出張や単身赴任、引っ越しの間の仮住まい、あるいは新しい働き方として注目されるワーケーションなど、数週間から数ヶ月単位で特定の場所に滞在するニーズは年々高まっています。そんな時、有力な選択肢となるのが「長期滞在ホテル」です。

賃貸契約のような手間や初期費用は不要で、家具や家電、インターネット環境も完備。ホテルの快適なサービスを受けながら、まるで自分の部屋のように暮らせるのが大きな魅力です。しかし、一言で長期滞在ホテルといっても、その種類や料金、サービスは多岐にわたります。

「マンスリーマンションと何が違うの？」
「費用はどれくらいかかる？」
「自分に合ったホテルはどうやって選べばいい？」

この記事では、そんな疑問を解消するために、長期滞在ホテルの基礎知識から、料金相場、メリット・デメリット、そして失敗しない選び方までを網羅的に解説します。さらに、エリア別のおすすめホテルや、長期滞在に強いホテルチェーンもご紹介。この記事を読めば、あなたの目的やライフスタイルに最適な「アパートのように暮らせる宿」がきっと見つかるはずです。

長期滞在ホテルとは？

長期滞在ホテルとは、その名の通り、数週間から数ヶ月といった長期間の滞在を主眼に置いた宿泊施設や宿泊プランの総称です。一般的な観光旅行で利用される1泊2日の滞在とは異なり、「暮らす」ことを前提とした設備やサービスが提供される点が大きな特徴です。この長期滞在ホテルは、大きく分けて「長期滞在プランがあるホテル」と「キッチン付きのサービスアパートメント」の2つのタイプに分類できます。それぞれの特徴を理解することで、ご自身のニーズに合った滞在スタイルを見つける第一歩となります。

長期滞在プランがあるホテル

これは、私たちが普段からよく目にするビジネスホテルやシティホテルが、長期滞在者向けに特別な割引プランを提供しているケースです。具体的には、「ウィークリープラン（7泊以上）」や「マンスリープラン（30泊以上）」といった名称で提供されることが多く、通常の1泊あたりの料金よりも大幅に割安な価格設定になっています。

例えば、1泊10,000円のホテルがあったとします。普通に30泊すれば300,000円かかりますが、マンスリープランを利用すると210,000円（1泊あたり7,000円）になる、といった具合です。滞在期間が長ければ長いほど、1泊あたりの単価が下がる料金体系が一般的です。

このタイプの最大のメリットは、ホテルならではの充実したサービスをそのまま受けられる点です。毎日のルームクリーニング（プランによっては週に数回の場合もあります）、タオルの交換、アメニティの補充といったサービスが含まれているため、身の回りのことを気にせず、仕事やプライベートな時間に集中できます。また、24時間対応のフロントデスクがあれば、困った時の相談や、不在時の宅配便の一時預かりなど、きめ細やかなサポートが期待でき、セキュリティ面でも安心感が高いと言えるでしょう。

一方で、注意点もあります。多くのビジネスホテルでは、客室にキッチン設備がありません。そのため、自炊を基本とした生活を送りたい方には不向きな場合があります。外食や中食（コンビニやスーパーの惣菜など）が中心の食生活になることを想定しておく必要があります。ただし、最近では共用の電子レンジや、一部客室にミニキッチンを備えるホテルも増えてきていますので、予約前の確認が重要です。

キッチン付きのサービスアパートメント

サービスアパートメントは、ホテルのような質の高いサービスと、アパートのようなプライベートな居住空間を融合させた宿泊施設です。「アパートメントホテル」とも呼ばれ、長期滞在をより快適に過ごすための設備が充実しているのが特徴です。

最大の違いは、客室内に本格的なキッチンが完備されている点です。冷蔵庫や電子レンジはもちろん、コンロ、調理器具、食器類まで一式揃っているため、まるで自宅のように料理を楽しめます。これにより、食費を節約できるだけでなく、栄養バランスの取れた健康的な食生活を送ることが可能です。外食が続きがちな長期出張などでは、非常に大きなメリットとなるでしょう。

また、客室の広さも一般的なビジネスホテルよりゆったりとした設計になっていることが多く、リビングスペースとベッドルームが分かれているタイプもあります。さらに、客室内に洗濯乾燥機が設置されている施設も少なくありません。好きな時間に洗濯ができるため、共用ランドリーの空きを待ったり、下着類を他人に見られたりする心配もありません。

こうした充実した設備から、サービスアパートメントは元々、海外からの駐在員やその家族の利用が中心でした。しかし近年では、国内のビジネスパーソンの長期出張、企業の研修施設、あるいはリフォーム中の仮住まい、ワーケーションの拠点として、幅広い層から支持を集めています。ホテルの利便性とアパートの自由度、その両方を享受したいと考える人にとって、サービスアパートメントは最適な選択肢と言えるでしょう。

比較項目	長期滞在プランがあるホテル	キッチン付きのサービスアパートメント
主な施設タイプ	ビジネスホテル、シティホテル	アパートメントホテル
キッチン設備	無しか、簡易的なものがほとんど	本格的なキッチンを完備
洗濯設備	共用ランドリーが多い	客室内に洗濯乾燥機がある場合が多い
客室の広さ	コンパクトな設計が多い	比較的広く、リビングスペースがあることも
主なサービス	毎日の清掃、リネン交換、フロントサービス	定期的な清掃、フロントサービス
おすすめの滞在	外食中心で、ホテルの手厚いサービスを重視する短期〜中期の滞在	自炊中心で、プライベートな居住空間を重視する中期〜長期の滞在
主な利用者	ビジネスパーソン、観光客	ビジネスパーソン、ファミリー、ワーケーション利用者

長期滞在ホテルの料金相場

長期滞在ホテルを選ぶ上で、最も気になるのが料金でしょう。費用は滞在するエリア、ホテルのグレード、滞在期間、そして予約する時期によって大きく変動します。ここでは、あくまで一般的な目安として「1週間」と「1ヶ月」の料金相場をご紹介します。料金には水道光熱費やインターネット通信費が含まれていることがほとんどですが、予約時には必ず内訳を確認しましょう。

1週間の料金相場

1週間（7泊）の滞在は、短期出張や少し長めの旅行、あるいは次の住まいが見つかるまでの「つなぎ」として利用されることが多い期間です。この期間であれば、キッチンなしのビジネスホテルでも比較的快適に過ごせるでしょう。

エリア	ビジネスホテル（キッチンなし）	サービスアパートメント（キッチン付き）
東京23区	45,000円～90,000円	70,000円～180,000円
大阪・名古屋・福岡など	40,000円～80,000円	60,000円～150,000円
地方主要都市	35,000円～70,000円	50,000円～120,000円

※上記はあくまで目安です。時期や予約状況により変動します。

ご覧の通り、東京23区内は他の都市に比べて高くなる傾向にあります。特に都心部（新宿、渋谷、東京駅周辺など）は高価格帯になりますが、少し離れたエリア（上野、浅草、蒲田など）では比較的リーズナブルなホテルを見つけやすくなります。

ビジネスホテルの場合、1泊あたり6,000円～12,000円程度が相場となり、ウィークリープランを利用することで、ここから10%～20%程度の割引が適用されるイメージです。一方、キッチンや洗濯機を備えたサービスアパートメントは設備が充実している分、料金も高めに設定されています。しかし、自炊によって食費を抑えられることを考慮すると、トータルの滞在費では大きな差が出ない可能性もあります。

1ヶ月の料金相場

1ヶ月（30泊）の滞在となると、マンスリープランが適用され、1泊あたりの料金はさらに割安になります。単身赴任や長期の研修、リフォーム中の仮住まいといったニーズで利用されることが多いです。この期間になると、自炊ができるかどうかは生活の質とコストに大きく影響するため、サービスアパートメントの需要が高まります。

エリア	ビジネスホテル（キッチンなし）	サービスアパートメント（キッチン付き）
東京23区	150,000円～300,000円	250,000円～600,000円
大阪・名古屋・福岡など	130,000円～250,000円	200,000円～450,000円
地方主要都市	120,000円～220,000円	180,000円～400,000円

※上記はあくまで目安です。時期や予約状況により変動します。

1ヶ月単位で見ると、マンスリープランの割引率の高さが際立ちます。通常の1泊料金で30泊した場合と比較して、30%～50%近く安くなるケースも珍しくありません。例えば、東京23区内のビジネスホテルで月額180,000円の場合、1泊あたりは6,000円となり、非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。

サービスアパートメントは高価に見えますが、例えば月額30万円の物件でも、敷金・礼金・仲介手数料といった賃貸物件の初期費用（家賃の4～6ヶ月分が目安）が不要であることを考えれば、半年未満の滞在であれば賃貸よりもトータルコストを抑えられる可能性があります。

料金を比較検討する際は、単純な宿泊費だけでなく、以下の点も考慮に入れることが重要です。

• 食費: 自炊が可能か、朝食は無料か。
• 交通費: 職場の近くか、駅からの距離はどれくらいか。
• その他: 清掃サービスの頻度、ジムやラウンジなどの共用施設の有無。

これらの要素を総合的に判断し、ご自身のライフスタイルと予算に最も合った選択をすることが、満足のいく長期滞在の鍵となります。

長期滞在ホテルとマンスリーマンションの違い

長期滞在の住まいを探す際、必ず比較対象となるのが「マンスリーマンション」です。どちらも家具・家電付きで短期間から利用できる点は共通していますが、その性質は大きく異なります。費用、契約、設備、サービスの4つの観点から、両者の違いを詳しく見ていきましょう。この違いを理解することで、どちらが自分の目的に合っているかを明確に判断できるようになります。

費用の違い

費用は、滞在先を決める上で最も重要な要素の一つです。初期費用と月々の費用に分けて比較します。

• 長期滞在ホテル:
  • 初期費用: 原則として敷金・礼金・仲介手数料は一切かかりません。宿泊費は前払いが基本ですが、賃貸のようなまとまった初期投資は不要です。これが最大のメリットと言えるでしょう。
  • 月額費用: 水道光熱費、インターネット通信費、NHK受信料などが全て宿泊費に含まれている「オールインクルーシブ」が基本です。料金はマンスリーマンションに比べてやや割高になる傾向がありますが、追加費用を心配する必要がなく、支出管理が非常にシンプルです。
• マンスリーマンション:
  • 初期費用: 敷金・礼金は不要な場合が多いですが、契約事務手数料、鍵交換代、退去時の清掃費などを最初に請求されることが一般的です。物件によっては保証金の預け入れが必要なケースもあります。
  • 月額費用: 賃料そのものは同程度の立地のホテルより安価な傾向にあります。しかし、水道光熱費は賃料に含まれておらず、実費請求か、あるいは「月額10,000円まで」のように上限が設けられ、超過分は別途請求される形式が主流です。インターネットも基本料金は含まれていても、高速回線はオプション料金が必要な場合があります。

結論として、数週間～3ヶ月程度の短期滞在であれば、初期費用がかからず明朗会計なホテルの方が、トータルコストで有利になるケースが多く見られます。

契約手続きの違い

入居までの手続きの手間も、両者で大きく異なります。

• 長期滞在ホテル:
  • 手続きは非常にシンプルです。通常のホテル予約と同様に、予約サイトや公式サイト、電話で予約するだけで完了します。契約書への署名や捺印、入居審査といった煩雑な手続きは基本的にありません。チェックイン時に身分証明書の提示を求められる程度で、思い立ったらすぐにでも入居できる手軽さが魅力です。
• マンスリーマンション:
  • こちらは「短期賃貸借契約」という法的な契約を結ぶ必要があります。そのため、申込書の提出、入居審査、契約書の内容確認と署名・捺印といったステップを踏まなければなりません。法人契約の場合は登記簿謄本、個人契約の場合は身分証明書に加えて収入証明書や連帯保証人が必要になることもあり、ホテルに比べて手続きに時間と手間がかかります。

急な出張や、すぐに仮住まいを見つけたい場合には、契約が簡単なホテルの方が圧倒的に便利です。

設備の違い

室内の設備も、生活の質を左右する重要なポイントです。

• 長期滞在ホテル:
  • ベッド、デスク、テレビ、冷蔵庫、電気ケトル、ドライヤーといった基本的な家具・家電は揃っています。タオルやシャンプー、歯ブラシなどのアメニティ類は定期的に補充されます。ただし、前述の通り、キッチンや洗濯機は客室にないことが多く、共用ランドリーを利用するのが一般的です。
• マンスリーマンション:
  • 「生活」を前提としているため、ホテルよりも充実した生活備品が揃っています。キッチンには調理器具や食器、炊飯器なども用意されており、洗濯機も室内に設置されているのが標準です。ただし、ティッシュペーパーや洗剤、アメニティ類は消耗品と見なされ、初回分のみ提供されるか、入居者自身で用意する必要があります。

自炊をしっかりして生活感を大切にしたいならマンスリーマンション、身の回りのものはホテルに任せて手軽さを重視するなら長期滞在ホテル、という棲み分けができます。

サービス内容の違い

滞在中のサポート体制は、ホテルが圧倒的に充実しています。

• 長期滞在ホテル:
  • フロントサービスが最大の強みです。24時間スタッフが常駐しているホテルが多く、鍵の紛失や設備の不具合といったトラブルに迅速に対応してもらえます。不在時の宅配便の受け取りや発送代行、クリーニングの取り次ぎなども便利です。また、定期的なルームクリーニングやリネン交換も料金に含まれているため、常に清潔な環境で過ごせます。
• マンスリーマンション:
  • 基本的には人的サービスはありません。入居後は完全にプライベートな空間となり、室内の清掃やゴミ出しはすべて自己責任で行います。設備の故障など緊急時の連絡先として管理会社は存在しますが、ホテルのフロントのように24時間いつでも気軽に相談できるわけではありません。

以下の表に、両者の違いをまとめます。

項目	長期滞在ホテル	マンスリーマンション
初期費用	原則不要	契約手数料・清掃費などが必要な場合あり
月額費用	やや割高な傾向（光熱費込み）	比較的安価な傾向（光熱費は別途の場合が多い）
契約手続き	簡単（Webや電話での予約のみ）	賃貸借契約・入居審査が必要
フロントサービス	あり（24時間対応など）	なし
清掃サービス	あり（定期的）	なし（自己責任）
アメニティ	充実・補充あり	限定的（初回のみなど）
食事	外食・中食中心（朝食サービス付きも）	自炊が基本

どちらが良い・悪いというわけではなく、何を優先するかによって最適な選択は変わります。手軽さ、サービス、セキュリティを重視するならホテル、コストとプライベートな生活空間を重視するならマンスリーマンションが適していると言えるでしょう。

ホテルに長期滞在する5つのメリット

賃貸物件やマンスリーマンションと比較した際に、ホテルでの長期滞在が持つ独自のメリットは数多く存在します。ここでは、特に大きな5つのメリットを掘り下げて解説します。これらの利点を理解することで、ホテル暮らしという選択肢が、いかに現代の多様なライフスタイルにマッチしているかが見えてくるでしょう。

① 敷金・礼金などの初期費用がかからない

ホテル長期滞在の最大のメリットは、賃貸契約で必須となる高額な初期費用が一切かからない点です。一般的な賃貸物件を借りる場合、敷金（家賃1〜2ヶ月分）、礼金（家賃1〜2ヶ月分）、仲介手数料（家賃1ヶ月分+税）、前家賃、鍵交換費用、火災保険料など、合計で家賃の4〜6ヶ月分に相当する費用が必要になります。家賃10万円の物件なら、40万円から60万円もの大金が最初に必要になる計算です。

一方、ホテル滞在ではこれらの費用は完全に不要です。必要なのは、基本的に宿泊料金のみ。多くの場合、クレジットカードで予約・決済が可能で、まとまった現金を用意する必要もありません。この「初期費用ゼロ」という手軽さは、以下のような状況で絶大な効果を発揮します。

• 急な転勤や出張で、すぐに住まいを確保する必要がある場合
• 貯金はまだ少ないが、親元から独立して一人暮らしを始めたい若者
• リフォーム期間中など、数ヶ月だけ仮住まいが必要な場合

このように、「住み替え」のハードルを劇的に下げてくれるのが、ホテル長期滞在の金銭面における最大の魅力です。

② 家具・家電がそろっている

ホテルには、生活に必要な基本的な家具・家電が最初からすべて揃っています。ベッド、寝具、デスク、椅子、テレビ、冷蔵庫、エアコン、電気ケトル、ドライヤーなどは、どんなホテルでも標準装備です。サービスアパートメントタイプのホテルであれば、さらにキッチン、電子レンジ、調理器具、食器、洗濯乾燥機まで完備されています。

これにより、家具・家電を新たに購入したり、引っ越しで運び込んだりする手間と費用を完全に削減できます。新生活を始める際の出費は数十万円単位で抑えられ、引っ越し業者を手配する煩わしさもありません。スーツケース一つで、その日から快適な生活をスタートできるのです。

また、これは「持たない暮らし（ミニマリズム）」を志向する人々にとっても理想的な環境です。家具や家電を所有することなく、必要な時に必要な期間だけ利用する。まさに、現代的なシェアリングエコノミーの考え方にも合致した住まい方と言えるでしょう。

③ 水道光熱費やWi-Fi料金が宿泊費に含まれている

賃貸物件での一人暮らしで意外と面倒なのが、公共料金の支払いです。電気、ガス、水道のそれぞれと契約し、毎月バラバラに届く請求書を管理・支払い、退去時には解約手続きをする必要があります。インターネット回線も同様に、自身でプロバイダと契約し、開通工事に立ち会わなければなりません。

ホテル長期滞在では、これらの水道光熱費や高速Wi-Fiの利用料金が、すべて宿泊費に「オールインクルーシブ」で含まれています。月々の支払いは定額の宿泊費のみで、使用量を気にする必要も、面倒な手続きも一切ありません。家計の管理が非常にシンプルになり、「今月は電気代が高かった」といった予期せぬ出費に悩まされることもなくなります。

特に、現代の生活や仕事に不可欠なWi-Fi環境がすぐに利用できる点は、リモートワーカーや出張者にとって計り知れないメリットです。入居したその瞬間から、安定した高速通信環境で仕事に取り組むことができます。

④ 清掃サービスやフロントサービスが受けられる

ホテルならではの高品質なサービスを受けられる点も、大きなメリットです。

• 清掃サービス: プランにもよりますが、定期的（毎日または週に数回）にプロのスタッフが客室を清掃し、ベッドメイキングやゴミの回収、タオルやリネンの交換を行ってくれます。これにより、掃除や洗濯に費やしていた時間を、仕事や趣味、休息といった自分のための時間として有効活用できます。常に清潔で整頓された空間で過ごせることは、精神的な充足感にも繋がります。
• フロントサービス: 24時間対応のフロントは、単なる受付以上の役割を果たします。設備の不具合や近隣の騒音といったトラブルへの迅速な対応、周辺情報の案内、タクシーの手配、クリーニングの取り次ぎ、不在時の宅配便の受け取りなど、生活上のあらゆる「困った」をサポートしてくれる心強い存在です。この安心感は、一人暮らしが初めての方や、慣れない土地で生活する方にとって、何物にも代えがたい価値を持つでしょう。

⑤ セキュリティ面で安心できる

安心して暮らす上で、セキュリティは非常に重要な要素です。その点、ホテルは一般的な賃貸マンションよりも高いレベルのセキュリティ体制を誇ります。

エントランスはオートロックが基本で、不審者の侵入を防ぎます。エレベーターもルームキーがなければ客室階に停止しないシステムを採用しているホテルが増えています。共用部には多数の防犯カメラが設置されており、24時間体制で監視されています。

そして何より、フロントに常にスタッフが常駐しているという人的な防犯体制が大きな安心材料です。何かあればすぐに助けを求められる環境は、特に女性の一人暮らしや、家族と離れて単身赴任する方にとって、非常に心強いものです。犯罪に巻き込まれるリスクを最小限に抑え、日々の生活を穏やかに過ごすことができます。

ホテルに長期滞在する3つのデメリット・注意点

多くのメリットがあるホテル長期滞在ですが、一方で賃貸物件とは異なる注意点やデメリットも存在します。これらを事前に理解しておくことは、後々のトラブルを避け、快適な滞在を実現するために不可欠です。ここでは、特に重要な3つのポイントについて解説します。

① 住民票を移すことができない

ホテルは法的に「居所（きょしょ）」であり、「住所（じゅうしょ）」とは見なされないため、原則として住民票を移すことができません。住民基本台帳法では、生活の本拠となる場所を「住所」と定めており、一時的な滞在先であるホテルはこれに該当しないと解釈されるのが一般的です。

このことが、いくつかの公的な手続きに影響を及ぼす可能性があります。

• 公的書類の送付: 国民健康保険証、年金関連の通知、選挙の投票所入場券、運転免許証の更新ハガキなどは、すべて住民票のある住所に送付されます。
• 行政サービスの利用: 図書館の利用や市区町村が提供する各種福祉サービスなど、その地域に住民登録があることを利用条件とするサービスは受けられません。
• 選挙権の行使: 選挙権の行使は、住民票のある選挙区で行うのが原則です。
• 金融機関や各種契約: 銀行口座の開設やクレジットカードの申し込み、携帯電話の契約など、現住所が確認できる公的証明書（住民票の写しやマイナンバーカードなど）の提示を求められる際に、ホテルの住所では認められない場合があります。

【対処法】
この問題への最も一般的な対処法は、実家や親族の家、あるいは元の住居に住民票を置いたままにすることです。ただし、その場合は郵便物の管理を家族にお願いするなどの連携が必要になります。長期間にわたってホテル暮らしをする場合は、こうした公的手続き上の制約を十分に理解しておく必要があります。

② 郵便物を受け取れない場合がある

住民票の問題とも関連しますが、郵便物の受け取りに関しても注意が必要です。

• 基本的な郵便物: 通常の手紙やハガキ、荷物（宅配便）については、多くのホテルでフロントが代理で受け取り、保管してくれます。これはホテル暮らしの便利な点の一つです。しかし、この対応はホテルの義務ではなく、あくまでサービスの一環です。ホテルの方針によっては、郵便物の受け取りを一切行っていない場合や、保管期間に制限がある場合もあるため、予約前の確認が必須です。
• 重要な郵便物: 最も注意すべきなのは、「転送不要」と記載された郵便物や、本人確認が必要な「本人限定受取郵便」などです。これらは、住民票に記載された住所に住んでいる本人でなければ受け取ることができません。具体的には、クレジットカード、キャッシュカード、金融機関からの重要書類、パスポートなどが該当します。ホテル滞在中にこれらの発行手続きを行うと、受け取れずに返送されてしまうリスクがあります。

【対処法】

• 事前確認: 長期滞在を予約する際には、郵便物の受け取りポリシーについて、必ずホテルに直接問い合わせましょう。
• 私設私書箱の利用: 月額料金はかかりますが、私設の私書箱サービスを契約すれば、そこを郵便物の受け取り拠点にすることができます。
• 実家などへの送付: 信頼できる家族や友人がいれば、重要な書類の送付先を一時的に実家などに指定させてもらうのも一つの方法です。

③ 賃貸よりも費用が割高になる可能性がある

「メリット」の章では初期費用がかからない点を挙げましたが、滞在期間によっては、月々の支払額の合計で考えると、賃貸物件よりもトータルコストが割高になる可能性があります。

ホテルは、清掃サービスやフロントサービス、水道光熱費込みといった利便性を提供する分、純粋な「家賃」に相当する部分が、同程度の立地・広さの賃貸物件よりも高く設定されています。

• 短期（～3ヶ月程度）: この期間であれば、賃貸の数十万円にのぼる初期費用が不要なため、ホテルの方がトータルコストは安く済むことがほとんどです。
• 中期（3ヶ月～1年程度）: このあたりから、どちらが安くなるかのボーダーラインになります。ホテルのマンスリープランの割引率と、周辺の賃貸物件の家賃・初期費用を具体的に比較検討する必要があります。
• 長期（1年以上）: 1年を超えるような長期滞在の場合、多くの場合で賃貸物件の方がトータルコストは安くなります。ホテルの利便性やサービスにどれだけの価値を見出すか、という個人の価値観の判断になります。

ホテルでの長期滞在を検討する際は、予定している滞在期間を明確にし、その期間で発生する総費用をシミュレーションしてみることが重要です。「便利だから」という理由だけで安易に決めると、想定以上の出費になってしまう可能性があることを覚えておきましょう。

長期滞在ホテルはこんな人におすすめ

ホテルでの長期滞在は、その手軽さと利便性から、特定のニーズを持つ人々にとって非常に魅力的な選択肢となります。ここでは、特に長期滞在ホテルの利用が適している3つの代表的なケースをご紹介します。ご自身の状況がこれらに当てはまるなら、ホテル暮らしは非常に快適で合理的な解決策となるでしょう。

短期間の出張や単身赴任で利用したい人

1週間から数ヶ月単位の短期的な出張や、赴任先の正式な住居が決まるまでのつなぎとして、長期滞在ホテルは最も活用されていると言っても過言ではありません。

慣れない土地での新生活のスタートは、ただでさえストレスがかかるものです。そこに賃貸物件探しや契約手続き、家具・家電の購入、ライフラインの開通手続きといった煩雑な作業が加わると、本来集中すべき仕事に支障をきたしかねません。

その点、長期滞在ホテルであれば、予約一つで生活の基盤がすべて整います。

• 即時性と集中: スーツケース一つでチェックインしたその日から、快適なWi-Fi環境の整ったデスクで仕事を開始できます。面倒な手続きから解放されることで、新しい職場での業務にいち早く集中できます。
• コスト効率: 会社からの家賃補助や出張手当の範囲内で、コストを明確に管理できます。水道光熱費などの変動費を気にする必要もありません。法人契約が可能なホテルも多く、経費精算がスムーズです。
• 安心感: 24時間対応のフロントや高いセキュリティは、単身での滞在において大きな安心材料となります。仕事で帰りが遅くなっても、安全な住環境が確保されています。

このように、ビジネスパーソンが時間的・精神的なコストを最小限に抑え、本業のパフォーマンスを最大化するための拠点として、長期滞在ホテルは最適な環境を提供します。

引っ越しやリフォーム中の仮住まいを探している人

自宅の建て替えや大規模なリフォーム、あるいは新居への入居日がずれてしまった場合など、数週間から数ヶ月単位で一時的に家を離れなければならない際の「仮住まい」としても、長期滞在ホテルは非常に有効です。

これまで、こうしたケースではウィークリーマンションや短期賃貸アパートが主な選択肢でしたが、ホテルにはそれらにはないメリットがあります。

• 柔軟な期間設定: 工事の遅延など、予定していた期間が延びてしまうことは珍しくありません。ホテルであれば、1日単位で柔軟に滞在を延長できる場合が多く、急な予定変更にも対応しやすいです。
• 荷物の負担軽減: リフォーム中の家財はトランクルームなどに預けることが多いですが、仮住まいのために家具や調理器具を運び込むのは大変です。家具・家電付きのホテルなら、身の回りのものだけで生活を始められ、負担を大幅に軽減できます。
• 家族での滞在: 近年増えているサービスアパートメントやアパートメントホテルには、複数のベッドルームや広いリビング、本格的なキッチンを備えた客室があります。これらを利用すれば、家族全員で快適に過ごすことも可能です。子供がいる家庭でも、普段に近い生活リズムを保ちやすいでしょう。

ストレスのかかる仮住まい期間を、ホテルの快適なサービスを利用して「少し特別な休暇」と捉えることで、精神的な負担を和らげる効果も期待できます。

ワーケーションや長期観光の拠点にしたい人

働き方の多様化に伴い、休暇（Vacation）を楽しみながら仕事（Work）も行う「ワーケーション」というスタイルが注目されています。また、特定の都市にじっくり滞在し、その土地の文化や日常を深く体験する「長期観光」も人気を集めています。長期滞在ホテルは、こうした新しい旅のスタイルの拠点として理想的な環境です。

• 快適な仕事環境: 高速Wi-Fiや機能的なデスクは、もはや多くのホテルの標準装備です。仕事に集中できる環境が確保されているため、生産性を落とすことなくリモートワークが可能です。
• 暮らすような旅: ホテルを拠点にすることで、観光地を巡るだけの旅行ではなく、地元のスーパーで食材を買い、キッチンで料理をしたり、近所のカフェで仕事をしたりと、その土地の日常に溶け込むような体験ができます。これは、短期の旅行では味わえない深い魅力です。
• 自由な拠点移動: 1ヶ月単位で様々な都市の長期滞在ホテルを渡り歩く、といった自由なライフスタイルも実現可能です。賃貸契約に縛られないため、フットワーク軽く、好きな場所で働き、暮らすことができます。

特にキッチン付きのサービスアパートメントは、ワーケーションや長期観光の満足度を大きく向上させます。外食に頼らず、地元の食材で自炊を楽しむことは、旅のコストを抑えるだけでなく、旅そのものをより豊かで思い出深いものにしてくれるでしょう。

失敗しない長期滞在ホテルの選び方

長期滞在ホテルという選択肢を決めた後、次に重要になるのが「どのホテルを選ぶか」という点です。無数にあるホテルの中から、自分の目的やライフスタイルに合わない場所を選んでしまうと、数週間から数ヶ月にわたる滞在がストレスの多いものになってしまいます。ここでは、後悔しないための具体的な選び方のポイントを4つご紹介します。

滞在期間と目的に合わせて選ぶ

まず最初に明確にすべきなのは、「何のために、どのくらいの期間滞在するのか」ということです。これが決まれば、選ぶべきホテルのタイプがおのずと見えてきます。

• 滞在期間で考える:
  • 1週間〜2週間程度の短期滞在: この期間であれば、外食や中食が続いてもそれほど苦にならないかもしれません。この場合、立地やコストを優先して、キッチンなしの一般的なビジネスホテルのウィークリープランを利用するのが合理的です。
  • 1ヶ月以上の中長期滞在: 1ヶ月を超えると、食生活や洗濯の利便性が生活の質を大きく左右します。自炊で食費を抑え、健康管理もしっかり行いたい場合は、キッチンや洗濯機が客室にあるサービスアパートメントが断然おすすめです。
• 目的で考える:
  • 仕事が目的（出張・単身赴任）: 職場へのアクセスが良いことが最優先です。また、夜遅くまで仕事をするなら、静かな環境と快適なデスク・椅子、高速Wi-Fiは必須条件になります。
  • 仮住まいが目的: 家族構成に合った部屋の広さやベッドの数、普段の生活に近い環境（キッチン、リビングスペースなど）が重要になります。学校や職場へのアクセスも考慮しましょう。
  • 観光・ワーケーションが目的: 主要な観光スポットへのアクセスが良いエリアや、リフレッシュできる環境（公園が近い、景観が良いなど）を重視すると満足度が高まります。

自分の滞在スタイルを具体的にイメージし、優先順位をつけることが、ホテル選びの第一歩です。

キッチンや洗濯機など必要な設備の有無で選ぶ

長期滞在において、生活の快適さを左右する二大設備が「キッチン」と「洗濯機」です。予約前には、これらの仕様を詳細に確認することが極めて重要です。

• キッチン:
  • 「キッチン付き」とあっても、そのレベルは様々です。電子レンジとミニ冷蔵庫、電気ケトルだけの簡易的なものから、IHコンロ（2口以上）、広いシンク、調理器具、食器、炊飯器まで揃った本格的なものまであります。
  • 自炊をどの程度する予定かによって、必要なキッチンのスペックは変わります。ホテルの公式サイトの写真や設備一覧をチェックし、具体的にどんな調理器具（フライパン、鍋、包丁など）が備え付けられているかまで確認するのがおすすめです。
• 洗濯機:
  • 客室内に洗濯乾燥機があるのが最も理想的です。時間を気にせず、好きな時に洗濯から乾燥まで一度に行えます。
  • 「共用ランドリー」の場合は、その台数、利用可能時間、料金（有料か無料か）、洗剤は自動投入かなどを確認しましょう。特に、ホテルの規模に対してランドリーの台数が少ないと、使いたい時に順番待ちが発生する可能性があります。

この他にも、仕事をするならデスクの広さや椅子の座り心地、コンセントの数と位置も重要です。アイロンやズボンプレッサーの有無、収納スペース（クローゼット）の大きさなども、快適な生活を送るためのチェックポイントです。

駅からの距離など立地の良さで選ぶ

どんなに設備が良くても、立地が悪ければ日々の生活が不便になります。特に、車を持たない場合は公共交通機関へのアクセスが生命線です。

• 最寄り駅からの距離: 「駅徒歩5分」と「徒歩15分」では、毎日の通勤・通学や外出の負担が大きく異なります。特に、雨の日や荷物が多い日を想像してみましょう。一般的に、徒歩10分以内がストレスなく生活できる目安とされています。
• 路線の利便性: 最寄り駅が一つでも、それが主要なターミナル駅（新宿、渋谷、東京、梅田など）へ乗り換えなしでアクセスできる路線上にあるか、複数の路線が利用できる駅か、といった点も重要です。
• 周辺環境: 滞在が長くなれば、ホテルの周りの環境も大切になります。24時間営業のスーパーやコンビニ、品揃えの良いドラッグストア、気軽に立ち寄れる飲食店、いざという時のための病院やクリニックなどが近くにあるか、Googleマップなどで事前に確認しておきましょう。治安の良さも、夜道を歩くことなどを想定してチェックしておきたいポイントです。

長期滞在向けの割引プランがあるか確認する

同じホテルでも、予約方法やプランによって料金は大きく変わります。少しでもお得に滞在するために、割引プランの有無は必ずチェックしましょう。

• ウィークリー/マンスリープラン: 多くのホテルでは、7泊以上、30泊以上といった長期滞在者向けの専用プランを用意しています。通常の1泊料金で計算するよりも大幅に安くなるため、長期滞在の場合はまずこれらのプランを探すのが基本です。
• 早期予約割引: 滞在予定が早くから決まっている場合は、「早割」プランを利用するとお得になることがあります。30日前、60日前、90日前など、早く予約するほど割引率が高くなる傾向があります。
• 公式サイト限定プラン: ホテル予約サイトには掲載されていない、ホテル公式サイト限定のお得なプランや特典が用意されていることがあります。予約サイトで候補を見つけた後、必ずそのホテルの公式サイトも確認する一手間を惜しまないようにしましょう。

これらのポイントを一つひとつ丁寧にチェックすることで、料金、利便性、快適性のバランスが取れた、あなたにとって最適な長期滞在ホテルを見つけることができるはずです。

長期滞在ホテルの探し方

自分に合った長期滞在ホテルの条件が固まったら、次はいよいよ具体的なホテルを探すステップです。効率的に理想のホテルを見つけるためには、いくつかの探し方を知っておくと便利です。ここでは、代表的な3つの探し方とその特徴を解説します。

長期滞在に特化した予約サイトで探す

近年、長期滞在ホテルやマンスリーマンション、サービスアパートメントの検索・予約に特化した専門サイトが登場しています。

• メリット:
  • 検索のしやすさ: 「ウィークリー」「マンスリー」といったキーワードで絞り込まれているため、長期滞在プランを提供しているホテルだけを効率的に探すことができます。
  • 比較のしやすさ: 複数のホテルや物件の月額料金、設備、サービスを一覧で比較検討しやすいインターフェースになっています。賃料だけでなく、光熱費込みかどうかといった詳細な条件で並べ替えができるサイトもあり、非常に便利です。
  • 掘り出し物が見つかることも: 大手の予約サイトには掲載されていない、地域密着型のサービスアパートメントなどが見つかることもあります。
• デメリット:
  • 掲載数の限界: 大手の総合ホテル予約サイトに比べると、掲載されているホテルの総数は少ない傾向にあります。
  • 情報の更新頻度: サイトによっては、空室状況や料金情報がリアルタイムで反映されていない場合があるため、最終的にはホテル公式サイトでの確認が必要です。

「長期滞在 ホテル 予約」「マンスリーホテル 東京」といったキーワードで検索すると、こうした特化型サイトが見つかります。まずは、これらのサイトで相場観を掴んだり、候補となるエリアの物件をリストアップしたりするのに役立ちます。

大手のホテル予約サイトで探す

普段、旅行の際に利用しているような大手の総合ホテル予約サイトも、長期滞在ホテル探しに活用できます。

• メリット:
  • 圧倒的な掲載数: 国内外のほぼすべてのホテルが網羅されており、選択肢の幅が最も広いです。
  • 豊富な口コミ: 実際に宿泊したユーザーによる膨大な数の口コミを参考にできます。長期滞在した人のレビューが見つかれば、非常に有力な判断材料になります。
  • 使い慣れた操作性: 普段から使っているサイトであれば、検索や絞り込みの操作に迷うことがありません。ポイントが貯まる・使えるといったメリットもあります。
• デメリット:
  • 探し方のコツが必要: 短期宿泊向けのサイトであるため、長期滞在プランが探しにくい場合があります。検索時に宿泊日数を「30泊」などに設定する必要がありますが、プランが表示されないことも少なくありません。

【大手予約サイトでの探し方のコツ】

1. 宿泊期間を長く設定: 検索条件で、宿泊日数を「7泊」や「30泊」など、実際の滞在予定期間に設定して検索します。
2. 絞り込み機能を活用: 「キッチン付き」「アパートメントタイプ」「洗濯機」といった絞り込み条件（フィルター機能）を最大限に活用します。これにより、長期滞在に向いたホテルを効率的に絞り込めます。
3. キーワード検索: サイト内検索で「長期滞在」「マンスリー」といったキーワードを試してみるのも有効です。

各ホテルチェーンの公式サイトで探す

候補となるエリアや、好みのホテルチェーンが決まっている場合は、そのホテルの公式サイトを直接チェックするのが非常に有効な方法です。

• メリット:
  • 公式サイト限定プラン: 予約サイトには掲載されていない、最もお得な料金プラン（ベストレート保証）や、長期滞在者向けの特別なパッケージが見つかる可能性が最も高い方法です。例えば、「30泊以上で清掃サービス週1回＋リネン交換付き」といった詳細なプラン内容が明記されています。
  • 情報の正確性: 部屋の写真や設備、サービスに関する情報が最も正確で詳細です。疑問点があれば、サイトから直接問い合わせることもできます。
  • 会員特典: ホテルチェーン独自の会員プログラムに登録すれば、割引やポイント還元、レイトチェックアウトなどの特典を受けられることがあります。
• デメリット:
  • 比較検討の手間: 一つひとつのホテルのサイトを個別に確認していく必要があるため、時間と手間がかかります。

おすすめのアプローチとしては、まず①の特化サイトや②の大手予約サイトで広く候補を探し、気になるホテルをいくつかリストアップします。その後、③の方法でそれらのホテルの公式サイトを訪れ、料金やプラン内容を最終的に比較・確認するという流れが、効率的で確実な探し方と言えるでしょう。

【エリア別】長期滞在におすすめのホテル10選

ここでは、これまでの選び方のポイントを踏まえ、全国の主要都市から長期滞在に特におすすめのホテルを10軒厳選してご紹介します。各ホテルはキッチンや洗濯機といった生活設備の充実はもちろん、立地や快適性にも定評があります。
※掲載内容は変更される可能性があるため、予約時には必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

① 【東京】MONday Apart Premium AKIHABARA

全室にキッチン、洗濯乾燥機、浴室乾燥機、そして仕事を快適にするデスク＆チェアを完備したアパートメントホテルです。「暮らすように泊まる」をコンセプトに、スタイリッシュで機能的な空間を提供しています。最大6名まで宿泊可能な広い部屋もあり、ファミリーやグループでの滞在にも最適。秋葉原という交通の要所に位置し、都内各所へのアクセスも抜群です。（参照：MONday Apart Premium AKIHABARA 公式サイト）

② 【東京】東急ステイ新宿

「自分の部屋のように過ごせるホテル」として、長期滞在者から絶大な支持を得るホテルチェーン。特に東急ステイは、ほとんどの客室に洗濯乾燥機とミニキッチンを完備しているのが最大の強みです。東急ステイ新宿は、新宿三丁目駅から徒歩1分という最高の立地。ビジネスにも観光にも便利な拠点でありながら、快適な居住空間を提供してくれます。（参照：東急ステイ新宿 公式サイト）

③ 【東京】MIMARU東京 上野EAST

ファミリーやグループでの長期滞在に最適なアパートメントホテルです。全室にキッチンとダイニングスペースを備え、広々とした空間が特徴。ポケモンルームなど、ユニークなコンセプトルームも人気です。上野駅から徒歩3分とアクセスも良く、美術館や公園、アメ横など、周辺の魅力を満喫しながら「みんなで暮らすような旅」を実現できます。（参照：MIMARU東京 上野EAST 公式サイト）

④ 【大阪】シタディーンなんば大阪

世界的に展開するサービスレジデンス（サービスアパートメント）ブランド「シタディーン」の大阪拠点。国の重要文化財である高島屋東別館をコンバージョンした、歴史とモダンが融合した美しい建物が特徴です。客室にはキッチンが完備され、館内にはフィットネスジム、キッズルーム、レジデンスラウンジといった充実の共用施設も。ワンランク上の長期滞在を求める方におすすめです。（参照：シタディーンなんば大阪 公式サイト）

⑤ 【大阪】SARASA HOTEL 心斎橋

大阪ミナミの中心、心斎橋・長堀橋エリアに位置し、ビジネスにも観光にも便利なホテルです。リーズナブルな価格帯でありながら、長期滞在向けの割引プランも提供しており、コストを抑えたい方に適しています。清潔で機能的な客室と、きめ細やかなサービスに定評があります。一部、キッチン付きの客室も用意されています。（参照：SARASA HOTEL 心斎橋 公式サイト）

⑥ 【京都】シタディーン京都烏丸五条

こちらも「シタディーン」ブランドのホテルで、京都の中心部、地下鉄五条駅から徒歩1分という好立地にあります。全室キッチン付きで、京都らしい和のテイストを取り入れたモダンで落ち着いたデザインの客室が魅力です。フィットネスジムも完備。京都の街に暮らすように滞在しながら、古都の魅力をじっくりと味わうことができます。（参照：シタディーン京都烏丸五条 公式サイト）

⑦ 【福岡】ザ・レジデンシャルスイート・福岡

福岡市早良区に位置し、都心から少し離れた落ち着いた環境が魅力の長期滞在型ホテル。全室50㎡以上という広々とした客室には、キッチンや洗濯機が完備されています。ホテル内にはレストランやフィットネスクラブ、プール（夏季営業）もあり、リゾート感覚で滞在を楽しめます。ファミリーでの利用や、ゆったりとした環境でワーケーションをしたい方に最適です。（参照：ザ・レジデンシャルスイート・福岡 公式サイト）

⑧ 【札幌】ウィンダムガーデン札幌大通

札幌の中心、大通公園やすすきのにも近い便利な立地にあります。洗練されたモダンなデザインの客室で、一部のスイートルームにはキッチンが備えられています。大浴場やフィットネスセンターも完備しており、仕事や観光の疲れを癒すことができます。上質な空間で、快適な札幌ステイを実現したい方におすすめです。（参照：ウィンダムガーデン札幌大通 公式サイト）

⑨ 【名古屋】ニッコースタイル名古屋

「コーヒーと音楽にこだわったライフスタイルホテル」という新しいコンセプトを掲げるホテル。通常のホテルタイプですが、その上質な空間とサービスは、気分を変えて仕事に集中したいワーケーションや、快適性を求める長期出張に最適です。DJブースを備えたコミューナルロビーや、高品質な音響設備のある客室など、ユニークな特徴を持っています。（参照：ニッコースタイル名古屋 公式サイト）

⑩ 【沖縄】ホテル ストレータ 那覇

那覇市の中心部、ゆいレール美栄橋駅から徒歩すぐの場所に位置するシティリゾートホテル。屋外プールやフィットネスジム、カフェバーなどを備え、ワーケーションの拠点として高い人気を誇ります。一部の客室はテラス付きで、開放的な空間でリラックスできます。長期滞在向けのプランも用意されており、沖縄で働きながら暮らす体験を実現できます。（参照：ホテル ストレータ 那覇 公式サイト）

全国展開！長期滞在におすすめのホテルチェーン

特定の都市だけでなく、全国各地で長期滞在の拠点を探す際に頼りになるのが、長期滞在プランに力を入れているホテルチェーンです。ここでは、全国に店舗を展開し、ビジネスパーソンや長期旅行者から安定した支持を得ている代表的な5つのホテルチェーンをご紹介します。

東急ステイ

「長期滞在型ビジネスホテル」のパイオニアであり、代名詞ともいえる存在です。最大の特長は、多くの客室に「洗濯乾燥機」と「ミニキッチン」が標準装備されていること。これにより、出張中でも自宅と変わらない感覚で洗濯や簡単な自炊が可能です。ビジネス利用を強く意識しており、全室にWi-Fiと加湿機能付き空気清浄機を完備。まさに「住む」機能と「泊まる」機能が高次元で融合したホテルチェーンです。（参照：東急ステイ 公式サイト）

アパホテル

全国に圧倒的な店舗数を誇り、主要都市の駅前に必ずと言っていいほど立地しているのがアパホテルの強みです。コンパクトで機能的な客室は、無駄を削ぎ落とし、高品質なベッド（Cloud fit）や大型液晶テレビ、高速Wi-Fiなど、快適な滞在に必要な要素に特化しています。公式サイト「アパ直」では、ウィークリープランやマンスリープランが提供されていることがあり、コストを抑えつつ利便性の高い立地を確保したい場合に非常に有力な選択肢となります。（参照：アパホテル 公式サイト）

スーパーホテル

「LOHAS（Lifestyles of Health and Sustainability）」をコンセプトに掲げ、健康と環境に配慮したサービスが特徴のホテルチェーンです。多くの店舗で天然温泉または健康イオン水の大浴場を完備しており、仕事の疲れを癒すことができます。また、オーガニック野菜などを使った健康的な朝食が無料で提供されるのも大きな魅力。一部店舗では長期滞在プランも用意されており、心身ともに健康的に過ごしたい長期滞在者におすすめです。（参照：スーパーホテル 公式サイト）

コンフォートホテル

世界最大級のホテルチェーン、チョイスホテルズが展開するブランドです。彩り豊かでバランスの取れた無料朝食サービスに定評があり、一日の始まりを元気にスタートできます。また、ウェルカムドリンクサービスや、一部ホテルに併設された「コンフォートライブラリーカフェ」では、フリードリンクを楽しみながら読書や仕事をすることも可能。全室禁煙で清潔感があり、快適な環境で集中したいビジネスパーソンやワーケーション利用者に支持されています。（参照：コンフォートホテル 公式サイト）

ドーミーイン

ビジネスホテルでありながら、「癒し」の要素を強く打ち出しているのがドーミーインの最大の特徴です。各ホテルには趣向を凝らした大浴場（多くは天然温泉や超軟水）が完備されており、サウナ好き（サウナー）からの支持も厚いです。そして名物となっているのが、夜に無料で提供される「夜鳴きそば」。心温まるサービスが、長期滞在の疲れを和らげてくれます。快適な睡眠を追求したベッドや、地域色豊かな朝食バイキングも人気で、「泊まる楽しみ」を感じさせてくれるホテルチェーンです。（参照：ドーミーイン 公式サイト）

長期滞在ホテルに関するよくある質問

最後に、長期滞在ホテルを検討する際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。これまでの内容の復習も兼ねて、最後の疑問をここで解消しておきましょう。

長期滞在プランはどのくらい安くなりますか？

一概に「何%安くなる」と断言することは難しいですが、一般的な目安として、通常の1泊料金（定価）と比較して20%〜50%程度割引になるケースが多く見られます。

割引率は、滞在期間、ホテルのグレード、立地、シーズンによって大きく変動します。基本的には、滞在期間が長ければ長いほど、1泊あたりの単価は安くなる傾向にあります。

• ウィークリープラン（7泊以上）: 10%～25%割引程度
• マンスリープラン（30泊以上）: 20%～50%割引程度

例えば、1泊10,000円のホテルで30%の割引が適用されるマンスリープランがあれば、30泊の料金は300,000円ではなく210,000円となり、90,000円もお得になります。これは非常に大きな差です。最もお得なプランを見つけるためには、予約サイトだけでなく、ホテルの公式サイトを必ず確認することをおすすめします。

住民票や郵便物はどうなりますか？

これは長期滞在ホテルを利用する上での最も重要な注意点です。

• 住民票: 原則として、ホテルの住所に住民票を移すことはできません。ホテルはあくまで一時的な滞在先（居所）と見なされるためです。そのため、選挙の投票や運転免許証の更新といった公的な手続きは、住民票を置いている元の住所地で行う必要があります。
• 郵便物:
  • 普通郵便や宅配便: 多くのホテルではフロントで代理受領してくれますが、これはホテルのサービスの一環であり、義務ではありません。必ず予約前にホテルの郵便物受け取りポリシーを確認してください。
  • 重要書類: クレジットカードやキャッシュカード、公的機関からの通知など、「転送不要」と記載された郵便物や本人限定受取郵便は、ホテルでは受け取ることができません。これらの受け取りが予定されている場合は、実家に送付してもらうなどの対策が必要です。

予約はいつからできますか？

予約の受付開始時期は、ホテルや予約サイトの方針によって異なりますが、一般的には滞在予定日の半年前から3ヶ月前に開始されることが多いです。

• 早めの予約がおすすめ: 人気のホテルや、旅行シーズン（ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始など）、あるいは大規模なイベントが開催される時期は、早くから予約が埋まってしまいます。滞在の予定が決まったら、できるだけ早く予約手続きを進めることを強くおすすめします。
• 早期予約割引: 早く予約することで、「早割」プランが適用され、通常よりもお得な料金で宿泊できる可能性もあります。
• 直前の予約: 直前になると、長期滞在向けのプランが満室になっていたり、料金が高騰していたりするリスクがあります。選択肢が狭まってしまうため、計画的な予約が成功の鍵です。

この記事が、あなたの目的やライフスタイルに合った、快適で充実した長期滞在を実現するための一助となれば幸いです。