【国別】海外旅行の予算はいくら?費用内訳と安く抑えるコツ10選

国別 海外旅行の予算はいくら?、費用内訳と安く抑えるコツを解説

「久しぶりに海外旅行に行きたいけれど、一体いくらくらい準備すればいいのだろう?」「円安だから、思ったより高くなるのかな?」そんな疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。海外旅行の計画を立てる上で、最も重要かつ頭を悩ませるのが「予算」の問題です。

行き先や日数、旅行のスタイルによって費用は大きく変動しますが、事前に費用の内訳や相場を把握しておくことで、計画はぐっと立てやすくなります。漠然とした不安が解消されれば、心から旅行の準備を楽しめるようになるでしょう。

この記事では、海外旅行にかかる費用の全体像を掴んでいただくために、主な内訳から、人気の国・エリア別の費用相場、そして旅行費用を賢く抑えるための具体的なコツまで、網羅的に解説します。旅行の計画は、予算を制することから始まります。この記事を参考に、あなたにぴったりの旅行プランと予算を組み立て、最高の海外旅行を実現させる第一歩を踏み出しましょう。

海外旅行にかかる費用の主な内訳

海外旅行の総額は、様々な費用の積み重ねで決まります。まずは、どのような項目にお金がかかるのか、その全体像を把握することが大切です。ここでは、主要な8つの費用項目について、その内容と相場の考え方を詳しく見ていきましょう。これらの内訳を理解することで、どこを節約し、どこにお金をかけるかというメリハリのある予算計画を立てられるようになります。

費用項目 内容 費用の変動要因
航空券代 日本と渡航先を往復するための航空運賃。 時期、航空会社(FSC/LCC)、予約タイミング、燃油サーチャージ
宿泊費 ホテル、ホステル、民泊などの滞在費用。 ランク、立地、部屋タイプ、予約タイミング、宿泊日数
現地での交通費 空港からホテル、観光地への移動にかかる費用。 利用する交通手段(タクシー、公共交通機関、配車アプリ)、移動距離
食費 レストラン、カフェ、屋台、スーパーなどでの飲食代。 店のランク、都市の物価、自炊の有無
観光・アクティビティ費 観光名所の入場料、オプショナルツアー代など。 参加するツアーの種類、訪れる施設の数
Wi-Fi・通信費 現地でインターネットを利用するための費用。 利用方法(レンタルWi-Fi、SIM、eSIM)、データ容量、利用日数
お土産代 家族や友人、自分用に購入する記念品や特産品。 購入する量や質、購入場所(空港、専門店、スーパー)
海外旅行保険料 病気やケガ、盗難などのトラブルに備える保険。 補償内容、保険期間、渡航先の医療費水準

航空券代

海外旅行費用の中で最も大きな割合を占めることが多いのが、この航空券代です。航空券代は、主に基本運賃、燃油サーチャージ、そして空港施設使用料や各種税金で構成されています。

  • 基本運賃: 航空会社や座席クラス(エコノミー、ビジネス、ファースト)、そして需要と供給のバランスによって大きく変動します。特に、旅行時期は価格に最も大きな影響を与える要素です。年末年始、ゴールデンウィーク、夏休みといった大型連休は需要が集中するため価格が高騰し、逆に連休明けの平日など、いわゆるオフシーズンは安くなる傾向があります。
  • 航空会社: JALやANAに代表される「FSC(フルサービスキャリア)」と、PeachやJetstarなどの「LCC(ローコストキャリア)」のどちらを選ぶかでも価格は大きく変わります。FSCは手荷物の預け入れや機内食、ドリンクサービスなどが運賃に含まれていることが多い一方、LCCはこれらのサービスを有料化することで運賃を安く設定しています。短距離路線であれば、LCCを選ぶことで大幅に費用を抑えることが可能です。
  • 燃油サーチャージ: 原油価格の変動に応じて、航空運賃とは別に徴収される追加料金です。原油価格が上がれば高くなり、下がれば安くなります。これは航空会社や路線によって異なり、数万円単位で変動することもあるため、航空券を予約する際には必ず確認が必要です。
  • 予約のタイミング: 一般的に、航空券は早く予約するほど安くなると言われています。特にFSCでは、出発日が近づくにつれて安い価格帯の座席から埋まっていくため、早めの予約が基本です。一方で、LCCでは不定期にセールを実施することがあり、そのタイミングを狙うことで格安の航空券を手に入れられるチャンスもあります。

宿泊費

航空券代と並んで、旅行費用に大きな影響を与えるのが宿泊費です。どこに泊まるかによって、旅の快適性や利便性、そして予算が大きく変わってきます。

  • ホテルの種類とランク: 豪華な設備とサービスを誇る5つ星の高級ホテルから、比較的リーズナブルなビジネスホテル、価格を重視するバックパッカー向けのホステルやゲストハウスまで、選択肢は様々です。近年では、キッチン付きで暮らすように滞在できるアパートメントホテルや、現地の生活を体験できる民泊(Airbnbなど)も人気です。何を重視するか(価格、快適性、立地、体験)を明確にして、自分に合った宿泊施設を選びましょう。
  • 立地: 一般的に、観光地の中心部や駅の近くなど、交通の便が良い場所にあるホテルは価格が高くなる傾向があります。少し中心部から離れたエリアを選ぶだけで、同じランクのホテルでも宿泊費を抑えられることがあります。ただし、中心部から離れすぎると、毎日の移動に時間と交通費がかさんでしまう可能性もあるため、そのバランスを考えることが重要です。
  • 予約のタイミングと方法: ホテルも航空券と同様に、早期予約割引が適用されることが多いです。また、ホテル予約サイト(Booking.com、Agoda、Expediaなど)では、直前割引や会員限定セールが行われることもあります。複数のサイトを比較検討したり、航空券とホテルをセットで予約する「ダイナミックパッケージ」を利用したりするのも、費用を抑える賢い方法です。

現地での交通費

現地での移動をスムーズに行うためには、交通費の予算もきちんと確保しておく必要があります。主な交通手段としては、タクシー、公共交通機関(電車、地下鉄、バス)、配車アプリ(UberやGrabなど)、レンタカーが挙げられます。

  • タクシーと配車アプリ: ドアツードアで移動できるため非常に便利ですが、料金は割高になります。特に複数人で利用する場合や、荷物が多い時には重宝します。海外では、メーターを使わずに不当な料金を請求されるトラブルも考えられるため、料金体系が明確な配車アプリの利用がおすすめです。利用前に料金の目安が分かり、支払いもアプリ内で完結するため安心です。
  • 公共交通機関: 費用を最も安く抑えられるのが公共交通機関の活用です。都市部では、路線網が発達した地下鉄やバスが市民の足となっています。観光客向けの1日乗車券やICカードを利用すると、さらにお得に移動できます。事前に目的地の交通事情を調べ、路線図や乗り方を把握しておくと、現地でスムーズに行動できるでしょう。
  • レンタカー: 郊外の観光地を巡る場合や、公共交通機関が不便な地域を旅行する際には、レンタカーが便利な選択肢となります。ただし、レンタル料金の他に、ガソリン代、保険料、駐車料金などが必要になります。また、国際運転免許証の準備や、現地の交通ルールを理解しておく必要もあります。

食費

「旅の楽しみは食事にあり」と考える人も多いでしょう。食費は、どこで何回食事をするかによって大きく変動する、比較的コントロールしやすい費用項目です。

  • レストラン: 有名なレストランや高級店での食事は、特別な体験になりますが、その分費用もかさみます。旅行中の食事すべてを高級店で済ませる必要はありません。特別なディナーを1〜2回計画し、それ以外は費用を抑えるなど、メリハリをつけるのがおすすめです。
  • ローカル食堂・屋台: 現地の食文化を肌で感じながら食費を抑えたいなら、地元の人が利用する食堂や屋台が最適です。衛生面に注意する必要はありますが、安くて美味しい本場の味に出会える魅力があります。
  • フードコート・スーパーマーケット: ショッピングモール内のフードコートは、様々なジャンルの料理を手頃な価格で楽しめる便利な場所です。また、現地のスーパーマーケットを活用するのも賢い方法です。デリやパン、フルーツなどを購入して、ホテルの部屋で簡単な食事をしたり、公園でピクニック気分を味わったりするのも良いでしょう。特に朝食はスーパーで調達するだけで、かなりの節約につながります。

観光・アクティビティ費

観光名所の入場料や、オプショナルツアーへの参加費用も予算に含めておく必要があります。

  • 入場料: 美術館や博物館、世界遺産などの施設では、入場料が必要です。学生割引やシニア割引が適用される場合もあるので、事前に公式サイトで確認しておきましょう。複数の有料施設を巡る予定がある場合は、複数の施設に入場できる周遊パスやシティパスの購入を検討するとお得になることがあります。
  • オプショナルツアー: 自力で行くのが難しい場所へのツアーや、特別な体験(ダイビング、料理教室、伝統舞踊鑑賞など)をしたい場合に利用します。料金は内容によって様々ですが、数千円から数万円かかることもあります。事前に日本から予約サイトで申し込む方法と、現地のツアーデスクで申し込む方法があります。人気のツアーは早めに予約しないと満席になることもあるため注意が必要です。

Wi-Fi・通信費

今や海外旅行に欠かせないのが、スマートフォンやインターネット接続です。地図アプリで道を確認したり、SNSに写真を投稿したり、レストランを検索したりと、様々な場面で通信環境が必要になります。

  • 海外用レンタルWi-Fiルーター: 複数人で同時に接続でき、操作も簡単なため、グループ旅行や家族旅行で人気です。出発前に空港で受け取り、帰国時に返却するのが一般的です。
  • SIMカード・eSIM: 一人旅や、費用を少しでも抑えたい場合におすすめなのがSIMカードです。現地の空港や街中で購入し、自分のスマートフォンに挿入して利用します。最近では、物理的なカードの差し替えが不要な「eSIM」が主流になりつつあります。日本にいる間にオンラインで購入・設定を完了でき、現地に到着後すぐに利用開始できる手軽さが魅力です。
  • 国際ローミング: 契約している日本の携帯キャリアのサービスを、海外でもそのまま利用する方法です。手軽ですが、一般的に他の方法に比べて料金が割高になる傾向があります。利用する際は、定額プランに申し込むなど、高額請求にならないよう注意が必要です。

お土産代

旅行の記念や、お世話になっている人への贈り物として購入するお土産代も、意外と予算を圧迫する要因になります。

  • 予算設定: あらかじめ「お土産代は総額で〇〇円まで」と上限を決めておくことが大切です。誰に何を買うか、リストアップしておくと、無駄な出費を防げます。
  • 購入場所: 空港の免税店は便利ですが、必ずしも安いとは限りません。地元のスーパーマーケットや市場では、その土地ならではのお菓子や調味料などが安く手に入ることが多く、ばらまき用のお土産を探すのにも最適です。専門店やデパートでは質の良いものが見つかりますが、価格は高めです。目的や相手に応じて購入場所を使い分けると良いでしょう。

海外旅行保険料

慣れない海外での万が一の事態に備えるのが、海外旅行保険です。病気やケガによる治療費、持ち物の盗難や破損、航空機の遅延など、様々なトラブルを補償してくれます。

  • 補償内容: 海外の医療費は日本と比べて非常に高額になることがあります。特に「治療・救援費用」の補償額は、最低でも数千万円以上のものを選ぶのが安心です。その他、携行品損害、賠償責任、航空機遅延費用など、自分に必要な補償内容を検討しましょう。
  • 保険料: 保険料は、補償内容、保険期間、渡航先の治安や医療費水準によって決まります。一般的に、数日間の旅行であれば数千円程度が目安です。
  • クレジットカード付帯保険: クレジットカードの中には、海外旅行保険が自動で付帯しているものもあります。ただし、補償額が十分でなかったり、旅行代金をそのカードで支払うことが適用の条件(利用付帯)だったりする場合があるため、出発前に必ず補償内容と適用条件を確認しておくことが重要です。不足分を補うために、別途保険に加入することも検討しましょう。

旅行前にかかる準備費用

パスポートの取得・更新費用、ビザ・電子渡航認証(ESTAなど)の申請費用、スーツケースなど旅行用品の購入費用

海外旅行の予算を考えるとき、航空券やホテル代といった「旅行中の費用」にばかり目が行きがちですが、実は出発前に日本国内で必要になる「準備費用」も忘れてはなりません。これらの費用を見落としていると、後で予算が足りなくなる可能性もあります。ここでは、主な準備費用について詳しく解説します。

パスポートの取得・更新費用

海外へ渡航するために、何よりもまず必要なのがパスポート(旅券)です。初めて取得する場合も、有効期限が切れていて更新する場合も、費用がかかります。

パスポートの申請手数料は、年齢と有効期間によって異なります。申請手数料は、収入印紙と各都道府県の収入証紙(または現金)で支払うのが一般的です。

申請の種類 都道府県手数料 国の手数料(収入印紙) 合計金額
10年有効旅券(18歳以上) 2,000円 14,000円 16,000円
5年有効旅券(12歳以上) 2,000円 9,000円 11,000円
5年有効旅券(12歳未満) 2,000円 4,000円 6,000円
(参照:外務省「国内でパスポートを申請する方へ」※2024年6月時点の情報)

特に注意したいのが、パスポートの残存有効期間です。渡航先の国によっては、「入国時に6ヶ月以上の残存有効期間が必要」といった規定を設けている場合があります。自分のパスポートの有効期限を確認し、もし期間が足りないようであれば、早めに更新手続きを行いましょう。申請から受け取りまでには通常1週間〜10日ほどかかりますが、余裕を持って1ヶ月前には手続きを済ませておくと安心です。

このほか、申請に必要な戸籍謄本(または抄本)の発行手数料(通常450円程度)や、証明写真の撮影費用(1,000円〜2,000円程度)も別途必要になります。

ビザ・電子渡航認証(ESTAなど)の申請費用

渡航先の国によっては、パスポートの他に「ビザ(査証)」や、それに類する「電子渡航認証」の取得が義務付けられている場合があります。

  • ビザ(査証): 渡航先の国が、入国しようとする外国人に対して発行する入国許可証です。観光目的の短期滞在であれば、多くの国でビザが免除されていますが、長期滞在する場合や、特定の国へ渡航する際には必要となります。ビザの申請は、日本にある各国の大使館や領事館で行い、申請料金や必要書類、取得までにかかる期間は国によって大きく異なります。
  • 電子渡航認証: ビザ免除プログラムを利用して特定の国へ渡航する際に、事前にオンラインで渡航者の情報を登録し、認証を受けるシステムです。代表的なものに、アメリカの「ESTA」、カナダの「eTA」、オーストラリアの「ETAS」、韓国の「K-ETA」などがあります。これらは比較的安価で、オンラインで手軽に申請できますが、申請を忘れると飛行機への搭乗自体が拒否されてしまうため、必ず出発前に取得しておく必要があります。

主要な電子渡航認証の申請料金(目安)

認証システム 対象国 申請料金(2024年6月時点) 有効期間
ESTA アメリカ 21米ドル 2年間
eTA カナダ 7カナダドル 5年間
ETAS オーストラリア 20オーストラリアドル(アプリ申請の場合) 1年間
K-ETA 韓国 10,000ウォン(+手数料) 3年間
(参照:各国の公式サイト)

注意点として、これらの申請を代行する非公式のウェブサイトが多数存在します。公式サイトと誤認して申し込んでしまうと、法外な手数料を請求されるケースがあるため、申請は必ず各政府の公式サイトから行うようにしましょう。

スーツケースなど旅行用品の購入費用

快適な旅行のためには、様々な旅行用品の準備も必要です。すでに持っているものを活用すれば費用はかかりませんが、新しく購入するとなると、まとまった出費になることもあります。

  • スーツケース: 大きさやブランド、素材によって価格は様々ですが、一般的には1万円〜5万円程度が相場です。頻繁に旅行に行かない場合は、購入するのではなくレンタルサービスを利用するという選択肢もあります。数千円で利用でき、保管場所に困らないというメリットがあります。
  • 衣類・靴: 渡航先の気候に合わせた衣類が必要です。リゾート地に行くなら水着やサンダル、寒い地域なら防寒着など、持っていないものは買い足す必要があります。機能性の高い衣類(速乾性のあるTシャツ、コンパクトになるダウンジャケットなど)は旅行で重宝します。
  • 便利な小物類:
    • 変換プラグ・変圧器: 日本の電化製品を海外で使うために必要です。渡航先のコンセント形状と電圧を事前に調べて準備しましょう。
    • ネックピロー・アイマスク: 長時間のフライトを快適に過ごすための必需品です。
    • セキュリティポーチ: パスポートや現金を安全に持ち歩くために、服の下に隠せる薄型のポーチがあると安心です。
    • 携帯用スリッパ: 多くの海外ホテルにはスリッパが備え付けられていないため、持参すると便利です。
    • 常備薬・衛生用品: 普段から飲み慣れている薬や、ウェットティッシュ、消毒ジェルなどは日本から持っていくと安心です。

これらの準備費用は、一つ一つは少額でも、合計すると数万円になることも珍しくありません。旅行の総予算を立てる際には、これらの出発前費用も必ずリストアップし、計画に含めておくことが、賢い予算管理の第一歩と言えるでしょう。

【国・エリア別】海外旅行の費用相場

海外旅行の費用は、渡航先によって大きく異なります。物価や日本からの距離が違うため、同じ日数でも予算は全く変わってきます。ここでは、日本人観光客に人気の国やエリアをピックアップし、旅行日数モデルごとの費用相場を解説します。ここで示す金額はあくまで目安であり、利用する航空会社やホテルのランク、現地での過ごし方、そして為替レートによって変動することを念頭に置いてご覧ください。

韓国・台湾の費用相場

日本から最も近い海外旅行先として、週末や3連休を利用して気軽に行けるのが韓国や台湾です。LCCの就航便数が多く、航空券を安く手に入れやすいのが最大の魅力です。物価も日本と比べて同程度か少し安いため、グルメやショッピングを存分に楽しめます。

【モデルプラン:2泊3日】

費用項目 韓国(ソウル)の相場 台湾(台北)の相場
航空券代(LCC利用) 30,000円 ~ 60,000円 35,000円 ~ 70,000円
宿泊費(2泊) 15,000円 ~ 30,000円 15,000円 ~ 30,000円
現地での費用(食費・交通費など) 20,000円 ~ 30,000円 20,000円 ~ 30,000円
合計(1人あたり) 65,000円 ~ 120,000円 70,000円 ~ 130,000円
  • ポイント:
    • 航空券が費用の鍵: セールやオフシーズンを狙えば、往復2万円台の航空券が見つかることもあります。航空券を安く抑えられれば、総額10万円以下での旅行も十分に可能です。
    • 食費は安め: ローカルフードや屋台グルメが充実しており、1食数百円から楽しめます。カフェ文化も盛んですが、おしゃれなカフェは日本と同程度の価格帯です。
    • 宿泊先の選択肢が豊富: ゲストハウスや中価格帯のホテルが多く、予算に応じて選びやすいのが特徴です。

タイ・ベトナムなど東南アジアの費用相場

物価の安さとエキゾチックな文化が魅力の東南アジア。タイのバンコクやベトナムのホーチミン、ダナンなどは人気の渡航先です。日本からのフライト時間は6〜7時間程度で、3泊5日(機中泊1日を含む)といった日程が一般的です。

【モデルプラン:3泊5日】

費用項目 タイ(バンコク)の相場 ベトナム(ホーチミン)の相場
航空券代(LCC/FSC利用) 50,000円 ~ 90,000円 50,000円 ~ 90,000円
宿泊費(3泊) 15,000円 ~ 40,000円 15,000円 ~ 30,000円
現地での費用(食費・交通費・観光費など) 30,000円 ~ 50,000円 25,000円 ~ 40,000円
合計(1人あたり) 95,000円 ~ 180,000円 90,000円 ~ 160,000円
  • ポイント:
    • 滞在費を安く抑えられる: 最大の魅力は現地の物価の安さです。食費や交通費が非常に安いため、滞在中の費用をかなり抑えられます。その分、少し贅沢してスパを体験したり、高級ホテルに泊まったりするのも良いでしょう。
    • 交通手段: バンコクのBTS(スカイトレイン)やMRT(地下鉄)、ホーチミンの配車アプリ(Grab)などを活用すると、安く快適に移動できます。
    • 宿泊費の幅が広い: 1泊数千円のゲストハウスから、豪華な5つ星ホテルまで選択肢が非常に豊富です。予算内でワンランク上のホテルステイを楽しめる可能性があります。

グアムの費用相場

日本から約3時間半のフライトで行ける、最も身近なアメリカンリゾートがグアムです。時差も1時間しかなく、短い休みでもビーチリゾートを満喫できます。日本語が通じやすい場所が多いのも安心材料です。

【モデルプラン:3泊4日】

費用項目 グアムの相場
航空券代 60,000円 ~ 100,000円
宿泊費(3泊) 30,000円 ~ 60,000円
現地での費用(食費・交通費・アクティビティ費など) 30,000円 ~ 50,000円
合計(1人あたり) 120,000円 ~ 210,000円
  • ポイント:
    • 物価は高め: アメリカ準州であるため、物価は基本的にアメリカ本土に準じます。特に食費は、レストランで食事をすると1食2,000円〜3,000円は見ておく必要があります。フードコートやスーパーをうまく活用することが節約の鍵です。
    • 交通手段: 主要なホテルやショッピングセンターを結ぶシャトルバス(赤いシャトルバスなど)が便利です。レンタカーを借りて島内を自由にドライブするのもおすすめです。
    • アクティビティが豊富: マリンスポーツやイルカウォッチングなど、オプショナルツアーが充実しています。これらの費用も予算に含めておきましょう。

ハワイの費用相場

海外旅行の王道デスティネーション、ハワイ。美しいビーチ、ショッピング、グルメと魅力が満載ですが、その分費用も高額になる傾向があります。特に近年の円安と物価高騰の影響を大きく受けているエリアです。

【モデルプラン:4泊6日】

費用項目 ハワイ(オアフ島)の相場
航空券代 100,000円 ~ 200,000円
宿泊費(4泊) 80,000円 ~ 150,000円
現地での費用(食費・交通費・観光費など) 80,000円 ~ 120,000円
合計(1人あたり) 260,000円 ~ 470,000円
  • ポイント:
    • 全体的に費用が高い: 航空券、宿泊費、食費、すべてにおいて高水準です。特にワイキキ周辺のホテルは高額で、リゾートフィー(施設利用料)が別途かかる場合がほとんどです。
    • 食費の節約が重要: 食費をいかにコントロールするかが、総額を抑えるための最大のポイントになります。コンドミニアムに宿泊して自炊をしたり、プレートランチやフードトラック、スーパーのデリなどを活用したりするのがおすすめです。
    • ESTAの申請が必須: アメリカの一部であるため、事前にESTAの申請が必要です。

アメリカ本土の費用相場

広大な国土を持つアメリカは、訪れる都市によって費用が大きく異なります。ここでは、人気の西海岸(ロサンゼルス)と東海岸(ニューヨーク)を例に挙げます。一般的に、東海岸の方が物価も航空券も高くなる傾向があります。

【モデルプラン:5泊7日】

費用項目 西海岸(ロサンゼルス)の相場 東海岸(ニューヨーク)の相場
航空券代 150,000円 ~ 250,000円 180,000円 ~ 300,000円
宿泊費(5泊) 80,000円 ~ 150,000円 100,000円 ~ 200,000円
現地での費用(食費・交通費・観光費など) 80,000円 ~ 120,000円 100,000円 ~ 150,000円
合計(1人あたり) 310,000円 ~ 520,000円 380,000円 ~ 650,000円
  • ポイント:
    • 都市間の物価差が大きい: ニューヨークやサンフランシスコは世界的に見ても物価の高い都市です。一方、地方都市に行くと比較的物価は落ち着きます。
    • 移動費がかさむ: 国土が広いため、都市間の移動には飛行機や長距離バス・列車を利用することになり、別途費用がかかります。ロサンゼルスのような都市では、公共交通機関が不便なためレンタカーがほぼ必須となり、その費用も考慮する必要があります。
    • チップ文化: レストランやタクシー、ホテルのポーターなど、サービスを受けた際には料金の15%〜20%程度のチップを支払う文化があります。このチップ代も予算に含めておくことが重要です。

ヨーロッパ(イタリア・フランスなど)の費用相場

歴史的な街並みや芸術、美食が楽しめるヨーロッパ。周遊旅行も人気ですが、その分費用も高額になります。フライト時間が長く、航空券代が高騰しやすいのが特徴です。

【モデルプラン:6泊8日(1都市滞在)】

費用項目 イタリア(ローマ)の相場 フランス(パリ)の相場
航空券代(乗り継ぎ便利用) 180,000円 ~ 300,000円 180,000円 ~ 300,000円
宿泊費(6泊) 90,000円 ~ 180,000円 100,000円 ~ 200,000円
現地での費用(食費・交通費・観光費など) 80,000円 ~ 120,000円 90,000円 ~ 140,000円
合計(1人あたり) 350,000円 ~ 600,000円 370,000円 ~ 640,000円
  • ポイント:
    • 航空券代が大きなウェイトを占める: 直行便は高額なため、中東やアジアの都市で乗り継ぐ便を選ぶと費用を抑えられます。
    • 物価は国や都市による: 一般的に北欧やスイスは物価が高く、東欧や南欧は比較的安い傾向があります。同じ国でも、パリやローマのような大都市は地方都市に比べて物価が高いです。
    • 周遊旅行は計画的に: 複数の国や都市を巡る場合、鉄道やLCCでの移動費が追加でかかります。ユーレイルパスなどの鉄道パスを利用するか、LCCを早めに予約するかなど、計画的な手配が費用を抑える鍵となります。

【日数別】海外旅行の費用相場

2泊3日〜3泊4日、4泊5日〜5泊7日、1週間以上

旅行の予算は、行き先だけでなく「何日間行くか」によっても大きく変わります。ここでは、旅行期間を軸に、どれくらいの費用がかかるのか、またどのような旅行が可能になるのかを見ていきましょう。自分の取れる休みに合わせて、現実的な旅行プランをイメージするのに役立ててください。

2泊3日〜3泊4日

週末や3連休を利用した、いわゆる「弾丸旅行」に最適なのがこの日数です。限られた時間で最大限に楽しむためには、移動時間が短く、時差の少ないアジア圏が主な選択肢となります。

  • 主な渡航先: 韓国、台湾、香港、マカオ、中国(上海など)
  • 費用相場(1人あたり): 7万円 〜 15万円
  • 費用の内訳と特徴:
    • この日数の旅行では、総費用に占める航空券代の割合が非常に高くなります。LCCをうまく活用し、航空券代をいかに安く抑えるかが、全体の予算を左右する最大のポイントです。
    • 現地での滞在時間が短いため、宿泊費や現地で使うお小遣いは比較的少なくて済みます。
    • 2泊3日の場合、現地に滞在できるのは実質1日半〜2日程度です。そのため、観光するエリアを絞り、効率よく回る計画を立てることが重要になります。
    • 3泊4日あれば、少し足を延ばして市内観光だけでなく、近郊の都市へ日帰り旅行を楽しむ余裕も出てきます。
  • 予算計画のヒント:
    • LCCのセール情報を常にチェックしましょう。往復3万円以下といった破格の航空券が見つかれば、総予算10万円以下も夢ではありません。
    • 食費は、有名レストランだけでなく、屋台やローカル食堂を組み合わせることでメリハリをつけ、費用を抑えることができます。
    • 宿泊は、寝るだけと割り切って、立地の良いリーズナブルなホテルやゲストハウスを選ぶのが賢い選択です。

4泊5日〜5泊7日

一般的な企業の夏休みやゴールデンウィークなどで確保しやすいのがこの日数です。アジア圏はもちろん、少し足を延ばしてグアムやハワイ、オセアニアの一部、あるいはアメリカ西海岸なども視野に入ってきます。多くの人にとって、最もスタンダードな海外旅行の期間と言えるでしょう。

  • 主な渡航先:
    • アジア全域(タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシアなど)
    • リゾート地(グアム、サイパン、セブ島、ハワイなど)
    • オセアニア(オーストラリアのケアンズなど)
    • アメリカ西海岸(ロサンゼルス、サンフランシスコなど)※5泊7日以上が望ましい
  • 費用相場(1人あたり):
    • 東南アジア・グアム: 10万円 〜 25万円
    • ハワイ・アメリカ西海岸: 25万円 〜 50万円
  • 費用の内訳と特徴:
    • 航空券代に加えて、滞在費(宿泊費、食費、観光費)の割合が大きくなってきます。
    • 4泊5日あれば、1つの都市にじっくり滞在し、その街の魅力を深く味わうことができます。ビーチでのんびり過ごしたり、ショッピングやグルメを心ゆくまで楽しんだり、様々な過ごし方が可能です。
    • 5泊7日あれば、1都市滞在に加えて、近郊への小旅行や、2都市周遊も検討できます。例えば、タイのバンコクとアユタヤ、ベトナムのホーチミンとメコンデルタといった組み合わせが考えられます。
  • 予算計画のヒント:
    • 「航空券+ホテル」のセットになったパックツアーやダイナミックパッケージが、個人で手配するよりもお得になるケースが増えてきます。複数の旅行会社のプランを比較検討してみましょう。
    • 滞在が長くなる分、食費がかさみがちです。ホテルの豪華な朝食ビュッフェも魅力的ですが、時にはスーパーでパンやヨーグルトを買ってきて済ませるなど、工夫することで費用をコントロールできます。
    • 参加したいオプショナルツアーや訪れたい観光施設の入場料などを事前にリストアップし、予算に組み込んでおくことが大切です。

1週間以上

1週間(6泊8日程度)以上の長期休暇が取れるなら、旅行先の選択肢は一気に広がります。フライト時間が長いヨーロッパやアメリカ東海岸、あるいは南米やアフリカといった、なかなか行けない場所への旅行が現実的になります。

  • 主な渡航先:
    • ヨーロッパ(イタリア、フランス、スペイン、イギリスなど。周遊も可能)
    • アメリカ(東海岸、国立公園巡り、横断など)
    • オセアニア(オーストラリア、ニュージーランドの周遊)
    • 南米、中東、アフリカなど
  • 費用相場(1人あたり): 35万円 〜 (上限は行き先と過ごし方次第)
  • 費用の内訳と特徴:
    • 航空券代が高額になる分、1日あたりの滞在コストをいかに抑えるかが重要になります。
    • 複数の国や都市を周遊する場合、その間の移動費(鉄道、LCC、長距離バスなど)も大きな予算項目となります。
    • 長期滞在になるほど、予期せぬ出費が発生する可能性も高まるため、予備費を多めに確保しておくと安心です。
    • 同じ場所に長く滞在する場合は、キッチン付きのアパートメントホテルや民泊を利用して自炊を取り入れると、食費を大幅に節約できます。
  • 予算計画のヒント:
    • ヨーロッパ周遊の場合は「ユーレイルパス」などの鉄道パス、都市間の移動にはLCCの早期予約などを活用し、移動費を賢く抑えましょう。
    • 長期滞在割引を提供している宿泊施設を探すのも一つの手です。
    • 物価の高い国と安い国を組み合わせる(例:スイスとチェコを周遊する)ことで、全体の予算を調整するというテクニックもあります。
    • 長期の旅行ほど、海外旅行保険の重要性が増します。慣れない環境での体調不良やトラブルのリスクに備え、十分な補償内容の保険に加入しておくことを強くおすすめします。

海外旅行の費用を安く抑えるコツ10選

「海外旅行には行きたいけれど、予算が心配…」そんな方のために、少しの工夫で旅行費用をぐっと抑えることができる、実践的な10のコツをご紹介します。これらのテクニックを組み合わせることで、同じ行き先でもワンランク上の体験ができたり、浮いた予算でさらにもう一カ国旅をしたりすることも可能になるかもしれません。

① 旅行時期を繁忙期からずらす

最も効果的で、最もインパクトが大きい節約術が、旅行に行く時期を調整することです。航空券代やホテル代は、需要と供給のバランスで決まるため、多くの人が休みを取る時期(繁忙期・ハイシーズン)は価格が高騰し、そうでない時期(閑散期・オフシーズン)は安くなります。

  • ハイシーズン(繁忙期): 年末年始(12月下旬~1月上旬)、ゴールデンウィーク(4月下旬~5月上旬)、お盆休み(8月中旬)など。料金は最も高くなります。
  • ショルダーシーズン: ハイシーズンの前後。気候も良く、混雑も比較的少ないため、旅行には最適な時期と言えます。料金は中程度です。例えば、GW明けの5月中旬~6月、夏休み後の9月~10月などが狙い目です。
  • オフシーズン(閑散期): 旅行者が最も少なくなる時期。1月中旬~2月、4月上旬、11月~12月上旬などが該当します。料金は最も安くなりますが、渡航先によっては天候が不安定(雨季など)な場合もあるため、事前のリサーチが必要です。

平日出発・帰国にするだけでも、週末にかかるフライトより数万円安くなることも珍しくありません。有給休暇をうまく活用して、繁忙期を避けた日程を組むことが、賢い旅の第一歩です。

② LCC(格安航空会社)を利用する

LCC(ローコストキャリア)は、サービスを簡素化する代わりに、FSC(フルサービスキャリア)よりも格安の運賃を提供している航空会社です。特に、フライト時間が短いアジア路線では、LCCを利用することで航空券代を劇的に抑えることができます。

  • LCCのメリット: なんといっても価格の安さです。不定期に開催されるセールを狙えば、信じられないような価格で航空券を手に入れられることもあります。
  • LCCの注意点:
    • 追加料金: 基本運賃に含まれているのは座席のみで、受託手荷物(預ける荷物)、座席指定、機内食、ドリンクなどはすべて有料オプションです。予約時に必要なサービスを追加するか、後から追加するかで料金が変わることもあります。特に手荷物の重量やサイズの規定は厳格で、空港で超過料金を支払うと割高になるため、事前にしっかり確認しましょう。
    • 発着空港: 都心から離れた空港を利用することがあります。
    • 遅延・欠航時の対応: FSCに比べて、振替便の選択肢が少なかったり、補償が限定的だったりする場合があります。

これらの特性を理解した上で利用すれば、LCCは旅費を抑えるための非常に強力な味方になります。

③ パックツアーやセット予約をうまく活用する

個人で航空券とホテルを別々に手配する「個人手配」が主流になりつつありますが、旅行会社が企画するパックツアーや、航空券とホテルを同時に予約する「ダイナミックパッケージ」が、結果的に安くなるケースも少なくありません。

  • パックツアーのメリット: 航空券、ホテル、空港送迎などがセットになっており、旅程も組まれているため、計画の手間が省けます。特に、ハワイやグアムなどのリゾート地への旅行では、旅行会社がホテルや航空座席を大量に仕入れているため、個人で手配するより割安な価格設定になっていることが多いです。
  • ダイナミックパッケージのメリット: 航空券とホテルを自由に組み合わせられるパックツアーのようなものです。セットで予約することで割引が適用され、別々に予約するよりも安くなることがあります。
  • 比較検討が重要: 必ずしもツアーが安いとは限りません。まずは、航空券比較サイトやホテル予約サイトで個人手配の場合の料金を調べ、その上で旅行会社のツアー料金と比較してみましょう。

④ 航空券やホテルのセール・キャンペーンを狙う

航空会社やホテル予約サイトは、閑散期の集客やプロモーションのために、定期・不定期にセールやキャンペーンを実施します。

  • 航空会社のセール: LCCのタイムセールは特に有名で、数ヶ月先の航空券が対象になることが多いです。FSCも、年に数回、大規模なセールを行うことがあります。
  • ホテル予約サイトのキャンペーン: 「直前割引」「早期予約割引」「連泊割引」など、様々な割引プランが用意されています。また、特定のクレジットカード会員向けの割引や、季節ごとのキャンペーンなども見逃せません。
  • 情報収集のコツ: 航空会社や予約サイトのメールマガジンに登録したり、公式アプリをダウンロードしたりしておくと、セールの情報をいち早くキャッチできます。日頃からアンテナを張っておくことが、お得な情報を逃さない秘訣です。

⑤ ホテルのランクや立地の条件を緩める

宿泊費は、旅の予算を大きく左右する要素です。ここに少しの柔軟性を持たせるだけで、大幅な節約が可能です。

  • ランクを下げる: 5つ星ホテルに泊まるのも素敵ですが、清潔で安全な3つ星ホテルでも十分快適に過ごせます。「ホテルは寝に帰るだけ」と割り切れるなら、ホステルやゲストハウスも良い選択肢です。ドミトリー(相部屋)なら、1泊数千円で宿泊できる場所も多くあります。
  • 立地をずらす: 観光地のど真ん中や主要駅の目の前といった一等地から、地下鉄で1〜2駅離れるだけで、ホテルの価格はぐっと下がります。少し離れた場所でも、交通の便が良ければ不便は感じません。浮いたお金で、美味しいものを食べたり、アクティビティを体験したりする方が、旅の満足度は高まるかもしれません。
  • ホテル以外の選択肢: キッチン付きのアパートメントホテルや民泊(Airbnbなど)を利用すれば、自炊が可能になり食費を抑えられます。特に長期滞在の場合におすすめです。

⑥ 現地の公共交通機関を利用する

現地での移動は、タクシーばかり使っていると費用がかさみます。現地の人が使う電車、地下鉄、バスなどの公共交通機関を積極的に利用しましょう

  • メリット: 料金が安いだけでなく、現地の人の生活を垣間見ることができ、旅の良い思い出にもなります。
  • 便利なツール:
    • ICカード: SuicaやICOCAのように、多くの都市にはチャージ式の交通系ICカードがあります。切符を毎回買う手間が省け、運賃が割引になることもあります。
    • 1日乗車券・周遊パス: 1日に何度も乗り降りする予定があるなら、乗り放題のパスがお得です。
    • Google マップ: 現在地から目的地までの最適な公共交通機関のルート、所要時間、料金まで調べてくれるので、海外でも非常に役立ちます。

⑦ 食事はローカル食堂やスーパーも活用する

旅の楽しみである食事も、工夫次第で費用を抑えられます。

  • ローカル食堂・屋台: 観光客向けのレストランよりも、地元の人が通う食堂の方が、安くて本場の味を楽しめることが多いです。衛生面が気になる場合は、清潔そうで、お客さんがたくさん入っている店を選ぶのが一つの目安です。
  • フードコート: ショッピングモールなどにあるフードコートは、様々なジャンルの料理を手頃な価格で楽しめる穴場です。
  • スーパーマーケット: 現地のスーパーマーケットは節約の宝庫です。パンやチーズ、ハム、サラダ、フルーツなどを買ってきて、ホテルの部屋で簡単な朝食や昼食にすれば、食費を大幅にカットできます。現地の珍しいお菓子や飲み物を試すのも楽しい体験です。

⑧ お土産は免税店やスーパーでまとめて買う

お土産代も、買い方一つで大きく変わります。

  • スーパーマーケットを活用: ばらまき用のお菓子や、その土地ならではの調味料、コーヒー、紅茶などは、スーパーマーケットで買うのが最も安上がりです。品揃えも豊富で、現地の人が普段どんなものを買っているのかを見るのも面白いでしょう。
  • 免税店は計画的に: 空港の免税店は、化粧品やブランド品、お酒、タバコなどを買うには便利ですが、お菓子などは市中のスーパーの方が安い場合が多いです。買い忘れた時や、最後に買い足したい時に利用するのが賢い使い方です。
  • リストを作成する: 「誰に」「何を」「いくらくらいで」買うか、事前にお土産リストを作っておくと、衝動買いや無駄な出費を防ぐことができます。

⑨ 海外旅行保険付きクレジットカードを活用する

海外旅行保険は必須ですが、保険料も節約したいポイントです。そこで役立つのが、海外旅行保険が付帯しているクレジットカードです。

  • 自動付帯と利用付帯:
    • 自動付帯: カードを持っているだけで、海外旅行保険が自動的に適用されます。
    • 利用付帯: そのカードでツアー代金や航空券などの旅行代金を支払うことが、保険適用の条件となります。
  • 確認すべきこと:
    • 補償内容と金額: 特に、最も重要となる「治療・救援費用」の補償額が十分かを確認しましょう。カード付帯保険だけでは不十分な場合は、不足分を補うために別途、掛け捨ての海外旅行保険に加入することを検討してください。
    • 適用条件: 自分のカードが自動付帯か利用付帯か、必ず出発前に確認しておく必要があります。

年会費無料のカードにも、充実した海外旅行保険が付帯しているものが多くあります。これを機に、自分の持っているカードを見直してみるのも良いでしょう。

⑩ Wi-Fiは複数人でシェアできるプランを選ぶ

海外でのインターネット接続費用も、賢く節約したい項目です。

  • レンタルWi-Fiルーター: 友人や家族など、複数人で旅行する場合は、1台のWi-Fiルーターをみんなでシェアするのが最も経済的です。1台分のレンタル料金を人数で割れば、1人あたりの負担はかなり少なくなります。
  • eSIMの活用: 一人旅や、個別に行動することが多いグループの場合は、eSIMが便利でお得です。物理的なSIMカードの抜き差しが不要で、日本にいる間にネットでプランを購入・設定できます。必要なデータ量や日数に応じて様々なプランから選べるため、無駄がありません。
  • 無料Wi-Fiスポットの活用: ホテルやカフェ、空港、ショッピングモールなどで提供されている無料Wi-Fiをうまく利用すれば、通信量を節約できます。ただし、セキュリティの観点から、個人情報やパスワードの入力は避けるようにしましょう。

海外旅行の予算に関するよくある質問

海外旅行の計画を立てる中で、多くの人が抱く共通の疑問があります。ここでは、予算に関する特に多い質問を取り上げ、具体的なアドバイスとともに回答します。

予算はいつまでに準備すればいい?

「旅行の予算は、いつまでに、どのくらい準備しておけばいいの?」これは非常に重要な質問です。結論から言うと、「航空券やホテルを予約するタイミングまで」に、それらの代金を支払えるだけのお金を準備しておくのが理想です。

一般的に、海外旅行の費用を安く抑えるためには、早期予約が基本となります。特に、航空券は出発日が近づくにつれて高くなる傾向があるため、早めの行動が鍵を握ります。

  • 半年前〜3ヶ月前: この時期が、航空券やホテルの予約を始めるのに最適なタイミングと言われています。特に、ゴールデンウィークや年末年始などのハイシーズンに旅行を計画している場合は、半年前でも早すぎることはありません。この時点で、旅行費用総額の半分以上を占めるであろう「航空券代」と「宿泊費」を支払えるだけの資金を準備しておく必要があります。
  • 3ヶ月前〜1ヶ月前: パックツアーの申し込みや、オプショナルツアーの予約などを行う時期です。これらの費用も考慮に入れておきましょう。
  • 1ヶ月前〜出発直前: 海外旅行保険の加入、現地で使う現金の準備、旅行用品の購入など、最終的な準備を進めます。

具体的な準備のステップとしては、以下のような流れがおすすめです。

  1. 行き先と日数を決める: まずは、どこへ、何日間行きたいのかを決めます。
  2. 概算の予算を立てる: 本記事の費用相場などを参考に、航空券、宿泊費、現地での費用など、総額がどれくらいになりそうか、ざっくりと計算してみます。
  3. 目標金額と貯金計画を立てる: 概算予算を基に、目標金額を設定します。「半年後の旅行のために30万円必要だから、毎月5万円貯金しよう」といった具体的な計画を立てることで、モチベーションを維持しやすくなります。
  4. 予約と支払いを実行: 貯金計画に沿ってお金が準備できたら、いよいよ航空券やホテルの予約・支払いに進みます。

早く計画を始めるほど、お得な航空券やホテルを見つけられる可能性が高まり、資金準備にも余裕が生まれます。 思い立ったら吉日、まずは情報収集から始めてみましょう。

現金とクレジットカードの理想的な割合は?

海外旅行での支払い方法として、現金とクレジットカードをどのように使い分ければ良いのか、そのバランスに悩む方は多いでしょう。国や地域によってキャッシュレス化の進展度は異なりますが、現代の海外旅行における基本的な考え方は、「クレジットカードをメインに、現金は補助的に」です。

理想的な割合は一概には言えませんが、以下のような考え方を基準にするのがおすすめです。

支払い方法 割合の目安 主な使い道
クレジットカード 総予算の70%〜90% 航空券、ホテル、デパートやスーパーでの買い物、レストランでの食事、オプショナルツアーの支払いなど、高額な決済やしっかりした店舗での支払いが中心。
現金 総予算の10%〜30% チップ、屋台やローカルマーケットでの買い物、小規模な個人商店、公共交通機関の切符購入、万が一カードが使えなかった時の備え。

クレジットカードをメインにするメリット

  • 安全性: 大金を持ち歩く必要がなく、盗難や紛失のリスクを減らせます。万が一不正利用されても、カード会社の補償制度を利用できます。
  • 利便性: 細かい現金を用意する必要がなく、支払いがスムーズです。
  • ポイント・マイルが貯まる: 利用額に応じてポイントやマイルが貯まり、次回の旅行や普段の買い物に活かせます。
  • 海外旅行保険: カードによっては、海外旅行保険が付帯しており、別途保険に加入する手間や費用を省けます。

現金が必要な場面

  • キャッシュレス化が進んでいない地域: アジアや南米の一部の地域、地方の都市などでは、まだまだ現金しか使えないお店が多く存在します。
  • チップ: アメリカやカナダなどチップ文化のある国では、枕銭(ハウスキーピングへのチップ)やポーターへのチップなど、少額の現金を渡す場面があります。
  • ローカルマーケット・屋台: 地元の市場や屋台では、クレジットカードが使えないことがほとんどです。
  • 交通機関: 一部のバスやローカルな鉄道では、現金での支払いが必要な場合があります。

準備する上での具体的なアドバイス

  • クレジットカードは複数枚持っていく: VISA、Mastercardといった国際ブランドの異なるカードを2〜3枚持っていくのが鉄則です。1枚が磁気不良や紛失で使えなくなっても、もう1枚あれば安心です。また、店舗によっては特定のブランドしか使えないケースにも対応できます。
  • 現地通貨への両替はほどほどに: 一度に大量の現金を両替するのではなく、まずは日本円で2〜3万円程度を両替し、現地で足りなくなったらATMでキャッシングするか、再度両替するのが安全でスマートです。空港の両替所はレートが悪いことが多いので、市中の銀行や両替所を利用するのがおすすめです。
  • 渡航先のキャッシュレス事情を調べる: 出発前に「(国名) キャッシュレス」などで検索し、渡航先のキャッシュレス化がどの程度進んでいるかを調べておくと、現金とカードのバランスをより適切に判断できます。

最終的に、海外旅行の予算計画は、旅の満足度を大きく左右する重要なプロセスです。綿密なリサーチと計画が、無駄な出費を減らし、心から楽しめる最高の体験へと繋がります。この記事で得た知識を活用し、あなただけの素晴らしい海外旅行プランを、ぜひ実現させてください。