社員旅行におすすめの企画アイデア15選!人気の行き先や費用相場

社員旅行におすすめの企画アイデア、人気の行き先や費用相場も解説

社員旅行は、組織の一体感を高め、従業員のエンゲージメントを向上させるための重要なイベントです。かつては慰安旅行としての側面が強かった社員旅行ですが、現代ではその目的や形態が大きく変化し、チームビルディングや理念浸透、リフレッシュなど、多様なニーズに応えるための重要な施策として位置づけられています。

しかし、いざ企画するとなると「どんな企画が喜ばれるのだろう?」「費用はどれくらいかかる?」「そもそも、どうすれば参加率が上がるのだろう?」といった悩みを抱える幹事の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、社員旅行の企画に役立つ情報を網羅的に解説します。最近のトレンドから、具体的な企画アイデア15選、人気の行き先、費用相場、経費で処理するための条件、そして参加率を上げるための成功のポイントまで、社員旅行に関するあらゆる疑問にお答えします。この記事を読めば、参加者全員が満足し、「参加してよかった」と思える社員旅行を実現するためのヒントがきっと見つかるはずです。

社員旅行とは

社員旅行とは

社員旅行とは、企業が主催し、従業員とその家族などを対象に実施する旅行のことです。古くは「慰安旅行」と呼ばれ、日頃の業務の労をねぎらうことを主な目的としていました。しかし、働き方や価値観が多様化する現代において、社員旅行のあり方も大きく変わりつつあります。

単なる慰安やレクリエーションに留まらず、企業が抱える課題を解決するための戦略的な投資として、その重要性が見直されています。例えば、コミュニケーションの活性化、チームワークの醸成、企業理念の浸透、従業員のモチベーション向上など、明確な目的を持って企画・実施されるケースが増えています。

このセクションでは、まず社員旅行の基本的な定義と、その目的が時代と共にどのように変化してきたのかを詳しく掘り下げていきます。

最近の社員旅行のトレンドと目的の変化

かつての社員旅行といえば、団体で観光バスに乗り、宴会場で芸やカラオケを披露するといった画一的なスタイルが主流でした。しかし、従業員の価値観の多様化やライフスタイルの変化に伴い、こうした旧来型の社員旅行は敬遠される傾向にあります。現代の社員旅行は、よりパーソナルで、かつ企業としての目的達成に貢献する形へと進化しています。

最近の社員旅行における主なトレンドと目的の変化は、以下の通りです。

  1. 目的の多様化と明確化
    かつての「慰安」という漠然とした目的から、より具体的で戦略的な目的にシフトしています。

    • コミュニケーションの活性化: 部署や役職の垣根を越えた交流を促し、風通しの良い組織風土を醸成する。
    • チームビルディング: 共同作業や課題解決型のアクティビティを通じて、チームとしての一体感や連携力を高める。
    • 理念浸透・ビジョン共有: 経営層からのメッセージ発信や、企業の歴史・理念にゆかりのある地を訪れることで、組織の向かうべき方向性を共有する。
    • リフレッシュとウェルネス: 日常の喧騒から離れ、心身ともにリフレッシュすることで、従業員の健康増進と生産性向上を図る。
    • インセンティブ(報奨): 高い業績を上げた社員やチームへの報奨として、特別な体験を提供し、さらなるモチベーション向上を促す。
  2. 参加の任意性とプランの多様化
    「全員参加」が当たり前だった時代は終わり、参加を強制しない自由な雰囲気作りが主流となっています。不参加を選択できる安心感が、逆に参加への心理的ハードルを下げ、結果的に参加率向上に繋がることもあります。
    また、全社員一律のプランだけでなく、多様なニーズに応えるための選択肢が増えています。

    • 選択制プラン: 「アクティブコース」「文化体験コース」「のんびり温泉コース」など、複数のプランから好みのものを選べる形式。
    • 日帰りプランの充実: 宿泊に抵抗がある社員や、家庭の事情で家を空けられない社員でも参加しやすい日帰り旅行。
    • 家族同伴可能なプラン: 家族も一緒に楽しめるプログラムを用意し、従業員満足度だけでなく、その家族の会社への理解や愛着を深める。
  3. 「体験」重視のコンテンツ
    単に観光地を巡るだけでなく、参加者が主体的に関わる「体験型」のコンテンツが人気を集めています。共有体験は、参加者同士の記憶に深く刻まれ、後のコミュニケーションのきっかけにもなります。

    • チームビルディング系: 謎解きゲーム、スポーツ大会、料理対決など。
    • アウトドア系: BBQ、グランピング、ラフティング、農業体験など。
    • 文化・ものづくり体験: 陶芸、ガラス細工、伝統工芸、そば打ち体験など。
  4. 社会貢献・SDGsへの意識の高まり
    企業の社会的責任(CSR)への関心が高まる中、社員旅行に社会貢献活動を取り入れる企業も増えています。

    • ボランティア活動: 地域の清掃活動、植林、被災地支援など。
    • サステナブルツーリズム: 環境に配慮した宿泊施設を選んだり、地域の文化や経済に貢献するような活動を取り入れたりする旅。
      こうした活動は、社員の社会貢献意識を高めると同時に、企業のブランドイメージ向上にも繋がります。

このように、現代の社員旅行は、従業員一人ひとりの価値観を尊重しつつ、企業の成長戦略の一環として明確な目的を持って実施される、戦略的コミュニケーションイベントへとその姿を変えています。成功の鍵は、自社の課題や目的に合わせて、最適な企画を立案することにあると言えるでしょう。

社員旅行を実施する4つのメリット

社員同士のコミュニケーション活性化、チームワークの強化と一体感の醸成、社員のモチベーション向上とリフレッシュ、会社のビジョンや理念の共有

目的を持って適切に企画された社員旅行は、企業と従業員の双方に多くのメリットをもたらします。日常業務の延長線上では得難い効果が期待でき、組織の成長を加速させるための有効な投資となり得ます。ここでは、社員旅行を実施することで得られる代表的な4つのメリットについて、具体的な効果とともに詳しく解説します。

① 社員同士のコミュニケーション活性化

企業活動において、円滑なコミュニケーションは生産性や創造性の基盤です。しかし、組織が大きくなるほど、あるいはリモートワークが普及するほど、部署や役職、拠点の壁を越えたコミュニケーションは難しくなる傾向があります。

社員旅行は、こうした普段接点のない社員同士が自然に交流できる絶好の機会を提供します。オフィスという公式な場を離れ、リラックスした雰囲気の中で過ごす時間は、お互いの意外な一面を発見したり、人間的な側面を知るきっかけとなります。

例えば、食事や移動中のバスの中での雑談、アクティビティでの協力作業などを通じて、業務上のやり取りだけでは生まれにくい「心理的な繋がり」が生まれます。上司の趣味や後輩の意外な特技を知ることで、互いへの親近感が湧き、オフィスに戻ってからも気軽に相談したり、意見を交換したりしやすくなります。

このような非公式なコミュニケーションによって構築された良好な人間関係は、部署間の連携をスムーズにし、情報共有を促進します。結果として、業務効率の向上や新たなアイデアの創出に繋がり、組織全体の活性化に貢献します。

② チームワークの強化と一体感の醸成

多くの企業が社員旅行の目的に掲げるのが「チームワークの強化」です。共有の体験、特に困難や課題を乗り越える体験は、メンバー間の絆を深め、チームとしての一体感を醸成する上で非常に効果的です。

スポーツ大会や謎解きゲーム、あるいはアウトドアでの共同作業といったチームビルディング要素のあるアクティビティでは、参加者は共通の目標達成のために自然と協力し合います。役割分担を決め、互いの長所を活かし、短所を補い合いながら課題をクリアしていくプロセスは、まさに理想的なチームワークの実践そのものです。

旅行先という非日常の環境で共に汗を流し、成功の喜びを分かち合った経験は、参加者の記憶に強く残ります。「あの時、〇〇さんが頑張ってくれたおかげでクリアできたね」「みんなで協力したから楽しかった」といった共通の思い出は、チームの財産となります。

こうした経験を通じて育まれた一体感は、日常業務においても活かされます。困難なプロジェクトに直面した際に、社員旅行での成功体験を思い出し、「あの時のようにみんなで協力すれば乗り越えられる」という前向きなマインドを持つことができます。組織全体の目標達成に向けた求心力を高める上で、社員旅行は強力な触媒となり得るのです。

③ 社員のモチベーション向上とリフレッシュ

日々の業務に追われる従業員にとって、心身のリフレッシュは不可欠です。社員旅行は、日常業務から完全に解放され、美しい景色や美味しい食事、楽しいアクティビティを通じてリフレッシュするための貴重な機会となります。

心身がリフレッシュされると、ストレスが軽減され、新たな活力が湧いてきます。これにより、休暇明けの業務に対して、より高い集中力と創造性を持って取り組めるようになります。

さらに、社員旅行は「会社が自分たちを大切にしてくれている」というメッセージを伝える強力な手段でもあります。企業が時間とコストをかけて社員旅行を企画・実施することは、従業員の日頃の貢献に対する感謝の表れです。こうした非金銭的な報酬は、従業員の会社に対するエンゲージメント(愛着や貢献意欲)やロイヤリティ(忠誠心)を高める効果があります。

「この会社で働いていてよかった」「また明日から頑張ろう」という気持ちを育むことで、離職率の低下や生産性の向上といった具体的な成果にも繋がります。特に、インセンティブ旅行として、優秀な成績を収めた社員を対象に実施する場合、その効果はさらに高まり、他の社員への刺激にもなります。

④ 会社のビジョンや理念の共有

企業の持続的な成長のためには、全従業員が会社のビジョンや理念を深く理解し、共感している状態が理想です。社員旅行は、このビジョンや理念を効果的に共有・浸透させるための場としても活用できます。

例えば、創業の地や自社製品の生産工場、あるいは企業の理念を体現するような場所を訪れるプランは、従業員が自社のルーツや社会における役割を肌で感じる良い機会となります。資料や研修で学ぶだけでなく、実際にその場に身を置くことで、理念への理解はより深く、実感のこもったものになります。

また、旅行中の夕食会やワークショップの時間を利用して、経営層が自らの言葉で会社の未来やビジョンについて語りかけることも有効です。リラックスした雰囲気の中での対話は、従業員の心に響きやすく、経営層と従業員の間の心理的な距離を縮める効果も期待できます。

普段は直接話す機会の少ない経営トップの情熱や想いに触れることで、従業員は自らの仕事の意義を再認識し、「自分もこの会社の一員としてビジョン実現に貢献したい」という当事者意識を持つようになります。このように、社員旅行は組織のベクトルを合わせ、全員が同じ目標に向かって進むための重要な機会となり得るのです。

社員旅行のデメリットと参加者が「行きたくない」と感じる理由

多くのメリットがある一方で、社員旅行にはデメリットや課題も存在します。特に、従業員の価値観が多様化した現代においては、「社員旅行に行きたくない」と感じる人が一定数いることも事実です。企画を成功させるためには、こうしたネガティブな側面にも目を向け、その原因と対策を理解しておくことが不可欠です。

社員旅行で考えられるデメリット

まず、企業側と従業員側の双方から考えられる主なデメリットを整理してみましょう。

対象 デメリット 具体的な内容
企業側 コスト負担 交通費、宿泊費、食費、アクティビティ費など、参加人数が増えるほど多額の費用がかかる。
企画・運営の負担 目的設定、プランニング、旅行会社との調整、参加者募集、当日の運営、精算など、幹事や人事部門に大きな業務負荷がかかる。
業務の停滞 多くの社員が同時に不在となるため、その間の業務がストップしたり、顧客対応に支障が出たりする可能性がある。
リスク管理 旅行中の事故、急病、盗難、ハラスメントといった様々なトラブルが発生するリスクがあり、そのための対策や保険加入が必要になる。
従業員側 プライベートな時間の拘束 休日や業務時間外を使って行われる場合、個人の自由な時間が削られることになる。
人間関係の気遣い 上司や苦手な同僚に気を使わなければならず、リフレッシュするどころかかえって精神的に疲れてしまうことがある。
金銭的負担 会社負担分以外に、お土産代や自由行動での飲食代など、自己負担が発生する場合がある。
不参加による疎外感 家庭の事情や体調などで参加できない場合に、職場で疎外感を感じたり、不利益を被るのではないかという不安を感じることがある。

これらのデメリットを認識し、コスト管理の徹底、幹事の負担軽減策、リスクヘッジ、そして従業員への配慮を盛り込んだ企画を立てることが、失敗を防ぐための第一歩となります。

参加者が「行きたくない」と感じる主な理由

なぜ、一部の従業員は社員旅行にネガティブな感情を抱くのでしょうか。その背景には、個人の価値観やライフスタイルの変化が大きく影響しています。産労総合研究所が実施した調査などでも、様々な理由が浮き彫りになっています。

  1. プライベートを優先したい
    最も多い理由がこれです。「休日は家族や友人と過ごしたい」「自分の趣味の時間を大切にしたい」と考える人にとって、会社のイベントで休日が潰れることは大きなストレスです。ワークライフバランスを重視する現代の風潮を象徴する理由と言えます。
  2. 上司や同僚に気を使うのが疲れる
    「無礼講」と言われても、やはり上司や先輩には気を使うものです。普段の業務以上に気を配らなければならない状況は、リフレッシュどころか精神的な疲労に繋がります。「お酌をして回らなければならない」「常に笑顔でいなければならない」といったプレッシャーを感じる人も少なくありません。
  3. そもそも団体行動が苦手
    個人の時間を大切にする傾向が強まり、集団で画一的な行動を取ることを好まない人も増えています。決められたスケジュールに沿って行動することに窮屈さを感じたり、興味のない観光地に連れて行かれることを苦痛に感じたりします。
  4. 金銭的な負担がある
    たとえ旅費の大部分を会社が負担してくれたとしても、お土産代や自由時間での出費、あるいは現地までの交通費が一部自己負担となるケースもあります。経済的な事情から、こうした追加の出費を避けたいと考える人もいます。
  5. 芸や出し物の強要が嫌
    かつての宴会型旅行で多く見られた「若手社員による余興」の文化は、多くの人にとって大きな負担です。準備に時間を取られるだけでなく、人前で何かを披露すること自体に強い抵抗を感じる人も多く、ハラスメントと受け取られかねない悪しき慣習と見なされるようになっています。
  6. 健康上・家庭の事情
    持病がある、体力がなく疲れやすい、小さな子供がいる、親の介護をしているなど、個々人が抱える事情は様々です。こうした事情で、宿泊を伴う長時間の旅行への参加が物理的に難しいケースもあります。

これらの「行きたくない理由」を解消することが、参加率を上げ、満足度の高い社員旅行を実現するための鍵となります。具体的には、「目的の事前共有」「アンケートによる希望の反映」「自由時間の確保」「参加の任意性の徹底」といった対策が有効です。これらのポイントについては、後の章で詳しく解説します。

社員旅行の費用相場と内訳

社員旅行を企画する上で、最も気になるのが「費用」ではないでしょうか。予算を立てるためには、まず一般的な費用相場を把握しておくことが重要です。費用は、旅行の形態(日帰りか宿泊か)、行き先(国内か海外か)、時期、参加人数、そして食事やアクティビティの内容によって大きく変動します。

ここでは、代表的な旅行形態ごとの費用相場と、その内訳について解説します。

日帰り旅行の費用相場

日帰り旅行は、宿泊を伴う旅行に比べて費用を大幅に抑えることができ、参加のハードルも低いため、近年人気が高まっています。

日帰り旅行の1人あたりの費用相場は、おおむね1万円〜3万円程度です。

  • 1万円台のプラン例:
    • 貸切バスを利用した近郊の観光地巡り+ランチ
    • 都心でのチームビルディングアクティビティ(謎解きゲームなど)+懇親会
    • アウトドア施設でのBBQ大会
  • 2万円〜3万円台のプラン例:
    • 少し足を延ばした有名観光地への日帰りバスツアー(豪華なランチ付き)
    • 有名テーマパークのチケット+食事補助
    • ゴルフコンペ(プレー代+食事+景品代)

貸切バスを利用すれば、移動中もレクリエーションなどで一体感を醸成できるため、日帰り旅行では定番の選択肢です。

1泊2日旅行の費用相場

社員旅行で最も一般的な形態が、1泊2日の国内旅行です。十分な時間を確保できるため、リフレッシュ効果やコミュニケーション促進効果をより高めることができます。

1泊2日(国内)の1人あたりの費用相場は、3万円〜7万円程度が中心です。

  • 3万円〜5万円台のプラン例:
    • バスを利用した近隣の温泉地(箱根、伊豆、有馬など)への旅行
    • 地方都市での観光+ご当地グルメ
  • 5万円〜7万円台のプラン例:
    • 飛行機や新幹線を利用した遠方の人気観光地(沖縄、北海道、京都など)への旅行
    • 少しグレードの高い旅館やリゾートホテルでの滞在
    • 充実したアクティビティ(ラフティング、スキーなど)を含むプラン

海外旅行の場合、行き先にもよりますが、1泊2日や2泊3日の近距離アジア(韓国、台湾など)であれば、1人あたり7万円〜15万円程度が相場となります。行き先や為替レートによって大きく変動するため、旅行会社に最新の見積もりを確認することが重要です。

費用の主な内訳

社員旅行の総費用は、主に以下の項目で構成されます。予算を計画する際は、これらの内訳を意識すると、どこでコストを調整できるかが見えやすくなります。

費用項目 内容とポイント 費用割合の目安
交通費 飛行機、新幹線、貸切バス、フェリーなどの移動にかかる費用。総費用の中で最も大きな割合を占めることが多い。早期予約割引や団体割引を活用してコストを抑えるのが基本。 30%~50%
宿泊費 ホテル、旅館、コテージ、グランピング施設などの宿泊にかかる費用。施設のグレードや部屋のタイプ(相部屋か個室か)によって大きく変動する。コスト調整がしやすい項目の一つ 20%~40%
食費 宴会、昼食、朝食、BBQなど、旅行中の食事にかかる費用。宴会の飲み放題プランの有無や、食事のグレードが費用に影響する。 10%~20%
観光・アクティビティ費 観光施設の入場料、体験プログラムの参加費、チームビルディング研修の費用など。旅行の目的を達成するための重要な費用 5%~15%
海外旅行保険料 海外旅行の場合に必須となる。病気やケガ、盗難などのトラブルに備えるための保険料。行き先や補償内容によって変動。 1人2,000円~5,000円程度
その他(諸経費) 幹事の手数料(旅行会社に支払う場合)、通信費、会議室利用料、景品代、添乗員費用、予備費など。総費用の5%程度を見込んでおくと安心。 5%程度

これらの費用相場と内訳はあくまで目安です。最終的な費用は、旅行の時期(繁忙期か閑散期か)によっても大きく変わります。正確な予算を立てるためには、複数の旅行会社から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

社員旅行の費用を経費で処理するための3つの条件

旅行期間が4泊5日以内であること、全従業員の50%以上が参加すること、会社が負担する金額が社会通念上妥当であること

社員旅行の費用は、一定の条件を満たすことで、従業員への給与として課税されることなく、会社の経費(福利厚生費)として計上できます。福利厚生費として認められれば、法人税の節税に繋がるため、企業にとっては大きなメリットです。

国税庁では、福利厚生費として認められるための要件を定めています。ここでは、その3つの重要な条件について、実務上のポイントも交えながら詳しく解説します。
(参照:国税庁 No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修会)

① 旅行期間が4泊5日以内であること

福利厚生費として認められるためには、旅行の期間が4泊5日以内である必要があります。これは、社会通念上、慰安旅行として妥当な期間と見なされるための基準です。

この期間の考え方には注意点があります。

  • 国内旅行の場合: 純粋に旅行の日程が4泊5日以内であれば問題ありません。
  • 海外旅行の場合: 「外国での滞在日数が4泊5日以内」とされています。つまり、日本との往復の機内泊は、この日数には含まれません。例えば、金曜の夜に日本を出発し、現地で3泊して火曜の朝に帰国するようなプラン(機内1泊+現地3泊+機内1泊)は、現地滞在が3泊なのでこの条件を満たします。

もし、この期間を超える旅行を実施した場合、その旅行費用は原則として福利厚生費とは認められず、参加した従業員への給与(賞与)として扱われ、所得税の課税対象となる可能性があるため注意が必要です。

② 全従業員の50%以上が参加すること

社員旅行が福利厚生として認められるためには、全従業員を対象とし、そのうち50%以上が参加している必要があります。これは、特定の役員や部署のメンバーだけを対象とした旅行ではなく、全社員に機会が与えられている公平な制度であることを示すための要件です。

「全従業員」の範囲ですが、一般的には正社員だけでなく、契約社員やパート、アルバイトなど、雇用形態に関わらずすべての従業員が含まれると解釈されます。

また、企業規模が大きい場合、全社一斉の旅行が難しいこともあります。その場合は、「工場や支店ごと」に実施することも認められています。その際は、その実施単位(例:〇〇支店)の従業員数の50%以上が参加していることが条件となります。

この参加率を達成するためには、企画段階から従業員の希望をアンケートで吸い上げ、魅力的なプランを作成することが重要です。また、やむを得ない事情(業務、病気、家庭の事情など)で参加できない従業員がいることは当然想定されるため、不参加者に対して金銭を支給するようなことは避けましょう。金銭を支給した場合、その金銭はもちろん、旅行に参加した従業員への費用負担分も給与として課税される対象となる可能性があります。

③ 会社が負担する金額が社会通念上妥当であること

3つ目の条件は、会社が負担する費用が「社会通念上、高額すぎない」ことです。豪華すぎる旅行は、慰安の範囲を超えた経済的利益の供与(=給与)と見なされる可能性があります。

では、「社会通念上妥当な金額」とは具体的にいくらなのでしょうか。国税庁の通達には明確な金額は示されていませんが、実務上の一般的な目安として「1人あたり10万円程度」が一つの基準とされています。

この10万円には、交通費、宿泊費、食費など、会社が負担する費用の総額が含まれます。この金額を大幅に超えるような、例えば1人あたり20万円、30万円といった高額な旅行になると、税務調査などで指摘を受け、給与課税の対象となるリスクが高まります。

ただし、これはあくまで目安であり、会社の規模や業績、旅行の内容によっても判断は変わる可能性があります。重要なのは、「福利厚生の範囲を逸脱した、贅沢な旅行ではない」と客観的に説明できることです。

これらの3つの条件をすべて満たすことで、社員旅行の費用を福利厚生費として損金算入できます。企画段階からこれらの要件を念頭に置き、税務上のリスクを回避しながら、効果的な社員旅行を実現しましょう。

旅行費用を安く抑える3つのコツ

旅行の時期を繁忙期からずらす、国や自治体の補助金・助成金を活用する、旅行会社の団体プランやパッケージツアーを利用する

社員旅行は有意義なイベントですが、企業にとっては大きなコストがかかるのも事実です。特に多くの社員が参加する場合、少しの工夫で総額が大きく変わることもあります。ここでは、旅行の質を落とさずに費用を賢く抑えるための、実践的な3つのコツをご紹介します。

① 旅行の時期を繁忙期からずらす

旅行費用を左右する最大の要因の一つが「時期」です。航空券や宿泊施設の料金は需要と供給のバランスで決まるため、多くの人が旅行に出かける繁忙期(ハイシーズン)は料金が最も高騰し、閑散期(オフシーズン)は安くなります。

  • 避けるべき繁忙期:
    • ゴールデンウィーク(4月下旬~5月上旬)
    • お盆休み(8月中旬)
    • 年末年始(12月下旬~1月上旬)
    • 3連休や祝日
    • 夏休み期間(7月下旬~8月)
    • 紅葉シーズン(10月~11月)やスキーシーズン(12月~2月)の特定エリア
  • 狙い目の閑散期:
    • 大型連休明け: ゴールデンウィーク明けの5月中旬~6月、お盆明けの8月下旬~9月上旬。
    • 年の変わり目: 年明けの1月中旬~2月(スキーリゾートを除く)。
    • 平日: 可能であれば、金土出発ではなく、日月や木金といった平日を含む日程にするだけで、宿泊費や交通費を大幅に抑えることができます。

時期をずらすメリットは、費用の安さだけではありません。観光地や交通機関の混雑を避けられるため、ゆったりと旅行を楽しむことができます。また、人気のレストランやアクティビティの予約も取りやすくなります。幹事としては、参加者の日程調整が課題となりますが、業務への影響が少ない時期を狙って候補日を複数提示し、アンケートで調整するなどの工夫をしてみましょう。

② 国や自治体の補助金・助成金を活用する

あまり知られていませんが、国や地方自治体は、観光振興や地域活性化を目的として、団体旅行や企業研修に対して補助金・助成金制度を設けている場合があります。これらの制度をうまく活用することで、旅行費用の一部を補助してもらえる可能性があります。

  • どのような制度があるか:
    • 団体旅行誘致補助金: 特定の地域に一定人数以上で宿泊する場合に、参加者1人あたり〇円、または総額の〇%を補助するもの。
    • 貸切バス利用補助金: その自治体内の貸切バス会社を利用する場合に、バス1台あたり〇円を補助するもの。
    • コンベンション開催補助金: 会議や研修(MICE)を伴う場合に、会場費や参加者数に応じて補助金を交付するもの。
    • ワーケーション推進補助金: 都会の企業が地方で「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた滞在を行う場合に、宿泊費や交通費、施設利用料などを補助するもの。
  • 探し方と注意点:
    • 補助金制度は、「(旅行先の都道府県・市町村名) 団体旅行 補助金」や「(旅行先の都道府県・市町村名) 助成金 合宿」といったキーワードで検索すると見つかります。各自治体の公式サイトや、観光コンベンション協会のウェブサイトに情報が掲載されていることが多いです。
    • 制度には、申請期間、対象となる人数や宿泊日数、申請方法などの条件が細かく定められています。また、予算がなくなり次第終了となる場合がほとんどなので、旅行計画の早い段階で情報を収集し、条件に合うかどうかを確認することが重要です。
    • 申請手続きが複雑な場合もあるため、不明な点は自治体の担当窓口や、その地域の事情に詳しい旅行会社に相談してみるのがおすすめです。

これらの補助金を活用できれば、同じ予算でワンランク上のプランを実現したり、参加者の自己負担を減らしたりすることが可能になります。

③ 旅行会社の団体プランやパッケージツアーを利用する

個人で航空券やホテルを手配するよりも、旅行会社が提供する団体向けのプランやパッケージツアーを利用する方が、結果的に費用を安く抑えられるケースが多くあります。

その理由は、旅行会社が航空会社や宿泊施設、バス会社などと大口契約を結んでおり、個人では利用できない「団体割引料金」で仕入れているためです。これにより、交通と宿泊がセットになったお得なプランを造成できるのです。

旅行会社を利用するメリットは、費用面だけではありません。

  • 幹事の負担軽減: プランの提案から、各種予約・手配、参加者への連絡、当日の添乗、精算まで、旅行に関する煩雑な業務をすべて任せることができます。幹事は本来の企画内容の検討に集中できます。
  • プロの提案力: 社員旅行の目的や予算、参加者の属性を伝えれば、プロの視点から最適な行き先や企画を提案してくれます。自社だけでは思いつかなかったようなユニークなプランや、人気のチームビルディングアクティビティなどを紹介してもらえることもあります。
  • リスク管理: 万が一の事故やトラブルが発生した際も、旅行会社が窓口となって迅速に対応してくれます。

費用を比較検討するためには、複数の旅行会社に同じ条件で見積もりを依頼する「相見積もり」が不可欠です。各社のプラン内容、サポート体制、そして費用を比較し、自社に最も合った旅行会社を選ぶことが、コストパフォーマンスの高い社員旅行を実現する鍵となります。

社員旅行におすすめの企画アイデア15選

社員旅行の成否は、企画内容にかかっていると言っても過言ではありません。参加者の年齢層や興味、そして旅行の目的に合わせて、全員が楽しめるような魅力的な企画を用意することが重要です。ここでは、最近のトレンドを取り入れた、おすすめの企画アイデアを15種類、目的やメリットとともにご紹介します。

① チームビルディング研修・ワークショップ

目的: チームワーク強化、コミュニケーション活性化
概要: チームで課題解決に取り組むビジネスゲームや、相互理解を深めるワークショップなどを、旅行先のホテルや研修施設で実施します。非日常の空間で行うことで、普段以上にオープンな議論や協力が生まれやすくなります。企業の価値観やビジョンを共有する「ビジョン共有ワークショップ」なども人気です。
メリット: 楽しみながら組織課題の解決に直結する効果が期待できます。旅行の目的が明確なため、参加者の納得感も得やすいでしょう。

② アウトドア体験(BBQ・キャンプ・ラフティングなど)

目的: コミュニケーション活性化、リフレッシュ、チームワーク強化
概要: 大自然の中で行うBBQやキャンプ、川でのラフティング、カヌー体験などです。共同でテントを設営したり、火をおこして料理をしたりする作業は、自然な協力関係を生み出します。
メリット: 役職や年齢に関係なく、全員がフラットな立場で楽しめるのが魅力です。体を動かすことで心身ともにリフレッシュでき、開放的な雰囲気の中で会話が弾みます。

③ ご当地グルメ作り・料理体験

目的: コミュニケーション活性化、地域文化の理解
概要: 旅行先の郷土料理や名物(例:ほうとう作り、そば打ち、握り寿司体験など)を、グループに分かれて一緒に作る体験です。作った料理は、その場でみんなで味わいます。
メリット: 共同作業を通じて自然なコミュニケーションが生まれます。食という万人に共通するテーマなので、誰もが参加しやすいのが特徴です。料理の得意・不得意も笑い話になり、和やかな雰囲気を作れます。

④ ものづくり体験(陶芸・ガラス細工など)

目的: リフレッシュ、創造性の刺激、記念品の作成
概要: 陶芸、ガラス細工、アクセサリー作り、藍染めなど、その土地ならではの伝統工芸に挑戦します。集中して作業に取り組む時間は、良い気分転換になります。
メリット: 世界に一つだけのオリジナル作品が旅の記念品として手元に残るのが最大の魅力です。完成した作品を後日オフィスで見るたびに、楽しかった旅行の思い出が蘇ります。

⑤ スポーツ大会(運動会・ゴルフコンペなど)

目的: チームワーク強化、健康増進、一体感の醸成
概要: 体育館やグラウンドを借り切って、チーム対抗の運動会や球技大会を実施します。ゴルフ好きの社員が多い場合は、ゴルフコンペも定番の人気企画です。
メリット: 共通の目標に向かって汗を流すことで、部署を越えた強固な一体感が生まれます。応援にも熱が入り、組織全体で盛り上がることができます。

⑥ 謎解き・脱出ゲーム

目的: チームワーク強化、論理的思考力の向上
概要: チームで協力して、制限時間内に施設内に隠された謎を解き明かし、脱出を目指す体験型ゲームです。旅行先のホテルや観光地を舞台にしたオリジナル版を企画することも可能です。
メリット: メンバーそれぞれの得意分野(ひらめき、情報整理、リーダーシップなど)を発見する機会になります。ゲーム感覚で楽しみながら、自然とチームビルディングができます。

⑦ 有名テーマパーク・観光地巡り

目的: リフレッシュ、エンターテイメント
概要: ディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンといった有名テーマパークを訪れたり、人気の観光地を巡ったりする、エンターテイメント性の高い企画です。
メリット: 純粋に「楽しい」時間を共有することで、日頃の疲れを癒し、良い思い出を作ることができます。自由時間を多めに設定し、グループ行動を基本とすると満足度が高まります。

⑧ グランピング

目的: リフレッシュ、コミュニケーション活性化
概要: 「グラマラス(魅力的)」と「キャンピング」を掛け合わせた造語で、テント設営や食事の準備が不要な、手ぶらで楽しめる豪華なキャンプです。快適な施設で、自然を満喫できます。
メリット: アウトドアの魅力とホテルの快適さを両立できるため、キャンプ初心者や女性、体力に自信のない人でも気軽に参加できます。おしゃれな空間で、リラックスした交流が期待できます。

⑨ ボランティア・社会貢献活動

目的: 社会貢献(CSR)、理念浸透、チームワーク強化
概要: 地域の清掃活動(ビーチクリーンなど)、植林活動、農作業の手伝い、被災地支援など、社会貢献に繋がる活動を行います。
メリット: 企業の社会的責任を果たし、ブランドイメージの向上に繋がります。共通の目的を持った活動は、社員の連帯感を強め、自社への誇りを育むきっかけにもなります。

⑩ 工場見学・社会科見学

目的: 企業理解、学びの機会提供
概要: 自社の工場や関連会社の施設、あるいは他業種の有名企業の工場(ビール工場、自動車工場など)や最新技術を学べる施設を見学します。
メリット: 自社製品への理解を深めたり、他社の優れた取り組みから新たな気づきを得たりと、知的好奇心を満たす学びの多い企画です。ビジネスのヒントが見つかるかもしれません。

⑪ リゾートホテルで過ごす癒しの旅

目的: リフレッシュ、慰安、モチベーション向上
概要: スパやエステ、プールなどが充実したリゾートホテルで、日頃の疲れを癒すことを目的としたプランです。アクティビティは詰め込まず、自由時間を中心にゆったりと過ごします。
メリット: 従業員への「ご褒美」としての意味合いが強い企画です。質の高いサービスと空間で心身ともにリラックスすることで、エンゲージメント向上に繋がります。

⑫ 豪華客船クルーズ

目的: 非日常体験、慰安、インセンティブ
概要: 豪華客船に乗って、船内での食事やエンターテイメント、寄港地での観光を楽しむ、非日常感あふれる旅行です。移動そのものがエンターテイメントになります。
メリット: 移動や宿泊、食事の手間が一切かからず、非常に快適に過ごせます。特別感のある体験は、インセンティブ(報奨)旅行として高い効果を発揮します。

⑬ 温泉旅行

目的: リフレッシュ、コミュニケーション活性化
概要: 日本全国の有名温泉地を訪れ、温泉と美味しい会席料理を楽しむ、社員旅行の王道とも言える企画です。
メリット: 世代を問わず誰からも好まれやすく、企画として外れがありません。浴衣でリラックスした雰囲気の中、普段はできないような深い話ができることもあります。

⑭ 歴史・文化を学ぶ旅(城巡り・史跡巡りなど)

目的: 教養を深める、知的好奇心の刺激
概要: 京都や奈良、あるいは各地の城下町などを訪れ、歴史的な建造物や史跡を専門ガイドの解説付きで巡る、知的な企画です。
メリット: 歴史好きの社員にはたまらない企画です。企業の理念や行動指針を、歴史上の人物や出来事になぞらえて学ぶといった、研修要素を組み込むことも可能です。

⑮ グルメツアー(食べ歩き・名店巡りなど)

目的: リフレッシュ、コミュニケーション活性化
概要: 食をテーマに、その土地ならではの名物料理の食べ歩きや、予約の取れない有名店での食事会などをメインに据えた企画です。
メリット: 「美味しいものを食べる」という共通の楽しみは、会話を弾ませ、一体感を生み出します。食の好みが分かれる場合は、複数の選択肢を用意するなどの配慮が必要です。

社員旅行で人気の行き先

北海道、沖縄、京都・大阪、東京近郊(箱根・伊豆)、台湾、グアム・ハワイ、韓国

行き先選びは、社員旅行の満足度を大きく左右する重要な要素です。参加者の希望や旅行の目的、予算、日程に合わせて、最適な場所を選びましょう。ここでは、国内・海外それぞれで、社員旅行の行き先として常に人気上位にランクインするエリアをご紹介します。

国内の人気エリア

アクセスの良さ、言語や食事の安心感から、国内旅行は社員旅行の定番です。四季折々の魅力があり、多様なニーズに応えられるのが強みです。

北海道

広大な大地と豊かな自然、そして新鮮な海の幸や山の幸が魅力の北海道。食をメインにしたグルメツアー、大自然を満喫するアクティビティ、冬のスキー・スノーボードなど、目的や季節に応じて多彩なプランが組めます。札幌、函館、富良野、ニセコなど、エリアごとに異なる魅力があるため、リピーターでも楽しめます。

  • おすすめの企画: ジンギスカン・海鮮丼などのグルメ巡り、ラフティング、スキー、旭山動物園見学

沖縄

美しいエメラルドグリーンの海と温暖な気候が魅力の沖縄は、リフレッシュや癒しを目的とした旅行に最適です。マリンスポーツはもちろん、琉球王朝の歴史に触れる文化体験も豊富です。リゾートホテルでのんびり過ごすプランは、日頃の疲れを癒すご褒美旅行として人気があります。

  • おすすめの企画: マリンアクティビティ(シュノーケリング、ダイビング)、首里城公園散策、美ら海水族館見学、リゾートホテルでの滞在

京都・大阪

歴史と文化が息づく古都・京都と、食とエンターテイメントの街・大阪。この2都市を組み合わせた周遊プランは非常に人気があります。歴史や文化を学ぶ知的な旅と、賑やかな街でグルメや笑いを楽しむ旅を両立できます。新幹線でのアクセスも良く、幅広い年齢層が楽しめるのが魅力です。

  • おすすめの企画: 京都での寺社仏閣巡り・着物レンタル、大阪での食べ歩き・お笑い鑑賞

東京近郊(箱根・伊豆)

首都圏からのアクセスが抜群で、手軽に温泉旅行を楽しめるのが箱根・伊豆エリアです。豊かな自然に囲まれながら、温泉でリフレッシュできます。美術館や彫刻の森など、アートに触れるスポットも多く、文化的な要素を取り入れたい場合にも適しています。日帰りや1泊2日といった短い日程でも十分に満喫できます。

  • おすすめの企画: 温泉旅館での宴会、彫刻の森美術館見学、ロープウェイでの絶景鑑賞

海外の人気エリア

非日常感をより強く味わえる海外旅行は、インセンティブ旅行や節目の記念旅行などで特に人気があります。比較的近距離で、治安が良く、食事も楽しめるエリアが選ばれる傾向にあります。

台湾

日本から飛行機で3~4時間とアクセスが良く、親日的で治安も良いため、初めての海外社員旅行でも安心です。小籠包やマンゴーかき氷といった絶品グルメ、ノスタルジックな雰囲気の九份散策、活気あふれる夜市など、見どころが満載です。比較的物価が安く、コストを抑えやすいのも魅力です。

  • おすすめの企画: 九份観光、小籠包作り体験、夜市での食べ歩き、足つぼマッサージ体験

グアム・ハワイ

美しいビーチと青い空が広がるグアムやハワイは、海外リゾートの定番です。マリンスポーツやショッピング、ゴルフなど、多彩なアクティビティが楽しめます。日本語が通じやすい場所も多く、海外旅行に不慣れな人でも安心して過ごせます。開放的な雰囲気は、心身のリフレッシュに最適です。

  • おすすめの企画: ビーチでのBBQ、イルカウォッチング、ショッピング、ゴルフ

韓国

台湾と同様、日本から非常に近く、週末を利用した2泊3日程度の短い日程でも楽しめるのが魅力です。焼肉やサムギョプサルといったグルメ、コスメやファッションのショッピング、エステや汗蒸幕(ハンジュンマク)といった美容体験など、特に女性社員からの人気が高い行き先です。

  • おすすめの企画: グルメ巡り(焼肉、タッカンマリなど)、明洞(ミョンドン)でのショッピング、エステ体験

参加率が上がる!社員旅行を成功させる5つのポイント

旅行の目的を明確にし、事前に共有する、アンケートを実施して参加者の希望を反映させる、参加者の年齢層や属性に配慮したプランを立てる、自由時間を十分に確保する、強制参加の雰囲気を作らない

「社員旅行に行きたくない」と感じる人を一人でも減らし、参加者全員に「参加してよかった」と思ってもらうためには、企画段階からの細やかな配慮が不可欠です。ここでは、社員旅行の参加率と満足度を格段に上げるための5つの重要なポイントを解説します。

旅行の目的を明確にし、事前に共有する

なぜ、会社は時間と費用をかけて社員旅行を実施するのか。その目的を明確にし、企画の早い段階から全従業員に丁寧に共有することが、成功への第一歩です。目的が曖昧なまま「恒例行事だから」という理由だけで進めてしまうと、従業員は「会社都合のイベントに付き合わされている」と感じてしまいます。

例えば、「部署間の壁を取り払い、全社的なコミュニケーションを活性化させるため」「新しい中期経営計画のビジョンを、リラックスした雰囲気の中で共有するため」といった具体的な目的を伝えましょう。目的が明確であれば、従業員も旅行の意義を理解し、前向きな気持ちで参加しやすくなります。また、目的がはっきりしていれば、企画内容もブレなくなり、より効果的なプランを立てることができます。

アンケートを実施して参加者の希望を反映させる

企画担当者だけでプランを決めてしまうのは禁物です。必ず事前にアンケートを実施し、従業員の「行きたい場所」や「やりたいこと」に関する希望をヒアリングしましょう。アンケートは、参加率を上げるための最も効果的な手段の一つです。

アンケートでは、以下のような項目を聞くと良いでしょう。

  • 行き先の希望(国内/海外、具体的なエリアなど複数選択可)
  • 興味のある企画内容(温泉、グルメ、アクティビティ、文化体験など)
  • 希望する日程(候補日を複数提示)
  • 予算の許容範囲(自己負担が発生する場合)
  • その他、自由意見

集まった意見を可能な限りプランに反映させることで、「自分たちの意見が尊重されている」「会社が参加者のことを考えてくれている」という意識が芽生え、当事者意識を持って旅行に参加してくれるようになります。すべての希望を叶えるのは難しくても、複数の選択制プランを用意するなどの工夫で、より多くの人の満足度を高めることができます。

参加者の年齢層や属性に配慮したプランを立てる

従業員の構成は、年齢、性別、役職、家族構成など様々です。全員が楽しめる旅行にするためには、参加者の多様なバックグラウンドに配慮したプランニングが求められます。

例えば、若手社員が多い会社であれば、体を動かすアクティブな企画が喜ばれるかもしれません。一方、ベテラン社員が多い場合は、ゆったりと温泉や食事を楽しむ落ち着いたプランの方が好まれるでしょう。小さな子供がいる社員が参加しやすいように、託児サービスのあるホテルを選んだり、家族同伴可能なプログラムを用意したりするのも良い配慮です。

特定の層だけが楽しいと感じるような偏った企画は避け、様々な人が楽しめる選択肢を用意することが大切です。例えば、「日中はアクティブな体験コースと文化散策コースに分かれ、夕食は全員で一堂に会する」といった形にすれば、個人の嗜好と全体の一体感を両立できます。

自由時間を十分に確保する

「行きたくない理由」の上位に常に挙がるのが、「団体行動が苦手」「常に気を使うのが疲れる」という点です。この不満を解消するために、スケジュールに詰め込みすぎず、自由時間を十分に確保することが極めて重要です。

朝から晩まで団体行動を強いられると、どんなに楽しい企画でも疲れてしまいます。午前中は全体でアクティビティを行い、午後は完全に自由行動にする、といったメリハリのあるスケジュールを組みましょう。自由時間があれば、気の合う仲間と好きな場所へ行ったり、一人でゆっくり部屋で休んだり、お土産を探しに行ったりと、各自が思い思いの過ごし方ができます。この「解放される時間」があることで、団体行動の時間もより一層楽しめるようになります。

強制参加の雰囲気を作らない

最も大切なのが、「参加は任意である」という姿勢を明確に打ち出し、強制的な雰囲気を作らないことです。「全員参加」というプレッシャーは、社員旅行に対するネガティブなイメージの最大の原因です。

案内をする際には、「参加は任意です」「ご都合のつく方はぜひご参加ください」といった文言を必ず入れましょう。また、上司が部下に参加を強要したり、不参加者に対してネガティブな発言をしたりすることがないよう、管理職への事前のアナウンスも重要です。

逆説的ですが、「いつでも断れる」という安心感が、かえって「それなら参加してみようかな」という気持ちを引き出すことがあります。従業員一人ひとりの意思を尊重する姿勢を見せることが、結果的に良好な関係を築き、イベントへのポジティブな参加を促すのです。

幹事必見!準備から精算までの8ステップ

社員旅行の成功は、幹事の計画的で丁寧な準備にかかっています。やることが多くて大変なイメージがありますが、ステップごとにやるべきことを整理すれば、スムーズに進めることができます。ここでは、企画の立ち上げから旅行後の精算まで、具体的な8つのステップを時系列で解説します。

① 目的・予算・日程を決める

まず、旅行の土台となる基本方針を固めます。経営層や人事部と連携し、「何のために社員旅行を行うのか(目的)」を明確にしましょう。目的が「コミュニケーション活性化」なのか「インセンティブ」なのかで、企画内容は大きく変わります。次に、会社が負担する予算の上限と、1人あたりの予算額を決定します。この時、福利厚生費として処理するための条件も考慮しておきましょう。最後に、業務への影響が少ない時期を中心に、候補となる日程を複数リストアップします。

② 参加者の希望アンケートを実施する

基本方針が固まったら、全従業員を対象にアンケートを実施します。前の章で解説した通り、行き先、内容、日程などの希望をヒアリングします。このアンケートが、参加率と満足度を左右する重要なプロセスです。Webアンケートツールなどを使えば、集計も簡単に行えます。

③ 旅行会社へ相談・見積もりを依頼する

アンケート結果を基に、旅行の具体的な要件(方面、日程、人数、予算、希望するアクティビティなど)をまとめ、複数の旅行会社に相談し、見積もりを依頼します。必ず3社程度の旅行会社から相見積もりを取るようにしましょう。提案内容、料金、担当者の対応などを比較検討し、最も信頼できるパートナーを選びます。団体旅行専門の部署がある旅行会社は、ノウハウが豊富でおすすめです。

④ 旅行プランの詳細を決定する

契約する旅行会社が決まったら、担当者と打ち合わせを重ね、具体的な旅行プランを詰めていきます。交通手段、宿泊施設、食事場所、アクティビティの内容、タイムスケジュールなど、細部まで決定します。この際も、アンケートで寄せられた意見をできるだけ反映させ、自由時間を確保するなど、参加者への配慮を忘れないようにしましょう。最終的なプランと見積もりが確定したら、社内での承認(稟議)を得ます。

⑤ 社内へ正式に案内し、参加者を募集する

決定した旅行プランを、社内メールや掲示板などで全従業員に正式に案内します。案内状には、旅行の目的、日程、場所、主な内容、費用(自己負担の有無)、申込方法、締切日などを明記します。旅行の魅力が伝わるような写真やキャッチコピーを入れると、参加意欲を高める効果があります。参加は任意であることも、改めて伝えましょう。

⑥ 持ち物やスケジュールを最終連絡する

申込が締め切られ、参加者が確定したら、旅行の1~2週間前を目安に最終案内を送ります。詳細な行程表、集合時間・場所、持ち物リスト、緊急連絡先、服装のアドバイスなどをまとめます。特に、天候によって服装が変わる場合や、特定のアクティビティで必要なものがある場合は、分かりやすく伝えましょう。参加者からの質問に備えて、Q&Aをまとめておくのも親切です。

⑦ 旅行当日の運営・進行管理を行う

いよいよ旅行当日です。幹事は参加者のお手本となるよう、時間厳守で行動しましょう。集合場所での受付や点呼、バス内での挨拶やレクリエーションの進行、各所での支払いや案内など、旅行会社や添乗員と連携しながら、スケジュールがスムーズに進むように管理します。参加者全員が楽しめているか気を配り、体調不良者が出た場合など、不測の事態にも対応できるように準備しておきましょう。何よりも、幹事自身が楽しむことが、良い雰囲気を作るコツです。

⑧ 旅行後に精算と報告書作成を行う

旅行が無事に終了したら、最後の仕事が待っています。まずは、旅行中に立て替えた費用や、旅行会社への最終的な支払いを済ませ、精算業務を行います。領収書はすべて保管し、正確な会計処理を行いましょう。その後、旅行の成果をまとめた報告書を作成し、会社に提出します。報告書には、最終的な参加率、決算報告、旅行中の写真、そして参加者からの感想アンケートの結果などを盛り込むと、次回の企画にも繋がる有益な資料となります。

社員旅行の相談におすすめの旅行会社3選

社員旅行を成功させるためには、信頼できる旅行会社のサポートが不可欠です。ここでは、団体旅行や法人向けサービスに定評があり、豊富な実績を持つ大手旅行会社を3社ご紹介します。各社の特徴を比較し、自社のニーズに合った会社を選びましょう。

(本セクションの情報は、各社の公式サイトに掲載されている法人向けサービスの情報を基に作成しています。)

① JTB

特徴:
JTBは、業界最大手の旅行会社であり、その圧倒的なネットワークと実績が強みです。法人向けサービス部門では、単なる旅行手配に留まらず、企業の課題解決に繋がるソリューションを提供しています。MICE(会議、研修、国際会議、展示会など)やインセンティブ旅行、周年事業といった専門性の高いイベントにも豊富なノウハウを持っています。

おすすめのポイント:

  • 全国各地に拠点があり、地域に密着したきめ細やかなサポートが受けられる。
  • 企業の目的や課題をヒアリングした上で、最適な企画を提案してくれるコンサルティング力。
  • 大規模な社員旅行や、複雑な要件が絡む旅行でも安心して任せられる対応力。

信頼性と総合力を重視し、質の高いコンサルティング提案を求める企業におすすめです。
参照:株式会社JTB 公式サイト

② 日本旅行

特徴:
日本で最も歴史のある旅行会社として知られる日本旅行は、長年にわたって培われた団体旅行のノウハウに定評があります。特に、官公庁や教育機関(修学旅行など)との取引が多く、堅実で丁寧な対応が魅力です。JRグループとの連携も強く、新幹線を利用したプランなどに強みを持っています。

おすすめのポイント:

  • 経験豊富な担当者が、幹事の要望を丁寧にヒアリングし、手堅いプランを造成してくれる。
  • 全国の「赤い風船」提携宿泊施設など、独自のネットワークを活かした提案が可能。
  • コンプライアンスを重視する企業や、安心・安全を第一に考える場合に適している。

実績と安心感を重視し、幹事の負担を軽減しながら、堅実な旅行を実現したい企業におすすめです。
参照:株式会社日本旅行 公式サイト

③ HIS

特徴:
エイチ・アイ・エス(HIS)は、海外旅行に強いイメージがありますが、国内の団体旅行にも力を入れています。「団体旅行 specialist」という専門部署を設け、企業のニーズに応じた多彩なプランを提案しています。オンラインでの相談や見積もり依頼など、デジタルツールを積極的に活用しているのも特徴です。

おすすめのポイント:

  • コストパフォーマンスに優れたプランや、他社にはないユニークな企画の提案が期待できる。
  • オンラインでの打ち合わせなど、スピーディーで柔軟な対応が可能。
  • 若手社員が多い企業や、オリジナリティのある斬新な企画を求める場合にマッチしやすい。

コストパフォーマンスや企画のユニークさを重視し、新しい形の社員旅行を模索している企業におすすめです。
参照:株式会社エイチ・アイ・エス(HIS) 公式サイト

旅行会社 特徴 強み
JTB 業界最大手で全国に拠点。豊富な実績と幅広い提案力。MICEにも強い。 信頼性、大規模案件への対応力、企画の多様性
日本旅行 日本初の旅行会社としての歴史。教育旅行やJRセットプランに強み。 団体旅行のノウハウ、国内交通網との連携、丁寧なサポート
HIS 海外旅行に強いが、国内団体旅行も強化。オンライン対応が充実。 コストパフォーマンス、ユニークな企画、オンライン完結の手軽さ

まとめ

社員旅行は、単なる慰安旅行から、企業の課題を解決し、組織の成長を促進するための戦略的なイベントへと進化しています。その成功の鍵は、「何のために旅行に行くのか」という目的を明確にし、その目的達成のために最適な企画を立て、そして何よりも参加者である従業員一人ひとりの視点に立った丁寧な配慮を行うことに尽きます。

この記事では、社員旅行の最新トレンドから、メリット・デメリット、費用相場、経費化の条件、参加率を上げるためのポイント、具体的な企画アイデア、そして幹事の実務まで、幅広く解説してきました。

現代の社員旅行は、画一的な団体行動を強いるものではなく、多様な価値観を尊重し、選択の自由があるべきです。アンケートで希望を募り、自由時間を十分に確保し、強制しない雰囲気を作ること。こうした小さな配慮の積み重ねが、従業員の「行きたくない」という気持ちを「参加してみたい」へと変える原動力となります。

幹事を任された方は、準備から運営まで大変なことも多いかと思いますが、この記事で紹介したポイントやステップを参考に、ぜひ企画プロセスそのものを楽しんでみてください。あなたの努力が、同僚たちの最高の笑顔と、会社の未来を創る強固な一体感に繋がるはずです。参加者全員にとって忘れられない、素晴らしい社員旅行が実現できることを心から願っています。