅行にしたい場合に特におすすめです。

日本三名園の一つである兼六園の美しい庭園や、昔ながらの茶屋建築が残るひがし茶屋街の散策は、金沢観光のハイライトです。着物をレンタルして街を歩けば、より一層風情を感じられるでしょう。

また、無料で楽しめるエリアも多い金沢21世紀美術館は、現代アートを身近に感じられるスポットとして人気です。チームでアート作品について語り合うことで、普段とは違う視点でのコミュニケーションが生まれます。

食文化も豊かで、日本海の新鮮な海の幸が味わえる近江町市場での食べ歩きや、金箔をあしらった豪華なソフトクリームなどが楽しめます。九谷焼の絵付けや金箔貼り体験といった伝統工芸ワークショップは、社員旅行の記念になるだけでなく、集中力や創造性を高めるチームビルディングとしても効果的です。しっとりとした大人の雰囲気の中で、知的な刺激を受けたいグループに最適な行き先です。

⑪ 兵庫県(神戸・有馬温泉)

異国情緒漂う港町・神戸と、日本三古湯の一つに数えられる名湯・有馬温泉。この二つの全く異なる魅力を一度に楽しめるのが兵庫県の強みです。都会的な洗練と、伝統的な癒しを組み合わせたプランが可能です。

神戸では、1000万ドルの夜景と称される美しい夜景が最大の魅力です。六甲山や摩耶山からの眺めは圧巻で、社員旅行のクライマックスを飾るのにふさわしい光景です。北野異人館街の散策や、旧居留地のクラシカルな街並みも、非日常感を演出してくれます。グルメでは、世界的に有名な神戸ビーフをステーキや鉄板焼きで味わう贅沢な体験ができます。

神戸から少し足を延せば、歴史ある有馬温泉に到着します。鉄分を多く含んだ赤褐色の「金泉」と、無色透明の「銀泉」という二種類の温泉が楽しめ、散策で疲れた体を芯から癒してくれます。温泉街の風情ある街並みを浴衣で歩くのも、社員旅行ならではの楽しみ方です。

神戸でアクティブに過ごし、有馬温泉でゆっくり癒されるというメリハリのある旅程は、参加者の満足度を大いに高めるでしょう。

⑫ 千葉県(舞浜・房総)

東京都心からのアクセスが良く、エンターテインメントと自然の両方を楽しめる千葉県も、社員旅行の行き先として非常に人気があります。

舞浜エリアにある東京ディズニーリゾート®︎は、世代を問わず誰もが楽しめる「夢の国」です。パーク内では日常を忘れ、アトラクションやパレードに夢中になることで、社員同士の素顔が見え、自然と距離が縮まります。チームに分かれてパークを回り、後で感想を語り合うのも楽しいでしょう。家族同伴での社員旅行を企画する場合にも最適な選択肢です。

一方、南部の房総半島に目を向ければ、豊かな自然が広がっています。マザー牧場で動物と触れ合ったり、鋸山(のこぎりやま)の「地獄のぞき」でスリルを味わったり、館山で新鮮な海の幸を堪能したりと、多彩なプランが考えられます。海沿いのホテルでオーシャンビューを楽しみながらのBBQなども、コミュニケーションを深めるのに最適です。

エンタメで思い切りはしゃぐプランと、自然の中でリラックスするプラン、会社のカラーに合わせて選べるのが千葉県の魅力です。

⑬ 広島県

世界遺産を二つも有する広島県は、歴史と平和について深く学ぶことができる、意義深い社員旅行を実現できる場所です。単なる観光旅行に留まらず、組織としての価値観を共有し、チームの結束を深める機会となり得ます。

広島市内の原爆ドームと平和記念公園を訪れることは、日本人として一度は経験しておきたい貴重な体験です。平和記念資料館の見学や、語り部の方から当時の様子を聞くプログラムは、社員一人ひとりの心に深く刻まれ、平和の尊さや命の大切さを再認識させてくれます。こうしたシリアスなテーマに共に向き合う経験は、組織に強い連帯感をもたらすでしょう。

宮島に渡れば、海に浮かぶ朱塗りの大鳥居が象徴的な厳島神社があります。干潮時には大鳥居の根元まで歩いて行けるなど、時間によって異なる表情を見せる神秘的な光景は必見です。

もちろん、お好み焼きや牡蠣といった広島ならではのグルメも旅の楽しみの一つです。学びと観光、グルメをバランス良く組み合わせることで、参加者の心に残る充実した社員旅行となるでしょう。

⑭ 三重県(伊勢志摩)

「日本人の心のふるさと」と称される伊勢神宮を擁する三重県・伊勢志摩エリアは、企業の発展や社員の健康を祈願する、格式高い社員旅行にふさわしい場所です。

伊勢神宮への参拝は、旅のメインイベントです。外宮から内宮へと参拝するのが古来からの習わしとされており、厳かな雰囲気の中で心を整えることができます。参拝後は、内宮の門前町である「おかげ横丁」や「おはらい町」の散策がおすすめです。江戸時代の街並みが再現された通りには、名物の伊勢うどんや赤福餅のお店が軒を連ね、食べ歩きが楽しめます。

志摩エリアに移動すれば、リアス式海岸が美しい英虞湾(あごわん)の絶景が待っています。展望台から眺める景色は素晴らしく、遊覧船で湾内をクルーズするのも人気です。また、伊勢志摩は伊勢海老や鮑、的矢かきといった高級食材の宝庫でもあり、豪華な海鮮料理は社員への最高のご褒美となるでしょう。

神聖な場所への参拝と、風光明媚な景色、そして美食。この三拍子が揃った伊勢志摩は、節目の年の記念旅行や、新たなスタートを切るキックオフ旅行に最適です。

⑮ 大分県(別府・由布院)

「おんせん県」を名乗る大分県は、日本一の源泉数と湧出量を誇る温泉天国です。特に人気の別府と由布院は、それぞれに異なる魅力があり、温泉をテーマにした社員旅行では外せない選択肢です。

別府温泉は、街の至る所から湯けむりが立ち上る、活気あふれる温泉地です。海地獄や血の池地獄など、様々な色の温泉を巡る「地獄めぐり」は、別府観光の定番です。また、温泉の蒸気を利用した「地獄蒸し料理」は、食材の旨味が凝縮されたヘルシーな名物料理で、グループでの食事にぴったりです。

一方、由布院温泉は、おしゃれなショップや美術館が点在する、洗練された雰囲気の温泉地です。メインストリートである「湯の坪街道」を散策したり、辻馬車に乗ってのどかな田園風景を楽しんだり、女性に特に人気のエリアです。落ち着いた雰囲気の中で、ゆったりと過ごしたいグループに向いています。

泉質や雰囲気の異なる二大温泉地を巡ることで、温泉の奥深さを堪能できます。日頃の業務で疲れた心と体を、極上の温泉で癒す慰安旅行に最適な場所です。

⑯ 鹿児島県

九州の南端に位置し、雄大な自然と独自の歴史文化を持つ鹿児島県は、アクティブな体験と歴史探訪を組み合わせたいグループにおすすめです。

鹿児島のシンボルである桜島は、今もなお噴煙を上げる活火山であり、その力強い姿は見る者を圧倒します。フェリーで渡り、展望所から間近に迫る桜島を体感したり、溶岩なぎさ公園の足湯でリラックスしたりできます。

世界自然遺産の屋久島まで足を延せば、樹齢数千年といわれる縄文杉を目指すトレッキングなど、大自然を満喫する本格的なアクティビティが可能です。チームで助け合いながら目標を達成する経験は、何物にも代えがたい一体感を生み出します。

また、幕末の志士・西郷隆盛や大久保利通を輩出した地でもあり、歴史好きにはたまらないスポットが満載です。指宿の砂むし温泉でデトックス体験をするのも、鹿児島ならではのユニークな楽しみ方です。黒豚やきびなご、さつま揚げといった郷土料理も絶品で、旅の満足度を高めてくれます。

⑰ 群馬県(草津温泉)

「日本三名泉」の一つに数えられる草津温泉は、豊富な湯量と優れた泉質で知られる、日本を代表する温泉地です。温泉そのものの魅力をとことん追求したい、王道の温泉旅行に最適です。

草津温泉のシンボルである湯畑は、毎分約4,000リットルもの温泉が湧き出し、湯けむりが立ち上る圧巻の光景です。夜にはライトアップされ、幻想的な雰囲気に包まれます。湯畑の周りには旅館や土産物店が立ち並び、温泉街の散策が楽しめます。

名物の「湯もみと踊りショー」は、草津節に合わせて高温の源泉を板でかき混ぜて冷ます伝統的な風習で、見学するだけでなく体験することも可能です。チームで挑戦すれば、盛り上がること間違いなしです。

泉質は強酸性で殺菌作用が高いとされ、日頃の疲れを癒し、心身をリフレッシュさせるのに効果的です。首都圏からのアクセスも比較的良く、純粋に温泉と日本の温泉文化を楽しみたいという目的に特化した社員旅行におすすめです。

⑱ 栃木県(日光)

「日光を見ずして結構と言うなかれ」という言葉で知られる栃木県日光市は、世界遺産に登録された歴史的建造物群と、雄大な自然の両方を楽しめる魅力的なエリアです。

徳川家康を祀る日光東照宮は、豪華絢爛な装飾が施された社殿が見どころです。「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿や「眠り猫」など、有名な彫刻を探しながら境内を巡るのは、知的な探求心をくすぐります。

自然の魅力も豊かで、日本三名瀑の一つである華厳の滝の迫力ある姿や、紅葉の名所としても知られる中禅寺湖の美しい景色は、訪れる人々を魅了します。奥日光エリアまで足を延せば、戦場ヶ原の湿原ハイキングなども楽しめ、リフレッシュに最適です。

名物のゆば料理を味わったり、日光さる軍団のショーで笑ったりと、楽しみ方も多彩です。歴史学習と自然散策を組み合わせ、落ち着いた雰囲気の中で交流を深めたいグループに向いています。

⑲ 愛知県

日本のものづくりを支える産業の中心地でありながら、独自の食文化や歴史的魅力も持つ愛知県は、学びとグルメを両立させたい社員旅行にユニークな選択肢を提供します。

名古屋市内では、金の鯱で有名な名古屋城や、日本の産業技術の歴史を学べるトヨタ産業技術記念館などが人気のスポットです。特に後者は、日本の近代化を牽引した技術力に触れることができ、業種によっては非常に有意義な研修の場となります。

食文化は個性的で、「なごやめし」と呼ばれるひつまぶし、味噌カツ、手羽先などは、他では味わえない独特の美味しさがあります。皆で「味仙」の台湾ラーメンに挑戦してみるのも、刺激的な思い出になるかもしれません。

少し足を延せば、国宝犬山城や、明治時代の建物を保存・展示する野外博物館「博物館明治村」などもあり、歴史探訪も楽しめます。産業、歴史、グルメという多角的なテーマでプランを組み立てられるのが愛知県の面白さです。

⑳ 宮城県(仙台・松島)

東北地方の中心都市である宮城県は、「杜の都」仙台の都会的な魅力と、日本三景の一つに数えられる松島の絶景を併せ持つエリアです。グルメ、絶景、そして学びの要素を盛り込めるバランスの取れた行き先です。

仙台では、伊達政宗ゆかりの仙台城跡(青葉城跡)から市内を一望し、名物の牛タンやずんだ餅に舌鼓を打つのが定番です。アーケード街でのショッピングも楽しめます。

松島では、大小260余りの島々が浮かぶ松島湾を遊覧船でクルージングするのがおすすめです。様々な形の島々が織りなす風景は、まさに水墨画のような美しさです。瑞巌寺や五大堂といった歴史ある寺社も点在し、落ち着いた雰囲気の中で散策ができます。

また、沿岸部を訪れ、東日本大震災からの復興の歩みを学ぶ震災学習プログラムを取り入れることも可能です。企業の社会的責任(CSR)活動の一環として、あるいは組織のレジリエンス(困難から立ち直る力)を考えるきっかけとして、非常に意義深い体験となるでしょう。楽しみながらも、社会的な視点を取り入れたい企業に推奨される行き先です。

社員旅行の目的とは?実施するメリット

社員旅行の目的とは?実施するメリット

社員旅行を単なる「福利厚生のイベント」と捉えるだけでは、その真の価値を見出すことはできません。成功する社員旅行は、明確な目的を持って企画・実施されます。ここでは、社員旅行が企業にもたらす4つの主要なメリットについて、その目的と共に詳しく解説します。

社内のコミュニケーションを活性化させる

社員旅行がもたらす最大のメリットの一つは、部署や役職の垣根を越えたコミュニケーションの活性化です。

普段の職場では、業務上の関わりが中心となり、会話する相手も限定されがちです。特に、組織が大きくなればなるほど、他部署の社員とは名前と顔が一致しない、といった状況も珍しくありません。このようなコミュニケーションの希薄化は、セクショナリズムを生み、組織全体の連携を阻害する要因となり得ます。

社員旅行は、こうした壁を取り払う絶好の機会です。職場という「オン」の環境を離れ、旅行という「オフ」の非日常的な空間に身を置くことで、誰もがリラックスし、心を開きやすくなります。食事の時間やバスでの移動中、あるいは旅館の部屋での何気ない会話から、相手の意外な趣味や人柄を知ることができます。

例えば、普段は厳しい表情の上司が、宴会の席では冗談を言って場を盛り上げたり、物静かな後輩がアクティビティで驚くような運動神経を発揮したりするかもしれません。こうした新たな一面の発見は、相互理解を深め、親近感を育みます。

このような関係性が構築されると、日常業務に戻った後も、円滑なコミュニケーションが期待できます。「あの旅行で一緒だった〇〇さんだ」という共通の思い出が、業務上の相談や連携をスムーズにし、部署間の協力体制を強化する潤滑油となるのです。結果として、組織全体の生産性向上にも繋がります。

従業員のモチベーションや満足度を高める

社員旅行は、従業員の日頃の労をねぎらい、感謝の意を示すための有効な手段です。会社から「大切にされている」というメッセージが伝わることで、従業員のモチベーションやエンゲージメント(仕事への熱意や貢献意欲)、そして会社に対する満足度を高める効果があります。

日々の業務に追われる中で、従業員は少なからず心身の疲れを溜め込んでいます。社員旅行は、そんな従業員にとって絶好のリフレッシュの機会となります。美しい景色を眺めたり、美味しい食事を堪能したり、温泉に浸かって心身を癒したりすることで、日頃のストレスから解放され、新たな活力を得ることができます。

会社が費用を負担してこのような機会を提供することは、「社員の頑張りに報いたい」という経営層の想いの表れです。この想いが従業員に伝わることで、「この会社は自分たちのことを考えてくれている」「これからもこの会社で頑張ろう」というポジティブな感情が芽生えます。これが、帰属意識やロイヤルティの向上に直結します。

特に、旅行の企画段階で従業員の希望をアンケートで募ったり、自由時間を設けて個々の興味に応えたりする工夫は、従業員満足度をさらに高める上で重要です。会社から一方的に与えられる旅行ではなく、「自分たちも参加して作り上げた旅行」という意識が、より一層の満足感を生み出します。

優秀な人材の定着が企業の重要な経営課題となっている現代において、社員旅行は人材流出を防ぎ、魅力的な職場環境をアピールするための投資として、非常に大きな意味を持つのです。

チームワークを向上させ一体感を生み出す

社員旅行は、共通の体験を通じて、チームとしての結束力を高め、一体感を醸成するための絶好の舞台となります。

日常業務におけるチームワークも重要ですが、それはあくまで個々の役割分担に基づいた協力関係であることが多いです。しかし、社員旅行では、役職や役割を離れた「個人」として、フラットな関係で目標に挑む機会を作ることができます。

その最も効果的な手法が、チームビルディングを目的としたアクティビティの導入です。例えば、以下のようなものが考えられます。

  • スポーツ大会・運動会: チーム対抗リレーや綱引きなど、単純なルールで誰もが楽しめる競技は、自然と応援に熱が入り、一体感が生まれます。
  • 謎解き・脱出ゲーム: チームで知恵を出し合い、制限時間内に謎を解くゲームです。論理的思考力や情報共有、役割分担の重要性を体感できます。
  • 料理対決: カレー作りやBBQなどで、食材の調達から調理、後片付けまでをチームで行います。共同作業を通じて、コミュニケーションと協調性を育みます。
  • ラフティング・カヌー: 全員で息を合わせてパドルを漕ぎ、急流を下るなどの体験は、強い連帯感と達成感をもたらします。

こうしたアクティビティでは、普段の業務では見られないリーダーシップを発揮する人や、ムードメーカーとなる人が現れることがあります。共に汗を流し、困難を乗り越え、目標を達成したという成功体験は、強力な信頼関係を築き、参加者の記憶に深く刻まれます

この「疑似的な成功体験」を通じて育まれたチームワークは、職場に戻ってからも活かされます。困難なプロジェクトに直面した際に、「あの時のように、みんなで協力すれば乗り越えられる」という自信と連帯感が、チームのパフォーマンスを最大限に引き出す力となるのです。

会社の理念やビジョンを共有する機会になる

社員旅行は、慰安や交流だけでなく、会社の経営理念や将来のビジョンを全社員で共有するための戦略的な場としても活用できます。

普段、経営層が発信する理念やビジョンは、朝礼や社内報などを通じて伝えられますが、日々の業務に追われる中で、その本質が全社員に深く浸透しているとは限りません。特に、企業の成長に伴い社員数が増えると、メッセージが末端まで届きにくくなるという課題が生じます。

社員旅行という非日常的でリラックスした環境は、こうした重要なメッセージを伝えるのに非常に適しています。例えば、旅行の行程にキックオフミーティングやワークショップの時間を設けるのです。

社長や役員が自らの言葉で、会社の歴史や創業の想い、そしてこれから目指す未来について熱く語ることで、従業員は理念やビジョンを単なる「お題目」ではなく、自分ごととして捉えやすくなります。かしこまった会議室ではなく、開放的なリゾートホテルの会場などで行うことで、より心に響くメッセージとなるでしょう。

また、会社のビジョンに関するテーマでグループディスカッションを行うワークショップも効果的です。部署や年次の異なるメンバーが混ざったチームで意見を交わすことで、ビジョンに対する理解が深まると同時に、社員一人ひとりが「会社の未来を創る一員である」という当事者意識を持つきっかけになります。

全社員が同じ方向を向いて進むためには、理念やビジョンの共有が不可欠です。社員旅行をそのための貴重な機会と捉え、戦略的にプログラムを組むことで、組織の一体感を飛躍的に高めることができるでしょう。

【目的・テーマ別】社員旅行のおすすめプラン

社員旅行の成功は、「何のために行くのか」という目的を明確にすることから始まります。ここでは、代表的な4つの目的・テーマに沿った具体的なプラン例をご紹介します。自社の課題や目指す姿に合わせて、最適なプランを検討してみてください。

温泉や自然で日々の疲れを癒すリフレッシュプラン

このプランの目的は、従業員への慰労と心身のリフレッシュです。日頃の業務で蓄積した疲れやストレスを解放し、新たな活力を養ってもらうことを最優先に考えます。

  • 行き先例:
    • 箱根(神奈川県): 首都圏からアクセスしやすく、豊かな自然と多種多様な温泉、美術館などが揃う。
    • 草津温泉(群馬県): 日本三名泉の一つ。湯畑を中心とした風情ある温泉街で、温泉そのものを満喫できる。
    • 別府・由布院(大分県): 「おんせん県」を代表する二大温泉地。泉質や雰囲気の違いを楽しめる。
    • 北海道(富良野・美瑛): 壮大な自然景観が広がり、ラベンダー畑や美しい丘が心を癒す。
  • 旅程のポイント:
    • 詰め込みすぎないゆとりのあるスケジュール: 移動時間を少なくし、一つの場所にじっくり滞在するスタイルがおすすめです。
    • 質の高い宿の選定: 露天風呂付き客室のある旅館や、食事が自慢のホテルなど、宿での滞在そのものが目的となるような場所を選びましょう。
    • 自由時間を多めに確保: 「何もしない贅沢」を味わえる時間を設けることが重要です。温泉街を散策したり、部屋で昼寝をしたり、各自が思い思いの過ごし方ができるように配慮します。
    • 自然散策や軽いアクティビティ: 森林浴や湖畔の散歩、景色の良いカフェでの休憩など、心身をリラックスさせるプログラムを組み込みます。

このプランで最も大切なのは、「やらされ感」をなくし、参加者が心からリラックスできる環境を提供することです。豪華な宴会よりも、落ち着いた個室での会席料理の方が好まれる場合もあります。参加者の年齢層や好みを考慮し、心地よい時間と空間を演出しましょう。

ご当地の食文化を堪能するグルメプラン

このプランの目的は、「食」という万国共通の楽しみを通じて、コミュニケーションを活性化させることです。美味しいものを共に味わう体験は、自然と会話を生み、社員同士の距離を縮めます。

  • 行き先例:
    • 福岡県(博多): 屋台、もつ鍋、水炊き、ラーメンなど、安くて美味しいB級グルメから名物料理まで揃う食の宝庫。
    • 北海道(札幌・函館): 新鮮な海鮮丼、寿司、カニ、ジンギスカン、スープカレーなど、食の魅力が満載。
    • 石川県(金沢): 日本海の海の幸、加賀野菜を使った会席料理、和菓子など、上品で洗練された食文化が楽しめる。
    • 大阪府: たこ焼き、お好み焼きなどの「粉もん」文化。活気ある雰囲気の中で食べ歩きが楽しめる。
  • 旅程のポイント:
    • テーマを明確にする: 「海鮮尽くしツアー」「B級グルメ食べ歩き」「地酒と郷土料理のマリアージュ」など、食のテーマを決めるとプランが立てやすくなります。
    • 体験型コンテンツの導入: 市場で食材を選んでBBQをしたり、蕎麦打ちやご当地料理のクッキング体験をしたりと、自分たちで「作る」楽しみも加えると一体感が生まれます。
    • 多様な食事スタイルの組み合わせ: 賑やかな居酒屋での宴会、落ち着いた料亭での会席、自由な食べ歩きなど、様々なシーンを用意すると飽きさせません。
    • 情報共有を促す仕掛け: 各自が見つけた美味しいお店やメニューをSNSグループで共有し合うなど、ゲーム感覚で楽しむ工夫も有効です。

食事がメインの旅行では、アレルギーや苦手な食べ物への配慮が不可欠です。事前にアンケートを取り、全員が楽しめるようにメニューを調整しましょう。美味しい食事と楽しい会話は、最高の思い出となり、職場の雰囲気をも明るくしてくれます。

チームビルディングで組織力を強化する研修プラン

このプランの目的は、慰安だけでなく、明確に組織力向上を目指すことです。座学の研修とは異なり、体験を通じてチームワークやコミュニケーションの重要性を学び、組織への帰属意識を高めます。

  • 行き先例:
    • 軽井沢(長野県): 研修施設が充実しており、自然環境の中でワークショップやアクティビティが行える。
    • 山梨県(富士五湖): 富士山の麓で、カヌーやキャンプ、オリエンテーリングなどのアウトドア研修が可能。
    • 沖縄県: 開放的なリゾート環境で、ビーチでのチーム対抗ゲームやマリンスポーツを通じたチームビルディングが人気。
    • 都市部の研修施設: 移動時間をかけずに、謎解き脱出ゲームや料理対決など、目的に特化したプログラムを実施できる。
  • 旅程のポイント:
    • 専門の研修会社との連携: 効果的なチームビルディングプログラムを企画・運営するには、専門家の知見を活用するのが近道です。
    • 「楽しさ」と「学び」のバランス: あまりに研修色が強いと参加者の意欲が削がれてしまいます。あくまで旅行の一環として、楽しみながら自然と学べるようなプログラム設計が重要です。
    • 振り返りの時間を設ける: アクティビティをやりっぱなしにするのではなく、最後に「振り返り(リフレクション)」の時間を設けます。体験を通じて何を感じ、何を学んだのか、そしてそれを今後の業務にどう活かすのかをグループで共有することで、学びが定着します。
    • 経営層からのメッセージ: 旅行の冒頭や最後に、経営層からこの研修旅行の目的や期待を伝えることで、参加者の意識が高まります。

チームビルディングプランの成功の鍵は、内向きな個人作業ではなく、他者との関わり合いが不可欠な課題を設定することです。共通の目標に向かって協力するプロセスそのものが、組織の財産となります。

アクティビティで体を動かす体験型プラン

このプランの目的は、共通の体験、特に体を動かすアクティビティを通じて、一体感と達成感を共有することです。スポーツやアウトドア活動は、役職や年齢に関係なく、誰もがフラットな立場で楽しめ、コミュニケーションの壁を壊すのに効果的です。

  • 行き先例:
    • 北海道(ニセコ・富良野): 冬はスキー・スノーボード、夏はラフティングやサイクリング、熱気球体験など、大自然を満喫できる。
    • 沖縄県・奄美大島: シュノーケリング、ダイビング、SUP(スタンドアップパドルボード)など、美しい海を舞台にしたマリンスポーツが豊富。
    • 長野県・白馬: 夏は登山やマウンテンバイク、冬はウィンタースポーツが楽しめるマウンテンリゾート。
    • 千葉県(房総): ゴルフコンペや、サーフィン体験、マザー牧場でのアトラクションなど、首都圏から日帰りでも楽しめる。
  • 旅程のポイント:
    • レベルに合わせた選択肢の用意: 参加者の運動経験や体力は様々です。初心者でも楽しめるコースや、運動が苦手な人向けの見学・応援プラン、あるいは別行動(温泉や散策など)の選択肢も用意しておくと、全員の満足度が高まります。
    • 安全管理の徹底: アウトドアアクティビティには怪我のリスクが伴います。信頼できるガイドやインストラクターを手配し、保険への加入を徹底するなど、安全対策は万全に行いましょう。
    • チーム対抗戦の要素を取り入れる: ゴルフコンペやボウリング大会など、チーム対抗にすることで、競争心と協調性が刺激され、大いに盛り上がります。
    • 達成感を分かち合う演出: アクティビティの後のBBQや宴会で、健闘を称え合う表彰式などを行うと、より一層思い出深いものになります。

共に汗を流し、応援し合い、目標を達成した喜びを分かち合う経験は、言葉だけのコミュニケーションよりも強く、長く心に残ります。アクティブな社風の企業や、若手社員が多い組織に特におすすめのプランです。

【人数・日程別】おすすめの社員旅行

社員旅行のプランニングにおいて、参加人数と確保できる日数は、行き先や内容を決定する上で重要な制約条件となります。ここでは、「少人数」「大人数」「日帰り」という3つのパターンに分けて、それぞれに適した旅行スタイルやおすすめのポイントを解説します。

少人数(10名程度)におすすめの旅行スタイル

10名程度の少人数での社員旅行は、小回りが利き、自由度の高いプランニングが可能な点が最大の魅力です。参加者同士の距離が近く、密なコミュニケーションが生まれやすいため、チームの結束を深めるのに非常に適しています。

  • 宿泊先の選択肢が広い:
    大人数では予約が難しい、客室数が少ない隠れ家的な宿や、こだわりのあるオーベルジュ(宿泊施設付きレストラン)、一棟貸しのコテージやヴィラなどを利用できます。一棟貸しの施設であれば、リビングで夜遅くまで語り合ったり、キッチンで一緒に料理をしたりと、他人に気兼ねなくアットホームな時間を過ごせます
  • 移動・食事の手配が容易:
    移動はジャンボタクシーやレンタカーのミニバンで十分対応可能です。公共交通機関を利用する場合も、座席の確保が比較的容易です。食事に関しても、人気のレストランや個人経営の小さなお店など、予約が取りにくい場所にもチャレンジできます。参加者のリクエストを聞いて、「〇〇さんが行きたがっていたあのお店に行ってみよう」といった柔軟な対応が可能です。
  • プランの具体例:
    • 美食探訪プラン: 地方のオーベルジュに宿泊し、シェフこだわりのディナーを堪能。翌日は地元のワイナリーや醤油蔵などを見学し、食への見識を深める。
    • アクティブ体験プラン: 離島(例:屋久島、佐渡島)に渡り、トレッキングやシーカヤックに挑戦。夜はコテージでBBQをしながら達成感を分かGiau。
    • オーダーメイド研修プラン: 特定のスキルアップを目指し、専門家を講師として招き、合宿形式の集中研修を行う。

少人数旅行の鍵は、その「密度の濃さ」を最大限に活かすことです。幹事は参加者一人ひとりの意見を丁寧にヒアリングし、全員が主役になれるような、手作り感のある旅行を企画しましょう。

大人数(30名以上)におすすめの旅行スタイル

30名を超える大人数での社員旅行は、企画・手配の難易度が上がりますが、会社全体の一体感を醸成し、大きなイベントとしての盛り上がりを創出できるというメリットがあります。成功させるためには、周到な準備と工夫が必要です。

  • 課題と対策:
    • 宿泊・移動手段の確保: 全員が一度に宿泊できる大型ホテルや旅館、宴会場の確保が必須です。移動も貸切バスの手配が基本となります。これらは早い段階で予約しないと埋まってしまうため、半年前~1年前に企画をスタートさせるのが理想です。
    • 多様なニーズへの対応: 年齢、性別、役職、趣味嗜好が多様化するため、全員を満足させる単一のプランを作るのは困難です。そこで有効なのが「分科会形式」です。
    • 意見の集約: 参加者全員の希望を聞くのは現実的ではありません。アンケートで大まかな方向性(例:温泉リラックス、アクティブ体験など)を掴んだ後は、幹事チームで責任を持ってプランを決定する必要があります。
  • プランの具体例:
    • 分科会プラン: 滞在2日目の午前中を自由時間とし、「ゴルフコース」「観光コース」「ホテルでリラックスコース」「体験(陶芸など)コース」など、複数の選択肢を用意します。参加者は自分の興味に合わせてコースを選べるため、満足度が高まります。
    • チーム対抗イベントプラン: 全体を複数のチームに分け、運動会や謎解きゲーム、ボウリング大会などを実施します。普段関わりのない社員同士が同じチームになるように組み合わせることで、新たな交流が生まれます。
    • 大型リゾートホテル活用プラン: プールや温泉、複数のレストラン、会議室などを備えた大型リゾートホテルを拠点にします。ホテル内でほとんどのことが完結するため、移動の手間が省け、参加者は施設内の様々なアトラクションを自由に楽しめます。

大人数旅行では、旅行会社との連携が不可欠です。宿や交通機関の一括手配はもちろん、分科会の運営やイベントの企画など、プロのノウハウを活用することで、幹事の負担を大幅に軽減し、スムーズで質の高い旅行を実現できます。

日帰りで楽しめるおすすめの行き先

宿泊を伴う旅行が難しい場合でも、日帰り旅行であれば、コストを抑えつつ、気軽に参加を呼びかけることができます。「参加のしやすさ」が最大のメリットであり、リフレッシュやコミュニケーション促進という目的は十分に達成可能です。

  • 日帰り旅行のメリット:
    • コスト削減: 宿泊費がかからないため、一人あたりの費用を大幅に抑えることができます。
    • 日程調整のしやすさ: 週末の1日や、平日の業務終了後からの短時間プランなど、柔軟な日程設定が可能です。
    • 参加率の向上: 家庭の事情などで宿泊が難しい従業員も参加しやすくなります。
  • おすすめのプランと行き先:
    • 貸切バスツアー:
      • 行き先例(首都圏発): 箱根(温泉・散策)、鎌倉(歴史探訪)、山梨(果物狩り・ワイナリー)、房総(海鮮BBQ)
      • 内容: プロのドライバーに運転を任せられるため、移動中にお酒を飲んだりレクリエーションをしたりできます。複数の観光地を効率よく巡ることが可能です。
    • テーマパーク・レジャー施設:
      • 行き先例: 東京ディズニーリゾート®︎、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、マザー牧場、よみうりランドなど
      • 内容: 非日常的な空間で思い切り楽しむことで、ストレス解消と一体感の醸成が期待できます。フリーパスを配布し、グループでの自由行動が基本となります。
    • グルメ体験:
      • 行き先例: 都心の高級ホテルでのランチビュッフェ、屋形船での宴会、BBQ場でのアウトドアクッキング
      • 内容: 「食」にテーマを絞り、少し贅沢な体験を提供します。短時間でも満足度が高く、コミュニケーションも弾みます。
    • スポーツ・アクティビティ:
      • 行き先例: ボウリング場、ゴルフ場、フットサルコート、アスレチック施設
      • 内容: チーム対抗で汗を流すことで、楽しみながらチームワークを高めることができます。

日帰り旅行を成功させるコツは、移動時間をできるだけ短くし、現地での滞在時間を最大化することです。会社の所在地から片道2時間程度で行ける範囲を目安に行き先を選ぶと、参加者の負担が少なく、満足度の高いプランを組むことができるでしょう。

【季節別】国内旅行のおすすめエリア

日本の四季折々の美しさは、旅行の魅力を一層引き立ててくれます。季節ごとの特色を活かした行き先を選ぶことで、より記憶に残る社員旅行を演出できます。ここでは、春夏秋冬それぞれの季節におすすめのエリアと楽しみ方をご紹介します。

春におすすめの行き先(お花見など)

春は気候が穏やかで過ごしやすく、桜をはじめとする花々が咲き誇り、旅行に最適なシーズンのひとつです。新しい年度の始まりに、キックオフを兼ねた旅行を企画するのにも良い時期です。

  • 京都府:
    言わずと知れた桜の名所です。清水寺や嵐山、哲学の道など、古都の風情ある街並みと桜のコントラストは圧巻です。夜桜のライトアップも幻想的で、非日常感を味わえます。ただし、国内外から観光客が集中するため、混雑は必至です。予約は早めに行い、移動は公共交通機関よりも貸切バスなどを利用する方がスムーズです。
  • 東京都(上野・目黒川):
    上野恩賜公園の桜並木の下でのお花見や、目黒川沿いの桜のトンネルを散策するのは、春の風物詩です。屋形船を貸し切って、水上から桜を愛でるのも粋な楽しみ方です。
  • 静岡県(伊豆):
    2月上旬から咲き始める河津桜は、一足早い春の訪れを感じさせてくれます。気候も温暖で、海の幸も美味しく、リフレッシュ旅行に最適です。
  • ポイント:
    春は多くの企業が研修や旅行を実施する時期でもあり、旅行代金が高騰する傾向にあります。特にゴールデンウィーク期間はピークとなるため、予算を抑えたい場合は時期を少しずらすなどの工夫が必要です。

夏におすすめの行き先(避暑地・マリンスポーツなど)

夏は、暑さを活かして海や川でアクティブに過ごすか、涼しい高原や避暑地で快適に過ごすか、大きく二つの方向性でプランを考えることができます。

  • 避暑地プラン:
    • 長野県(軽井沢・上高地): 高地に位置するため夏でも涼しく、快適に過ごせます。軽井沢ではサイクリングやショッピング、上高地では美しい自然の中でのハイキングが楽しめます。ワーケーションにも最適です。
    • 北海道(富良野・知床): 夏の北海道は湿度が低く爽やかです。富良野のラベンダー畑や、知床の雄大な自然を満喫するネイチャーツアーは、忘れられない体験となるでしょう。
  • マリンスポーツ・川遊びプラン:
    • 沖縄県: 日本最高の透明度を誇る海で、シュノーケリングやダイビング、SUPなどを満喫できます。開放的なビーチでBBQをすれば、夏の思い出として最高の一日になります。
    • 四国(吉野川): 日本三大暴れ川の一つ、吉野川でのラフティングはスリル満点です。チームで力を合わせて激流を乗り越える体験は、最強のチームビルディングになります。
  • ポイント:
    夏休みシーズン(7月下旬~8月)は家族旅行などで混雑し、料金も高くなります。可能であれば、6月や7月上旬、9月などに時期をずらすと、比較的費用を抑えて楽しむことができます。熱中症対策は万全に行いましょう。

秋におすすめの行き先(紅葉・味覚狩りなど)

秋は気候が安定し、「食欲の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」と言われるように、多様なテーマで旅行を楽しみやすい季節です。特に、山々が赤や黄色に染まる紅葉は、日本の秋ならではの美しい風景です。

  • 紅葉狩りプラン:
    • 栃木県(日光): いろは坂のドライブや中禅寺湖、竜頭ノ滝など、見事な紅葉スポットが点在しています。世界遺産と紅葉の組み合わせは格別です。
    • 京都府(嵐山・東福寺): 寺社仏閣の庭園を彩る紅葉は、まるで絵画のような美しさです。ライトアップされた夜の紅葉も風情があります。
    • 東北地方(奥入瀬渓流など): ブナやカエデの原生林が色づく様は圧巻です。渓流沿いを散策しながら、自然のアートを堪能できます。
  • 味覚狩り・グルメプラン:
    • 山梨県: ぶどうやリンゴなどの果物狩りが楽しめます。ワイナリーを巡り、新酒のワインを味わうのもおすすめです。
    • 長野県: 新そばの季節です。そば打ち体験と合わせて、打ちたての香り高いそばを味わうのは格別です。キノコ狩りなども楽しめます。
  • ポイント:
    紅葉の見頃は場所やその年の気候によって変動します。旅行を計画する際は、最新の紅葉情報をチェックすることが重要です。週末や連休は大変混雑するため、平日の利用も検討しましょう。

冬におすすめの行き先(温泉・ウィンタースポーツなど)

冬は、寒い季節ならではの楽しみ方が満載です。雪景色を眺めながらの温泉や、ウィンタースポーツ、そして旬を迎える冬の味覚は、冬の旅行の醍醐味です。

  • 温泉満喫プラン:
    • 群馬県(草津温泉)・岐阜県(下呂温泉)など: 雪見風呂は冬の温泉旅行のハイライトです。体の芯から温まり、日頃の疲れを癒すことができます。
    • 鹿児島県(指宿): 暖かい地域で、名物の砂むし温泉を体験するのもユニークです。体の老廃物を排出し、デトックス効果が期待できます。
  • ウィンタースポーツプラン:
    • 北海道(ニセコ)・長野県(白馬): 世界屈指のパウダースノーで、スキーやスノーボードが楽しめます。初心者向けのスクールも充実しているため、未経験者も安心です。雪合戦やかまくら作りなど、雪遊びも盛り上がります。
  • グルメプラン:
    • 北陸地方(石川・富山): 寒ブリやカニなど、冬が旬の海の幸が豊富です。新鮮な魚介類を地酒と共に味わうのは至福のひとときです。
    • 福岡県: もつ鍋や水炊きなど、体を温める鍋料理が美味しい季節です。皆で一つの鍋を囲めば、自然と会話も弾みます。
  • ポイント:
    雪が多い地域へ行く場合は、交通機関の乱れ(遅延・運休)に注意が必要です。スケジュールには余裕を持たせ、万が一の際の代替案も考えておくと安心です。防寒対策は徹底しましょう。

社員旅行の行き先を決める4つのポイント

旅行の目的を明確にする、参加者の年齢層や希望を考慮する、会社が負担する予算と日程を決める、旅程に自由時間を盛り込む

魅力的な行き先候補がたくさんあっても、自社に最適な場所を選ぶのは難しいものです。ここでは、行き先決定のプロセスで失敗しないための4つの重要なポイントを解説します。これらを順番に検討することで、論理的で、かつ参加者の満足度が高い行き先選定が可能になります。

① 旅行の目的を明確にする

行き先選定の最も重要な出発点は、「何のために社員旅行を行うのか」という目的を明確にすることです。目的が曖昧なまま行き先を決めようとすると、議論が発散し、まとまりのない旅行になってしまいます。

まず、以下の例のように、旅行の主目的を一つか二つに絞り込みましょう。

  • 慰労・リフレッシュ: 日頃の業務の疲れを癒し、英気を養ってもらうことが最優先。
    • 行き先候補: 温泉地(箱根、草津)、リゾート地(沖縄、軽井沢)
    • プランの方向性: ゆったりとしたスケジュール、自由時間の確保、質の高い宿
  • コミュニケーション活性化: 部署や役職を超えた交流を促し、組織の風通しを良くしたい。
    • 行き先候補: グルメの街(福岡、大阪)、体験施設が豊富な場所(千葉、北海道)
    • プランの方向性: 食べ歩き、BBQ、チーム対抗のゲームやアクティビティ
  • チームビルディング・研修: 共通の目標に取り組むことで、チームの結束力を高めたい。会社の理念を共有したい。
    • 行き先候補: 研修施設が整ったリゾート(軽井沢)、アウトドア施設(富士五湖)
    • プランの方向性: ワークショップ、スポーツ大会、謎解きゲーム、経営層からのメッセージ共有
  • インセンティブ(報奨): 優れた業績を上げた社員やチームへのご褒美。
    • 行き先候補: 高級リゾート(沖縄の離島)、美食の地(金沢、伊勢志摩)
    • プランの方向性: 少し贅沢な宿や食事、特別な体験(クルージング、ヘリ遊覧など)

この「目的」は、行き先だけでなく、旅程、アクティビティ、食事、宿泊先の全ての選択における判断基準となります。幹事チーム内はもちろん、経営層とも目的意識を共有しておくことが、企画のブレを防ぐために不可欠です。

② 参加者の年齢層や希望を考慮する

旅行の主役は、あくまで参加する社員です。独りよがりな企画にせず、参加者の属性やニーズを把握し、プランに反映させることが、満足度を高める鍵となります。

  • アンケートの実施:
    行き先を決める前に、簡単なアンケートを実施するのが最も効果的です。これにより、参加者のリアルな希望を把握でき、企画の方向性を定める上で強力な根拠となります。

    • 質問項目の例:
      • 行きたい方面(例:北海道、関東近郊、関西、沖縄など)
      • 希望する旅行のタイプ(例:温泉でゆっくり、グルメを満喫、アクティブに体験、観光地巡り)
      • 参加してみたいアクティビティ(自由記述)
      • 予算感(選択式:例 3万円まで、5万円まで、など)
      • 希望の日程(選択式)
  • 年齢層や男女比の考慮:
    • 若手が多い場合: アクティビティや体験型コンテンツ、SNS映えするようなスポットを盛り込むと喜ばれます。
    • ベテラン層が多い場合: 移動が少なく、ゆったりと過ごせる温泉地や、歴史・文化に触れられる場所が好まれる傾向にあります。
    • 男女比: 女性が多い場合は、おしゃれなカフェやスイーツ、ショッピングの時間、清潔でアメニティが充実した宿泊施設などを考慮すると満足度が高まります。
  • 多様性への配慮:
    全員が同じことに興味を持つわけではない、という前提に立つことが重要です。激しい運動が苦手な人、お酒が飲めない人、特定の食べ物にアレルギーがある人など、様々な参加者がいることを忘れてはいけません。
    解決策として、前述した「分科会」や「自由時間」を設けることが有効です。全員が同じ行動を強制されるのではなく、自分の興味に合わせて選択できる時間があるだけで、「やらされ感」が薄れ、満足度は大きく向上します。

③ 会社が負担する予算と日程を決める

目的と参加者の希望がある程度見えてきたら、次は予算と日程という現実的な制約条件を確定させます。これが決まらないと、具体的な行き先の絞り込みや旅行会社への相談ができません。

  • 予算の決定:
    • 総額予算と一人当たり予算: 経理部や経営層と相談し、会社として支出できる旅行費用の総額を決めます。そこから想定参加人数で割り、一人当たりの上限予算を算出します。
    • 費用内訳の考慮: 予算には、交通費、宿泊費、食事代、観光・アクティビティ費、保険料、旅行会社の手数料などが含まれます。どこに重点的にお金をかけるか(例:食事は豪華に、宿泊はシンプルに)を考えるのも重要です。
    • 自己負担金の有無: 会社の福利厚生規定によっては、参加者から一部自己負担金を徴収する場合もあります。その有無と金額も早期に決定し、周知する必要があります。
  • 日程の決定:
    • 業務への影響: 会社の繁忙期を避け、業務への支障が最も少ない時期を選びます。全社一斉休業にするのか、一部の社員を残して実施するのかも決めておく必要があります。
    • 曜日: 金土の1泊2日や、土日を利用したプランが一般的ですが、旅行代金が高くなる傾向があります。費用を抑えたい場合は、日月や平日を利用するのも一案です。
    • 日数: 1泊2日が最も多いパターンですが、日帰りや2泊3日も選択肢です。移動に時間がかかる遠方(北海道や沖縄など)へ行く場合は、最低でも1泊2日、できれば2泊3日あると、ゆとりを持って楽しめます。

予算と日程は、選択できる行き先の範囲を大きく左右します。例えば、「一人3万円、日帰り」であれば関東近郊のバス旅行、「一人10万円、2泊3日」であれば沖縄や北海道も視野に入ります。この制約条件を明確にすることが、現実的な行き先選定の第一歩です。

④ 旅程に自由時間を盛り込む

最後に、見落とされがちですが非常に重要なポイントが、旅程に「自由時間」を意図的に組み込むことです。

幹事としては、参加者に少しでも多くのことを体験してもらおうと、ついスケジュールを詰め込みすぎてしまいがちです。しかし、朝から晩まで団体行動が続くと、参加者は気疲れしてしまい、かえって満足度が低下する原因になります。

  • 自由時間のメリット:
    • 個人の興味を満たせる: 参加者は、自分のペースで好きなことができます。お土産を探したり、気になっていたカフェに入ったり、部屋で休んだりと、思い思いの過ごし方ができることで、旅行全体の満足度が高まります。
    • 小グループでの交流促進: 自由時間中に、気の合う同僚や普段あまり話さない他部署の人と誘い合って行動することで、新たな人間関係が生まれるきっかけになります。
    • 「やらされ感」の払拭: 全てが会社によって決められているのではなく、自分で選択・行動できる部分があることで、旅行への主体的な関与意識が生まれます。
  • 自由時間の設定方法:
    • 半日単位での設定: 「2日目の午前中は自由行動」のように、まとまった時間を確保します。
    • 選択式プランの提供: 「A: 観光コース」「B: アクティビティコース」「C: 自由行動」のように、複数の選択肢を用意します。
    • チェックイン後から夕食まで: ホテルに到着してから夕食の集合時間までを自由時間にするのも、手軽で効果的な方法です。

完璧に管理されたスケジュールよりも、適度な「余白」があるスケジュールの方が、結果的に参加者の心に残る良い旅行になります。幹事は参加者を信頼し、個々の自主性を尊重する姿勢を持つことが大切です。

幹事必見!社員旅行の企画から実施までの5ステップ

目的・コンセプトの決定、参加者へのアンケート実施、予算・日程の確定、旅行会社への相談とプラン手配、最終案内と当日の運営

社員旅行の成功は、幹事の周到な準備にかかっています。ここでは、企画の立ち上げから当日の運営まで、幹事が進めるべきタスクを5つのステップに分けて具体的に解説します。この流れに沿って進めれば、抜け漏れなくスムーズに準備を進めることができます。

① 目的・コンセプトの決定

すべての始まりは、この旅行で何を達成したいのか、という「目的」と「コンセプト」を明確にすることです。これが旅行全体の背骨となります。

  • 経営層へのヒアリング:
    まず、社長や役員など、経営層がこの旅行に何を期待しているのかを確認します。「日頃の慰労が目的なのか」「部門間の交流を促進したいのか」「会社の新たなビジョンを共有する場にしたいのか」など、トップの意向を把握することが重要です。これにより、予算や内容の承認を得やすくなります。
  • 幹事チームでのブレインストーミング:
    経営層の意向を踏まえ、幹事チームで旅行の具体的なコンセプトを話し合います。

    • 例1: 「日頃の激務を忘れて心身ともに癒される、極上のリフレッシュ旅行」
    • 例2: 「部署の壁を壊せ!チーム対抗ゲームで盛り上がる、コミュニケーション活性化ツアー」
    • 例3: 「会社の未来を語り合おう!学びと遊びのハイブリッド型研修合宿」

この段階で、旅行のキャッチフレーズのようなものを考えておくと、その後の社内告知や参加者への案内で一貫したメッセージを伝えやすくなります。目的とコンセプトが固まれば、行き先やプランの方向性が自ずと見えてきます。

② 参加者へのアンケート実施

次に、旅行の主役である社員の希望を把握するために、アンケートを実施します。一方的な企画ではなく、社員の声を反映させることで、参加率と満足度の向上が期待できます

  • アンケートの目的:
    • 参加意向の確認と、おおよその参加人数の把握
    • 行き先や旅行スタイルの希望を収集し、企画の参考にする
    • 希望日程の調査
    • その他、配慮すべき事項(アレルギーの有無など)の事前確認
  • アンケートの設計:
    回答者の負担にならないよう、質問は簡潔にし、選択式と自由記述をバランス良く組み合わせます。GoogleフォームなどのWebアンケートツールを使えば、作成・集計が簡単です。

    【アンケート項目例】
    1. 今回の社員旅行に参加しますか?(はい/いいえ/未定)
    2. 希望する旅行の方面は?(複数選択可:北海道・東北/関東近郊/関西/九州・沖縄/その他)
    3. どんな旅行が良いですか?(複数選択可:温泉でゆっくり/グルメ満喫/アクティブ体験/観光地巡り)
    4. 希望する日程は?(複数選択可:〇月〇日~〇日/〇月〇日~〇日…)
    5. 食物アレルギーや、その他配慮してほしいことがあればご記入ください。
    6. その他、旅行に関するご意見・ご要望があればご自由にお書きください。

アンケート結果は、行き先やプランを決定する際の客観的なデータとなります。幹事の独断ではなく、「アンケートの結果、〇〇という意見が多かったため、今回は△△に決定しました」と説明することで、参加者の納得感を得やすくなります。

③ 予算・日程の確定

目的、コンセプト、そしてアンケート結果が出揃ったら、いよいよ旅行の具体的な「予算」と「日程」を最終決定します。このステップは、経営層や経理部とのすり合わせが不可欠です。

  • 予算の確定:
    アンケートで把握したおおよその参加人数と、旅行のコンセプト(例:豪華な旅行か、コスト重視か)を基に、必要な総額予算を算出します。これを経営層に提出し、承認を得ます。予算が確定したら、一人当たりの上限額も明確にしておきましょう。これが、後述する旅行会社との交渉の基準となります。
  • 日程の確定:
    アンケートで希望が多かった日程候補と、会社の業務カレンダー(繁忙期など)を照らし合わせ、最終的な実施日を決定します。決定後は、速やかに全社員に通知し、スケジュールの確保を依頼します。
  • 参加申込の開始:
    予算と日程が確定した段階で、正式な参加申込の受付を開始します。申込締切日を明確に設定し、最終的な参加人数を確定させます。この人数が、ホテルや交通機関、食事の手配における基本単位となるため、非常に重要です。締切後のキャンセルや追加には料金が発生する場合があることも、事前にアナウンスしておきましょう。

④ 旅行会社への相談とプラン手配

参加人数、予算、日程が固まったら、いよいよ具体的な旅行プランの作成と手配に入ります。この段階で、社員旅行を専門に扱う旅行会社に相談するのが最も効率的で安心です。

  • 旅行会社に相談するメリット:
    • 手間の削減: 宿泊施設、交通機関、食事、アクティビティなどの面倒な予約・手配を全て代行してくれます。
    • プロの提案力: こちらが伝えた目的や予算に応じて、最適な行き先やプランを複数提案してくれます。自分たちでは思いつかなかったようなユニークな企画を提案してくれることもあります。
    • コストメリット: 旅行会社はホテルや交通機関と法人契約を結んでいることが多く、個人で手配するよりも安く利用できる場合があります。
    • リスク管理: 万が一の事故やトラブルが発生した際の対応も任せることができます。
  • 進め方:
    1. 複数社に見積もりを依頼する: 1社に絞らず、2~3社に同じ条件(目的、人数、予算、日程)を伝えて、プランと見積もりの提出を依頼します(相見積もり)。
    2. プランの比較検討: 各社から提出されたプランを、価格だけでなく、内容、提案の質、担当者の対応などを総合的に比較検討します。
    3. 業者決定と契約: 最も条件に合う旅行会社を1社に絞り、契約を結びます。その後は、担当者と詳細な打ち合わせを重ね、旅程を具体的に詰めていきます。

旅行会社に丸投げするのではなく、幹事として主体的に関わり、自社の目的が達成できるプランになっているかをしっかり確認することが大切です。

⑤ 最終案内と当日の運営

旅行の出発日が近づいてきたら、最終準備と当日のシミュレーションを行います。

  • 最終案内の作成と配布(旅のしおり):
    出発の1~2週間前を目安に、旅行の詳細をまとめた「旅のしおり」を作成し、参加者全員に配布します。

    • 記載内容:
      • 旅行の目的、スローガン
      • 集合日時、場所
      • 詳細なスケジュール(タイムテーブル)
      • 宿泊先情報(住所、電話番号)
      • 緊急連絡先(幹事、旅行会社担当者)
      • 持ち物リスト
      • 服装のアドバイス
      • グループ分け(宴会席、バス座席など)
  • 当日の運営:
    当日は幹事が司令塔となり、旅行全体がスムーズに進行するように動きます。

    • タイムキーパー: スケジュール通りに進行しているか常に時間を意識し、必要に応じて参加者に声がけをします。
    • 参加者のケア: 体調が悪い人はいないか、困っている人はいないかなど、常に参加者全体に気を配ります。
    • 挨拶・司会進行: 出発時の挨拶や、宴会での司会進行など、場を盛り上げる役割も担います。
    • トラブル対応: 予期せぬ事態(交通渋滞、急病人など)が発生した場合は、旅行会社の担当者と連携して迅速に対応します。

幹事自身も旅行を楽しめるように、事前に役割分担を決め、チェックリストを作成しておくと、当日慌てずに済みます。旅行が無事終了したら、参加者や協力してくれた方々へのお礼も忘れずに行いましょう。

社員旅行の費用相場と経費で落とすための条件

社員旅行を企画する上で、費用は避けて通れない重要な要素です。ここでは、社員旅行にかかる一人当たりの費用相場から、その内訳、そして最も重要な「会社の経費として計上するための税務上の条件」までを詳しく解説します。

社員旅行1人あたりの費用相場

社員旅行の費用は、行き先、日程、宿泊施設のグレード、食事の内容などによって大きく変動しますが、一般的な相場観を知っておくことは予算策定の助けになります。

旅行形態 1人あたりの費用相場 備考
国内の宿泊旅行(1泊2日) 30,000円 ~ 70,000円 行き先や食事内容で大きく変動。沖縄や北海道は高めになる傾向。
国内の日帰り旅行 10,000円 ~ 30,000円 交通費と食事・アクティビティ代が主な内訳。
海外旅行 100,000円 ~ 200,000円 行き先(アジア、欧米など)や滞在日数による。福利厚生費として認められるには条件が厳しい。

国内の宿泊旅行の場合

1泊2日の国内旅行の場合、一人あたり3万円~7万円程度が最も一般的な価格帯です。

  • 3万円~5万円: 近場の温泉地へのバス旅行など、比較的コストを抑えたプラン。宿泊はスタンダードな旅館やホテル、食事は宴会場での会席料理が中心となります。
  • 5万円~7万円: 飛行機を利用する沖縄や北海道への旅行や、宿泊施設のグレードを上げる、アクティビティを充実させるといった場合にこの価格帯になります。参加者の満足度も高めやすいゾーンです。
  • 7万円以上: 高級旅館やリゾートホテルに宿泊し、食事や体験も豪華にするプラン。インセンティブ旅行(報奨旅行)などで利用されることが多いです。

国内の日帰り旅行の場合

日帰り旅行の場合は、一人あたり1万円~3万円が相場です。貸切バスでの近郊観光、テーマパーク、豪華なランチビュッフェなどが主なプランとなります。宿泊費がかからないため、手軽に実施できるのが魅力です。

費用の主な内訳

社員旅行の総費用は、主に以下の項目で構成されます。予算を立てる際には、これらの内訳を意識すると、どこにコストをかけるべきか、どこを削減できるかが見えてきます。

項目 内容 費用の目安(総費用の割合)
交通費 飛行機、新幹線、貸切バス、フェリーなどの往復運賃 20% ~ 40%
宿泊費 ホテル、旅館などの宿泊料金(1泊2食付きが一般的) 30% ~ 50%
飲食費 昼食代、宴会時の追加飲食代、二次会の費用など 10% ~ 20%
観光・アクティビティ費 観光施設の入場料、体験プログラムの参加費、ガイド料など 5% ~ 15%
旅行保険料 国内旅行傷害保険などの保険料 1%未満
その他 幹事の諸経費、お土産代、旅行会社への手数料など 5% ~ 10%

交通費と宿泊費で、総費用の大半(60%~80%)を占めることが分かります。したがって、費用を抑えるには、この二つの費用をいかにコントロールするかが鍵となります。

費用を抑えるためのコツ

オフシーズンを狙う

旅行費用は、時期によって大きく変動します。ゴールデンウィーク、お盆、年末年始といった大型連休や、夏休みシーズンは「ピーク期」と呼ばれ、航空券や宿泊費が最も高騰します。逆に、大型連休明けの平日や、気候が安定しているものの観光客が少ない時期(例:6月、11月、2月など)は「オフシーズン(またはショルダーシーズン)」と呼ばれ、費用を大幅に抑えることが可能です。業務の都合がつくのであれば、オフシーズンを狙うのが最も効果的なコスト削減策です。

補助金や助成金を活用する

旅行の目的に「研修」の要素が含まれる場合、国や地方自治体が提供する補助金や助成金制度を利用できる可能性があります。

例えば、厚生労働省の「人材開発支援助成金」は、従業員の職業能力開発を支援する制度であり、研修を伴う旅行であれば、その経費の一部が助成される場合があります。ただし、適用には詳細な条件(研修計画の提出、時間数の規定など)があるため、利用を検討する際は、社会保険労務士や管轄の労働局に相談することをおすすめします。
(参照:厚生労働省 人材開発支援助成金)

会社の経費として計上するための条件

社員旅行の費用を、給与ではなく「福利厚生費」として経費計上するためには、税務上の要件を満たす必要があります。もしこれらの要件を満たさないと、旅行費用が従業員への「給与」と見なされ、従業員には所得税が課税され、会社側も源泉徴収の義務が発生してしまいます。

国税庁の見解によれば、以下の要件をすべて満たすことで、原則として福利厚生費として認められます。

  1. 旅行の期間が4泊5日以内であること
    海外旅行の場合は、外国での滞在日数が4泊5日以内となります。機内泊は滞在日数にカウントされません。
  2. 旅行に参加した従業員の数が、全従業員(役員含む)の50%以上であること
    特定の役職や部署のメンバーだけを対象とした旅行は、福利厚生とは見なされず、交際費や給与として扱われる可能性が高くなります。工場や支店ごとに行う場合は、それぞれの職場ごとの従業員数の50%以上が参加する必要があります。
  3. 会社が負担する金額が、社会通念上、常識の範囲内であること
    明確な上限額が法律で定められているわけではありませんが、実務上は一人あたり10万円程度が一つの目安とされています。これを超える高額な旅行は、福利厚生費として認められないリスクが高まります。

【特に注意すべき点】

  • 不参加者への金銭支給: 旅行に参加しなかった従業員に対して、その代わりに金銭を支給した場合、その金銭はもちろんのこと、旅行に参加した従業員の旅行費用も全額が給与として課税対象となります。
  • 役員だけで行う旅行: 役員だけを対象とした旅行は、福利厚生ではなく「役員賞与」と見なされ、損金に算入できない可能性があります。

これらの条件は、社員旅行を企画する上で必ず押さえておくべき重要なルールです。不明な点があれば、必ず顧問税理士などの専門家に確認しましょう。
(参照:国税庁 タックスアンサー No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修会)

社員旅行に強いおすすめ旅行会社3選

社員旅行を成功させるためには、信頼できるパートナー、すなわち旅行会社の選定が極めて重要です。特に団体旅行には、個人旅行とは異なるノウハウや手配能力が求められます。ここでは、社員旅行や団体旅行で豊富な実績を持つ、おすすめの旅行会社を3社ご紹介します。
※各社のサービス内容は変更される可能性があるため、最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。

① 株式会社JTB

言わずと知れた日本最大手の旅行会社であるJTBは、法人向けの団体旅行サービスにおいても圧倒的な実績とネットワークを誇ります。長年の経験に裏打ちされた提案力と手配力、そして全国を網羅する支店網によるサポート体制が最大の強みです。

  • 特徴:
    • コンサルティング力: 単に行き先を手配するだけでなく、顧客企業の課題(コミュニケーション不足、モチベーション向上など)をヒアリングし、その解決に繋がるような旅行プランを根本から企画・提案してくれます。
    • 豊富な実績とノウハウ: あらゆる業種、規模、目的の社員旅行に対応してきた実績があり、チームビルディング研修や周年記念旅行、インセンティブ旅行など、専門性の高い旅行の企画力に定評があります。
    • 全国規模のネットワーク: 全国に支店があるため、地方の企業でも対面でのきめ細やかな打ち合わせが可能です。また、現地の交通機関や宿泊施設との強固な関係性を活かし、質の高いサービスを確保します。
    • 危機管理体制: 大規模な団体旅行におけるリスク管理や、万が一のトラブル発生時の対応力にも優れており、幹事としては安心して任せることができます。

「予算や目的は決まっているが、具体的にどうすれば良いか分からない」といった段階からでも、専門の担当者が親身に相談に乗ってくれるため、初めて幹事を務める方でも安心です。王道で質の高い、失敗のない社員旅行を実現したい企業におすすめです。
(参照:株式会社JTB 法人サービスサイト)

② 株式会社エイチ・アイ・エス(HIS)

個人向けの格安海外旅行で有名なHISですが、法人向けの団体旅行部門にも力を入れており、その強みを活かしたユニークでコストパフォーマンスの高いプランが魅力です。既成概念にとらわれない、新しい形の社員旅行を企画したい企業に適しています。

  • 特徴:
    • ユニークな企画力: 「無人島でサバイバル研修」「お城を貸し切って謎解きイベント」など、他社にはない独創的でワクワクするような体験型プランの提案を得意としています。参加者の記憶に残る、特別な社員旅行を演出したい場合に最適です。
    • コストパフォーマンス: 海外旅行で培った航空券やホテルの仕入れ力を国内旅行にも活かし、予算内で最大限の価値を提供することを目指しています。限られた予算でも満足度の高い旅行を実現したいというニーズに応えます。
    • オンライン対応の充実: オンラインでの打ち合わせや相談にも柔軟に対応しており、スピーディーなプランニングが可能です。また、オンラインとリアルの旅行を組み合わせたハイブリッド型イベントの企画なども手がけています。

「ありきたりの温泉旅行では物足りない」「若手社員が心から楽しめるような、刺激的な旅行にしたい」と考えている企業にとって、HISは強力なパートナーとなるでしょう。
(参照:株式会社エイチ・アイ・エス 法人旅行サイト)

③ 株式会社日本旅行

1905年創業の日本で最も歴史のある旅行会社であり、その歴史に裏打ちされた信頼性と、堅実できめ細やかなサービス提供に定評があります。特に官公庁や教育機関、大企業の旅行を長年手掛けてきた実績があり、大規模な団体旅行や研修旅行において安定した強みを発揮します。

  • 特徴:
    • 歴史と信頼性: 1世紀以上にわたって培われてきた信頼は絶大です。コンプライアンスや安全管理に対する意識も高く、安心して任せることができます。
    • MICEへの強み: MICE(Meeting, Incentive, Convention, Exhibition/Event)と呼ばれる、ビジネスイベントに関連した旅行の取り扱いに長けています。研修、会議、国際会議などを組み込んだ社員旅行のプランニングにおいて、豊富なノウハウを持っています。
    • 赤い風船のネットワーク: 個人旅行ブランド「赤い風船」で築き上げた全国の宿泊施設や交通機関とのネットワークを活かし、質の高い手配を実現します。
    • 丁寧なサポート: 営業担当者が顧客の要望を丁寧にヒアリングし、細部にまでこだわったプランを作成してくれます。幹事の負担を軽減する、堅実なサポートが期待できます。

研修や会議を主目的とする旅行や、コンプライアンスを重視する大企業、あるいは伝統や格式を重んじる社員旅行を企画したい場合に、特におすすめの旅行会社です。
(参照:株式会社日本旅行 法人・団体向けサイト)

旅行会社 特徴 こんな企業におすすめ
株式会社JTB 圧倒的な実績とネットワーク、コンサルティング力 初めての幹事で不安な企業、質の高い王道の旅行をしたい企業
株式会社エイチ・アイ・エス(HIS) ユニークな企画力、コストパフォーマンス ありきたりの旅行では物足りない企業、若手社員が多い企業
株式会社日本旅行 歴史と信頼性、MICE・研修旅行への強み 大規模・研修目的の旅行をしたい企業、コンプライアンスを重視する企業

社員旅行に関するよくある質問

社員旅行に関するよくある質問

最後に、社員旅行を企画・実施するにあたって、幹事や経営層からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。疑問点を解消し、円滑な運営にお役立てください。

社員旅行への参加は強制できますか?

結論から言うと、原則として社員旅行への参加を強制することはできません

社員旅行が、休日や有給休暇を利用して行われ、その目的が主に従業員の慰安にある場合(福利厚生目的の旅行)、それは労働時間外の活動と見なされます。したがって、参加するか否かは従業員の自由な意思に委ねられるべきであり、会社が参加を強制したり、不参加を理由に人事評価で不利益な扱い(減給、昇進への悪影響など)をしたりすることは、パワーハラスメントに該当する可能性があり、法的に問題となる場合があります。

ただし、例外もあります。その旅行が、業務上必須の研修や会議、視察などを主目的とし、参加することが業務命令として明確に位置づけられている場合は、労働時間と見なされ、参加を命じることが可能です。この場合、会社は当然ながら、旅行時間に対して賃金を支払う義務があります。

  • 福利厚生目的の旅行: 参加は任意。強制は不可。不参加による不利益扱いはNG。
  • 業務命令としての旅行(研修など): 参加は義務。会社は賃金を支払う必要がある。

実務上は、多くの社員旅行が福利厚生と業務研修の要素を併せ持っているため、その線引きは曖昧になりがちです。しかし、トラブルを避けるためにも、「社員旅行は原則として任意参加である」というスタンスで臨み、強制的な雰囲気をなくし、「行きたい」と思ってもらえるような魅力的な企画をすることが最も重要です。

参加者の満足度を高めるために気をつけることは?

参加者全員の満足度を高めることは、社員旅行の最大の目標です。そのために、幹事が企画から運営まで一貫して気をつけるべきポイントがいくつかあります。

  1. 徹底した事前リサーチ(アンケートの実施):
    前述の通り、企画の初期段階で参加者の希望をアンケートで吸い上げることが全ての基本です。行き先、内容、食事など、多数の意見を反映させることで、「自分たちのための旅行だ」という意識が生まれ、満足度の土台ができます。
  2. 目的とコンセプトの明確な共有:
    「今回は、日頃の疲れを癒すリフレッシュが目的なので、ゆったりしたプランにしました」「今回は、部署間の交流が目的なので、チーム対抗のゲームを企画しました」というように、なぜこの旅行を企画したのかという「目的」を事前にしっかり伝えることで、参加者の期待値と実際の内容のズレを防ぎ、納得感を高めることができます。
  3. 「自由」と「選択肢」の提供:
    満足度を低下させる最大の要因の一つが「束縛感」や「やらされ感」です。これを払拭するために、自由時間を十分に設けたり、複数のアクティビティから好きなものを選べる「選択制」を導入したりすることが非常に効果的です。全員が同じ行動を取る時間を減らし、個々の興味やペースを尊重する姿勢が大切です。
  4. サプライズや特別感の演出:
    旅程の中に、少しだけサプライズ要素を盛り込むと、旅行がより思い出深いものになります。例えば、夕食時に社長から社員一人ひとりへの感謝の手紙を読み上げる、誕生日が近い人をお祝いする、地元の特産品をお土産として用意しておく、といった小さな心遣いが、参加者の心に響きます。
  5. 幹事の「おもてなしの心」と参加者の「感謝の心」:
    幹事は、参加者全員に楽しんでもらおうという「おもてなしの心」を持って準備・運営に臨むことが大切です。一方で、参加者側も、大変な準備をしてくれた幹事チームに対して「ありがとう」という感謝の気持ちを持つことが、旅行全体の良い雰囲気を作り出します。旅行の最後に、参加者全員で幹事に拍手を送るといった文化を作るのも素晴らしいことです。

これらのポイントを意識することで、社員旅行は単なるイベントから、組織の絆を深める貴重な体験へと昇華するでしょう。