ホテルのサブスクリプションサービスおすすめ8選!長期滞在や多拠点生活に

ホテルのサブスクリプションサービスおすすめ8選、長期滞在や多拠点生活に

リモートワークの普及やライフスタイルの多様化に伴い、「住む場所」に対する価値観は大きく変化しています。特定の場所に縛られず、好きな時に好きな場所で暮らす「多拠点生活」や「アドレスホッパー」といった言葉も一般的になりました。このような新しい暮らし方を実現する選択肢として、今、「ホテルのサブスクリプションサービス(ホテルサブスク)」が大きな注目を集めています。

この記事では、ホテルのサブスクリプションサービスの基本的な仕組みから、自分に合ったサービスの選び方、具体的なおすすめサービス、そしてメリット・デメリットまでを網羅的に解説します。出張が多いビジネスパーソンから、新しい暮らし方を模索するフリーランサー、移住を検討している方まで、ホテルサブスクがもたらす可能性を詳しく探っていきましょう。

ホテルのサブスクリプションサービスとは

ホテルのサブスクリプションサービスとは

ホテルのサブスクリプションサービスとは、月額定額制でホテルや提携施設に滞在できるサービスのことです。一度契約すれば、敷金・礼金といった初期費用や、水道・光熱費、インターネット回線の契約手続きなしに、手軽に新しい生活をスタートできます。家具や家電も備え付けられているため、スーツケース一つで身軽に住まいを移れるのが大きな特徴です。

従来のホテル利用が「1泊いくら」という短期滞在を前提としているのに対し、ホテルサブスクは「1ヶ月いくら」という中長期的な居住を想定しています。これにより、賃貸契約よりも柔軟に、ホテル泊よりも経済的に、新しい拠点での生活を楽しめるようになりました。

このサービスが注目される背景には、いくつかの社会的な変化があります。
第一に、働き方の多様化です。新型コロナウイルス感染症の拡大を機にリモートワークが急速に普及し、働く場所を自由に選べる人が増えました。オフィスに出社する必要がなくなったことで、「都心に住む必然性」が薄れ、地方やリゾート地など、自分の好きな環境で働き、暮らしたいというニーズが高まっています。

第二に、「所有」から「利用」への価値観の変化です。モノを所有することにこだわらず、必要な時に必要な分だけサービスを利用する「サブスクリプションモデル」は、音楽や動画配信だけでなく、車やファッション、そして「住まい」の領域にまで広がっています。ホテルサブスクは、住まいを所有する負担から解放され、より自由で身軽なライフスタイルを求める現代人の価値観に合致したサービスと言えるでしょう。

ホテルサブスクには、大きく分けていくつかのタイプが存在します。

  • 多拠点居住型: 全国の様々な提携施設を移動しながら滞在できるタイプ。アドレスホッパーやワーケーションを楽しみたい人に向いています。
  • 一拠点集中型: 特定のホテルやアパートメントに長期間滞在するタイプ。出張や単身赴任、お試し移住など、特定のエリアに腰を据えたい場合に適しています。
  • コミュニティ型: 滞在者同士の交流やイベントを重視するタイプ。新しい人との出会いや地域との関わりを求める人におすすめです。

これらのサービスは、単なる宿泊施設を提供するだけでなく、新しいライフスタイルを実現するためのプラットフォームとしての役割を担っています。賃貸物件を探す手間やコスト、インフラ契約の煩わしさから解放され、もっと自由に、もっと身軽に「暮らし」を楽しみたい。そんな現代のニーズに応えるのが、ホテルのサブスクリプションサービスなのです。

ホテルサブスクの選び方

滞在スタイルで選ぶ、利用したいエリアで選ぶ、予算や利用期間で選ぶ、部屋の設備やサービス内容で選ぶ、利用人数で選ぶ

多種多様なホテルサブスクの中から、自分に最適なサービスを見つけるためには、いくつかの重要な視点があります。ここでは、ライフスタイルや目的に合わせた選び方のポイントを5つに分けて詳しく解説します。これらのポイントを参考に、ご自身の希望を整理してみてください。

滞在スタイルで選ぶ

まず考えるべきは、「どのような滞在スタイルを求めているか」です。あなたの目的によって、選ぶべきサービスのタイプは大きく異なります。

  • 多拠点生活・アドレスホッパーを目指すなら
    全国各地、あるいは海外にも拠点が豊富にあり、月内に何度も拠点移動が可能なサービスがおすすめです。拠点数の多さやエリアの多様性を重視しましょう。サービスによっては、移動のしやすさを考慮した独自のポイント制度(コイン制など)を導入している場合もあります。頻繁に場所を変えて、様々な地域での暮らしや文化に触れたいという方には、こうした自由度の高いサービスが最適です。
  • 特定のエリアでの長期滞在や出張・単身赴任なら
    一つの場所に腰を据えて生活したい場合は、「一拠点集中型」のプランがあるサービスを選びましょう。特定のホテルに1ヶ月単位で滞在することで、料金が割安になるプランが多く提供されています。また、キッチンや洗濯機といった生活に必要な設備が個室内に完備されているかどうかも重要なチェックポイントです。職場へのアクセスや周辺環境の利便性も考慮して、快適に過ごせる拠点を探しましょう。
  • ワーケーション(仕事+休暇)が目的なら
    仕事とプライベートの両立を考えるなら、ワークスペースの充実度とリフレッシュできる環境が鍵となります。個室にデスクや高速Wi-Fiが完備されていることはもちろん、共用スペースに集中できるワークラウンジや会議室があると便利です。また、周辺に観光スポットや自然豊かな環境、温泉などがあると、仕事の合間にリフレッシュしやすく、より充実したワーケーションが実現できます。

利用したいエリアで選ぶ

次に重要なのが「どこに住みたいか」というエリアの視点です。サービスごとに提携している施設のエリアや特徴は大きく異なります。

  • 都市部での利便性を求めるなら
    都心での生活やビジネス利用がメインであれば、主要駅からのアクセスが良い施設が豊富なサービスを選びましょう。東京、大阪、名古屋、福岡といった大都市圏に多くの拠点を持ち、交通の便が良いサービスは、通勤や移動のストレスを軽減してくれます。都心部の物件は家賃が高額になりがちですが、ホテルサブスクなら初期費用を抑えて手軽に都心暮らしを始められる可能性があります。
  • 地方や自然豊かな環境を求めるなら
    都会の喧騒から離れ、地方での暮らしや自然に囲まれた環境を求めるなら、全国各地に拠点が点在しているサービスが適しています。空き家をリノベーションした古民家や、リゾート地のホテル、温泉付きの施設など、ユニークな拠点を提供しているサービスもあります。本格的な移住の前に、気になる地域で「お試し暮らし」をする目的で利用するのも良いでしょう。
  • 海外も視野に入れるなら
    グローバルに活躍したい、海外での生活も体験してみたいという方には、海外にも拠点を持つサービスが選択肢に入ります。サービスによっては、国内と同じ月額料金やポイントで海外の施設に滞在できる場合もあります。将来的な海外移住や長期旅行の拠点として活用できるかどうかも、チェックしておきたいポイントです。

予算や利用期間で選ぶ

現実的な問題として、予算と利用期間はサービス選びの根幹をなす要素です。

  • 月額料金
    ホテルサブスクの料金は、月額数万円から数十万円までと幅広いです。まずは、自分が住居費として毎月いくらまで支払えるかを明確にしましょう。料金は、利用できる施設のグレードやエリア、プラン内容によって大きく変動します。安いプランはドミトリー(相部屋)タイプが中心であったり、利用できる施設が限定されていたりすることがあります。逆に高価格帯のプランでは、高級ホテルや設備の整ったアパートメントタイプの部屋に滞在できます。
  • 初期費用・追加料金
    多くのサービスでは敷金・礼金のような初期費用はかかりませんが、一部のサービスでは入会金や保証金が必要な場合があります。また、月額料金に含まれるサービス範囲も必ず確認しましょう。光熱費やWi-Fi利用料は基本料金に含まれていることが多いですが、共用施設の利用料、清掃の頻度、同伴者の宿泊などで追加料金が発生するケースもあります。トータルでかかる費用を事前に把握しておくことが重要です。
  • 最低利用期間
    「1ヶ月だけお試しで利用したい」という場合もあれば、「半年から1年単位で利用したい」という場合もあるでしょう。サービスごとに最低利用期間が定められていることが多いため、自分の計画に合ったサービスを選ぶ必要があります。1ヶ月単位で契約・解約ができる柔軟なサービスもあれば、3ヶ月以上の継続利用が条件となっているサービスもあります。

部屋の設備やサービス内容で選ぶ

滞在中の快適さを左右するのが、部屋の設備や付帯サービスです。自分のライフスタイルに何が必要かを考え、細かくチェックしましょう。

  • 室内の設備
    • キッチン: 自炊をしたい人にとっては必須の設備です。ミニキッチンなのか、調理器具や食器まで揃っているのか、あるいは共用キッチンなのかを確認しましょう。
    • 洗濯機: 長期滞在の場合、室内に洗濯機があると非常に便利です。ない場合は、施設内のコインランドリーや近隣のランドリーの有無をチェックします。
    • ワークスペース: リモートワークが主目的の場合、集中して作業できるデスクと快適なチェア、そして安定した高速Wi-Fiは不可欠です。
    • 収納: 荷物が多い人は、クローゼットや収納スペースの広さも重要なポイントです。
  • 共用施設とサービス
    • ラウンジやコワーキングスペース: 他の滞在者と交流したり、気分を変えて仕事をしたりできる共用スペースの有無も確認しましょう。
    • 清掃サービス: 部屋の清掃がどのくらいの頻度で行われるかは、快適さに直結します。週に1回、月に2回など、サービスごとに規定が異なります。
    • アメニティ: タオルやシャンプー、リンスなどのアメニティが提供されるかどうかも確認しておくと、荷物を減らせます。

利用人数で選ぶ

最後に、「誰と利用するか」も重要な選択基準です。

  • 1名での利用
    ほとんどのサービスは1名利用を基本としていますが、部屋の広さやベッドのサイズは様々です。自分の荷物の量や求める快適さに合わせて選びましょう。
  • 2名以上での利用
    カップルや友人と一緒に利用したい場合は、2名以上で利用可能なプランがあるかを確認する必要があります。サービスによっては、追加料金で同伴者の宿泊が許可されたり、2名用の広い部屋が用意されていたりします。ただし、同伴者の宿泊には制限(例:週末のみ可、月数日までなど)が設けられていることも多いため、ルールを詳細に確認することが不可欠です。
  • 家族での利用
    子ども連れの家族で利用したい場合は、さらにハードルが上がります。ファミリー向けの広い部屋や、子どもがいても安心して過ごせる施設を提供しているサービスはまだ少ないのが現状です。しかし、一部のサービスでは家族向けのプランや物件も用意されているため、根気強く探してみましょう。

これらの5つのポイントを総合的に検討することで、数あるホテルサブスクの中から、あなたの理想のライフスタイルを実現できる最適なサービスがきっと見つかるはずです。

ホテルのサブスクリプションサービスおすすめ8選

ここからは、現在利用できる主要なホテルのサブスクリプションサービスを8つ厳選してご紹介します。それぞれに独自の特徴や強みがあるため、ご自身の目的やライフスタイルに合ったサービスを見つけるための参考にしてください。

サービス名 月額料金(目安) 拠点数 主な特徴 こんな人におすすめ
HafH(ハフ) 9,800円〜 1,000拠点以上(国内・海外) 独自のコイン制度。世界中に拠点があり、移動の自由度が高い。 多拠点生活をしたい人、海外でも利用したい人
goodroomホテルパス 6.98万円〜 1,000施設以上 賃貸サイトが運営。個室・家具家電付きで審査なし。一拠点滞在型。 特定の場所で長期滞在したい人、お試し同棲をしたい人
unito(ユニット) 3万円〜 800件以上 外泊すると家賃が安くなる「リレント」機能が特徴。 出張が多い人、週末は実家に帰るなど家を空ける日が多い人
ADDress(アドレス) 9,800円〜 270拠点以上 空き家活用型。コミュニティマネージャーが常駐し、地域交流が盛ん。 地域の人と交流したい人、コミュニティを重視する人
HOSTEL LIFE PASS 1.5万円〜 35施設 ホステル・ゲストハウスに特化。手頃な価格で多拠点生活が可能。 費用を抑えたい人、旅行好きな若者、交流を楽しみたい人
TsugiTsugi 3.98万円〜 約160施設 東急ホテルズ&リゾーツなどが運営。高品質なホテルに滞在可能。 ホテルの質にこだわりたい人、ビジネス利用で快適さを求める人
LivingAnywhere Commons 2.97万円〜 50拠点以上 「共創」がテーマ。スキルを活かして地域貢献もできる。 新しい働き方を模索する人、地域プロジェクトに参加したい人
NOT A HOTEL 11拠点(今後拡大予定) 別荘や邸宅をシェア購入・利用する新しい形。超高級志向。 新しい資産の形を求める富裕層、唯一無二の体験をしたい人

※上記の情報は2024年5月時点のものです。最新の情報は各公式サイトをご確認ください。

① HafH(ハフ)

「HafH(ハフ)」は、「Home away from Home(第2のふるさと)」をコンセプトに、世界中に広がる拠点を自由に旅しながら暮らせるサービスです。

  • 特徴: 最大の特徴は「HafHコイン」という独自のコイン制度です。月額プランに応じて毎月一定数のコインが付与され、そのコインを使って宿泊予約をします。施設のランクや部屋のグレード、宿泊日によって必要なコイン数が変動するため、コインを貯めて特別な日に良いホテルに泊まったり、コインを節約して長く滞在したりと、柔軟な使い方が可能です。
  • 料金プラン: 月額9,800円の「スタンダード」プランから、82,000円の「プレミアム」プランまで複数のプランが用意されています。プラン料金が高いほど、毎月もらえるコイン数が多くなります。
  • 拠点: 日本国内はもちろん、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカなど、世界30以上の国と地域に1,000以上の拠点があり、そのネットワークは日々拡大しています。都市部のホテルからリゾートヴィラ、ゲストハウスまで、多様な施設が揃っています。
  • こんな人におすすめ: 国内外を問わず、自由に場所を移動しながら暮らしたいアドレスホッパーやノマドワーカーに最適なサービスです。

(参照:HafH公式サイト)

② goodroomホテルパス

「goodroomホテルパス」は、賃貸情報サイト「goodroom」が運営するサービスで、ホテルやマンスリーマンションに月単位で滞在できます。

  • 特徴: 敷金・礼金・仲介手数料が不要で、家具・家電付きの部屋に審査なしで入居できる手軽さが魅力です。一拠点に長期滞在することを想定しており、落ち着いて生活したい人に向いています。Webサイト上で空室状況を確認し、気に入った物件をすぐに予約できるシンプルな仕組みです。
  • 料金プラン: 料金は物件ごとに異なり、月額6.98万円から。都心部の物件は10万円を超えるものが中心ですが、光熱費やWi-Fi代はすべて込みの価格設定です。
  • 拠点: 東京23区を中心に、大阪、京都、福岡など全国の主要都市に1,000以上の施設があります。駅からのアクセスが良いホテルやサービスアパートメントが多く、ビジネス利用にも便利です。
  • こんな人におすすめ: 出張や転勤で特定のエリアに数ヶ月単位で住む必要があるビジネスパーソンや、本格的な同棲前にお試しで一緒に暮らしてみたいカップルなどに選ばれています。

(参照:goodroomホテルパス公式サイト)

③ unito(ユニット)

「unito(ユニット)」は、「住んだ分だけの家賃」という画期的なコンセプトを掲げるサービスです。

  • 特徴: 最大の特徴は「リレント」という仕組みです。自分が部屋を使わない日に、その部屋を他の人に貸し出すことで、その日数分の料金が月額料金から割引されます。例えば、出張で1週間家を空ける場合、その7日分をリレントに出せば家賃負担を軽減できます。
  • 料金プラン: 料金は物件ごとに設定されており、リレントを利用しない場合の基本料金は月額3万円台から。リレントをうまく活用すれば、都心でも手頃な価格で住むことが可能です。
  • 拠点: 東京を中心に、大阪、名古屋、福岡などの都市部に800件以上の部屋を展開しています。ホテルだけでなく、サービスアパートメントやリノベーション物件など、多様な選択肢があります。
  • こんな人におすすめ: 出張が多いビジネスパーソンや、週末は実家に帰るなど、定期的に家を空けるライフスタイルの人にとって、コストを最適化できる非常に合理的なサービスです。

(参照:unito公式サイト)

④ ADDress(アドレス)

「ADDress(アドレス)」は、月額定額で全国の家に住み放題になるサービスです。単なる宿泊場所の提供に留まらず、コミュニティ形成を重視しています。

  • 特徴: 全国の空き家や遊休別荘などを活用している点がユニークです。各拠点には「家守(やもり)」と呼ばれるコミュニティマネージャーが常駐しており、滞在者と地域住民との交流をサポートしてくれます。イベントや地域活動への参加を通じて、その土地ならではの深い体験ができるのが魅力です。
  • 料金プラン: 同時予約できる日数が異なる複数のプランがあり、最も手頃なプランは月額9,800円(月4泊まで)から利用できます。個室の予約には別途料金が必要です。
  • 拠点: 都市部から地方の里山、漁村まで、全国に270以上の拠点が点在しています。古民家をリノベーションした趣のある家が多いのも特徴です。
  • こんな人におすすめ: 旅をしながら地域の人々と深く交流したい人、コミュニティに属することに価値を感じる人に強く支持されています。

(参照:ADDress公式サイト)

⑤ HOSTEL LIFE PASS(ホステルライフパス)

「HOSTEL LIFE PASS(ホステルライフパス)」は、その名の通り、全国のホステルやゲストハウスに特化したサブスクリプションサービスです。

  • 特徴: とにかく価格の手頃さが魅力です。月額1.5万円からという低価格で、提携する全国のホステルに滞在できます(ドミトリー利用の場合)。ホステルならではの旅行者同士の出会いや、アットホームな雰囲気を楽しめます。
  • 料金プラン: 2週間プラン(1.5万円)と1ヶ月プラン(3万円)など、滞在期間に応じた複数のプランがあります。個室を利用したい場合は、追加料金でアップグレードが可能です。
  • 拠点: 北海道から沖縄まで、全国35のホステルやゲストハウスが加盟しています。観光地に立地していることが多く、旅の拠点として最適です。
  • こんな人におすすめ: 費用を最大限に抑えて多拠点生活を始めたい学生や若者、バックパッカーなど、人との交流を楽しみながら旅をしたい人にぴったりです。

(参照:HOSTEL LIFE PASS公式サイト)

⑥ TsugiTsugi(ツギツギ)

「TsugiTsugi(ツギツギ)」は、東急株式会社が運営し、東急ホテルズ&リゾーツや提携ホテルが参加する、質の高い滞在を提供するサービスです。

  • 特徴: 信頼性の高い大手ホテルチェーンが運営している安心感と、施設のクオリティの高さが最大の強みです。ビジネス利用にも耐えうる快適な客室と、充実したサービスを受けられます。利用できる施設が厳選されているため、どこに泊まっても一定以上の満足度が得られます。
  • 料金プラン: 選べる施設数や連続宿泊日数に応じて、月額3.98万円からのプランが用意されています。全国約160施設から選んで滞在できます。
  • 拠点: 東急ホテルズ&リゾーツの施設を中心に、全国の主要都市やリゾート地に拠点を展開しています。アクセスが良く、ビジネスにもレジャーにも使いやすい立地が魅力です。
  • こんな人におすすめ: 滞在先の快適さやサービスの質を重視するビジネスパーソンや、たまの贅沢として上質なホテルでのワーケーションを楽しみたい人におすすめです。

(参照:TsugiTsugi公式サイト)

⑦ LivingAnywhere Commons

「LivingAnywhere Commons(LAC)」は、株式会社LIFULLが運営する、コミュニティを基盤とした多拠点サービスです。

  • 特徴: コンセプトは「場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約にしばられることなく、好きな場所でやりたいことをしながら生きていける社会の実現」。単に住む場所を提供するだけでなく、スキルシェアや地域プロジェクトへの参加など「共創」を促す仕組みが整っています。
  • 料金プラン: 月額2.97万円からの定額プランで、全拠点の共用スペースが使い放題、個室も予約して利用できます。法人向けのプランも充実しています。
  • 拠点: 会津磐梯、伊豆下田、八ヶ岳など、都市部よりも自然豊かなエリアを中心に全国50以上の拠点を展開。各拠点で独自のコミュニティが形成されています。
  • こんな人におすすめ: 自分のスキルを活かして地域に貢献したいと考えている人や、同じ価値観を持つ仲間と出会い、新しい働き方や生き方を模索したい人に最適なプラットフォームです。

(参照:LivingAnywhere Commons公式サイト)

⑧ NOT A HOTEL

「NOT A HOTEL」は、これまでのホテルサブスクとは一線を画す、新しい「住まいの形」を提案するサービスです。

  • 特徴: これは単なるサブスクではなく、別荘や邸宅を10日単位で購入(シェア購入)し、オーナーとして利用するという仕組みです。自分が利用しない日はホテルとして貸し出し、収益を得ることもできます。また、他のオーナーが所有する別の拠点の物件と相互利用も可能です。
  • 料金プラン: シェア購入の価格は数百万円から数千万円と高額ですが、これは資産となります。ホテルとして利用する場合は、1泊数十万円からのラグジュアリーな体験ができます。
  • 拠点: 那須、青島、福岡など、圧倒的な建築デザインとロケーションを誇る邸宅が11拠点あり、今後も拡大予定です。
  • こんな人におすすめ: 新しい資産の形を求める富裕層や経営者、唯一無二の特別な空間で過ごしたい人向けの、次世代のラグジュアリーサービスと言えます。

(参照:NOT A HOTEL公式サイト)

ホテルサブスクのメリット

初期費用を抑えられる、家具・家電付きで身軽に生活を始められる、水道・光熱費・Wi-Fi代などの手続きが不要、様々な地域やホテルに住める、部屋の掃除の手間が省ける

ホテルサブスクを利用することで、従来の賃貸暮らしやホテル暮らしでは得られなかった多くのメリットを享受できます。ここでは、代表的な5つのメリットを深掘りして解説します。

初期費用を抑えられる

賃貸物件を借りる際に最も大きなハードルとなるのが、高額な初期費用です。一般的に、家賃の4~6ヶ月分(敷金、礼金、仲介手数料、前家賃、鍵交換費用、火災保険料など)が必要とされ、10万円の家賃なら40~60万円ものまとまったお金を用意しなければなりません。

一方、ホテルサブスクのほとんどは、この敷金・礼金・仲介手数料が一切かかりません。サービスによっては初月に入会金や事務手数料がかかる場合もありますが、それでも賃貸契約に比べれば費用を劇的に抑えることができます。これにより、「住みたい」と思った時にすぐに行動に移せるフットワークの軽さが手に入ります。「次のボーナスまで待とう」「貯金が貯まるまで我慢しよう」といった時間的な制約から解放されるのは、非常に大きなメリットです。この手軽さが、新しい場所での生活を始める第一歩を力強く後押ししてくれます。

家具・家電付きで身軽に生活を始められる

新生活を始める際のもう一つの大きな負担が、家具や家電の購入費用と設置の手間です。ベッド、机、椅子、冷蔵庫、電子レンジ、テレビ、洗濯機などを一式揃えると、数十万円の出費になることも珍しくありません。また、購入した家具・家電は、次の引っ越しの際には荷物となり、運搬費用や処分の手間がかかります。

ホテルサブスクでは、生活に必要な家具・家電が最初から部屋に備え付けられています。サービスや部屋のグレードによりますが、基本的なものはほとんど揃っているため、自分で購入する必要がありません。これは、金銭的なメリットだけでなく、時間的・精神的なメリットも非常に大きいと言えます。面倒な選定や購入、配送待ち、設置作業から解放され、スーツケース一つで入居したその日から快適な生活をスタートできるのです。所有物が少ないミニマルな暮らしを志向する人にとって、これは理想的な環境と言えるでしょう。

水道・光熱費・Wi-Fi代などの手続きが不要

賃貸暮らしで地味に面倒なのが、ライフラインの契約・解約手続きです。電気、ガス、水道、そしてインターネット回線と、それぞれ別の会社に連絡を取り、利用開始の手続きをする必要があります。引っ越しの際には、これらの解約手続きと精算も忘れずに行わなければなりません。

ホテルサブスクでは、水道光熱費やWi-Fi利用料は、基本的に月額料金に含まれています。つまり、個人でこれらの契約手続きを行う必要が一切ないのです。毎月の支払いがサービス利用料に一本化されるため、家計の管理もシンプルになります。特に、高速Wi-Fiが完備されている点は、リモートワーカーにとって死活問題であり、入居後すぐに安定した通信環境で仕事が始められるのは大きなアドバンテージです。これらの煩雑な手続きから解放されることで、より本質的な仕事やプライベートの時間に集中できるようになります。

様々な地域やホテルに住める

ホテルサブスクが提供する最大の価値は、「住む場所の自由」を手に入れられることです。従来の賃貸契約では、2年契約などの縛りがあり、気軽に住まいを変えることは困難でした。しかし、ホテルサブスク(特に多拠点型)を利用すれば、月単位で、あるいはサービスによっては日単位で、滞在する場所を自由に変えることができます。

今日は海の見えるリゾートホテルで、来週は都心の便利なホテルで、来月は自然豊かな古民家で、といった暮らし方が現実のものとなります。季節や気分に合わせて住む場所を選ぶことで、日々の生活に新鮮な刺激と彩りが生まれます。また、様々な地域に住むことで、その土地の文化や食、人々との出会いを深く体験できます。これは、短期的な旅行では得られない、その土地に「暮らす」からこそ得られる貴重な経験です。新しい発見や価値観に触れることで、自身の視野が広がり、人生がより豊かになる可能性を秘めています。

部屋の掃除の手間が省ける

日々の生活の中で、掃除は意外と時間と労力を要する家事です。仕事で疲れて帰ってきた後に掃除をするのは億劫に感じる人も多いでしょう。

ホテルサブスクの多くは、定期的なルームクリーニングサービスが月額料金に含まれています。サービスによりますが、週に1回や月に2回など、専門のスタッフが部屋を清掃し、シーツやタオルの交換をしてくれます。これにより、常に清潔で快適な空間を維持できるだけでなく、掃除にかけていた時間を自分の好きなことや自己投資に使うことができます。衛生的な環境が保たれることは、心身の健康にも良い影響を与えます。この「掃除からの解放」は、生活の質(QOL)を大きく向上させる、見過ごされがちながらも非常に大きなメリットと言えるでしょう。

ホテルサブスクのデメリット

部屋のカスタマイズが難しい、住民票を移せない場合がある、キッチンや収納が少ない・共用のことがある、同伴者が宿泊できない場合がある

多くのメリットがある一方で、ホテルサブスクには注意すべきデメリットも存在します。契約してから後悔しないように、事前にこれらの点を理解し、自分のライフスタイルに許容できるかどうかを検討することが重要です。

部屋のカスタマイズが難しい

賃貸物件であれば、ある程度は自分の好きな家具を置いたり、インテリアを工夫したりして、自分だけの空間を作り上げることができます。しかし、ホテルサブスクで提供される部屋は、あくまでも「ホテルの客室」または「備え付けの家具がある部屋」です。

そのため、家具の配置を変えたり、壁にポスターを貼ったりといったカスタマイズは基本的にできません。備え付けの家具が自分の好みや身体に合わない場合でも、我慢して使い続ける必要があります。例えば、「ワークチェアが体に合わず、長時間の作業が辛い」「収納がこの場所にあれば便利なのに」といった不満が出てくる可能性があります。自分の持ち物で部屋を彩ったり、使いやすくレイアウトしたりすることに喜びを感じる人にとっては、このカスタマイズ性の低さは大きなデメリットと感じるかもしれません。「自分の城」という感覚を持ちにくい点は、あらかじめ認識しておく必要があります。

住民票を移せない場合がある

公的な手続きやサービスを利用する上で重要となるのが「住民票」です。しかし、多くのホテルサブスクでは、滞在するホテルの住所に住民票を移すことが認められていません。これは、ホテルの客室が生活の本拠として法的に認められにくいためです。

住民票を移せない場合、以下のような問題が生じる可能性があります。

  • 公的な郵便物が受け取れない: 選挙の投票用紙や年金、税金に関する重要書類などが届きません。実家などに住民票を置いておく必要があります。
  • 地域の公的サービスが利用できない: 図書館の利用や地域のスポーツ施設の割引など、その自治体の住民向けのサービスが受けられません。
  • 本人確認書類の住所と現住所が異なる: 運転免許証やマイナンバーカードの住所変更ができず、現住所を証明する際に不便が生じることがあります。

一部のサービス(特にアパートメントタイプを提供するもの)では住民票の登録が可能な場合もありますが、これは例外的です。ホテルサブスクをメインの住まいとして長期間利用する予定の人は、住民票をどこに置くのか、それに伴う不便をどう解消するのかを事前に計画しておく必要があります。

キッチンや収納が少ない・共用のことがある

自炊を頻繁にする人や、荷物が多い人にとって、キッチンと収納の仕様は死活問題です。ホテルサブスクの部屋は、賃貸のワンルームマンションなどと比較して、キッチン設備が簡素であったり、収納スペースが限られていたりするケースが多く見られます。

  • キッチン: ビジネスホテルによくあるような、コンロが一口しかないミニキッチンや、電子レンジと電気ケトルのみという施設も少なくありません。本格的な料理を楽しみたい人には物足りないでしょう。また、キッチンが共用の場合、他の利用者と時間が重なって使えなかったり、調理器具や食器が十分に揃っていなかったりすることもあります。
  • 収納: クローゼットはあっても、一般的なアパートほど大きくないことがほとんどです。季節外れの衣類や趣味の道具、書籍など、荷物が多い人は収納場所に困る可能性があります。すべての荷物を持って移動するのではなく、一部を実家に置いたり、別途トランクルームを契約したりするといった対策が必要になるかもしれません。

同伴者が宿泊できない場合がある

友人や恋人、家族を部屋に呼びたい、あるいは一緒に泊まりたいと考えることもあるでしょう。しかし、ホテルサブスクでは同伴者の宿泊に関するルールが厳格に定められていることが多く、自由に人を泊めることは難しいのが実情です。

多くのサービスでは、契約者本人以外の宿泊は原則として禁止されています。プランによっては追加料金を支払うことで同伴者の宿泊が可能な場合もありますが、その場合でも「週末のみ可」「月に数日まで」といった制限が設けられていることがほとんどです。また、宿泊しない「訪問」であっても、時間帯や滞在時間に制限がある場合があります。これらのルールは、セキュリティや他の滞在者への配慮から設けられています。頻繁に来客がある人や、パートナーとの同棲を考えている人は、契約前に同伴者に関する規約を細部まで確認することが絶対に必要です。

ホテルサブスクはどんな人におすすめ?

メリットとデメリットを理解した上で、ホテルサブスクは具体的にどのような人に適しているのでしょうか。ここでは、ホテルサブスクを最大限に活用できる4つのタイプの人々について解説します。

特定の場所に縛られずに暮らしたい人

「アドレスホッパー」や「ノマドワーカー」と呼ばれる、特定の場所に定住せず、自由に移動しながら生活し、働く人々にとって、ホテルサブスクはまさに理想的なサービスです。

従来の賃貸契約の2年縛りや高額な初期費用は、彼らのフットワークを重くする大きな足かせでした。しかし、ホテルサブスクを利用すれば、月単位で契約でき、家具・家電付きの部屋に身軽に移り住むことができます。今日は海の見える湘南でサーフィンを楽しみながら仕事をし、来月は緑豊かな軽井沢で創作活動に没頭する、といったライフスタイルが現実のものとなります。

このように、「所有」よりも「体験」に価値を見出し、場所に縛られない自由な生き方を追求する人にとって、ホテルサブスクは暮らしのインフラとして不可欠なツールとなり得るでしょう。様々な地域での出会いや発見は、人生を豊かにし、新たなインスピレーションを与えてくれるはずです。

出張や転勤が多い人

全国各地への出張が多いビジネスパーソンや、数ヶ月から1年単位での短期的な転勤を命じられることが多い人にも、ホテルサブスクは非常に有効な選択肢です。

毎回出張のたびにホテルを予約する手間や、ウィークリーマンションを探す煩わしさから解放されます。多拠点型のサービスを利用すれば、主要都市にある提携ホテルを定額で利用でき、経費精算の手間も大幅に削減できます。

また、短期の転勤の場合、家具・家電を揃えて賃貸物件を借りるのは非効率的です。ホテルサブスクであれば、赴任期間だけ必要な設備が整った部屋に住むことができ、任期が終わればすぐに身軽に引き払うことができます。法人契約に対応しているサービスも多く、会社としても社員の住居手配コストや手間を削減できるため、福利厚生の一環として導入を検討する価値は高いと言えます。仕事のパフォーマンスを最大限に発揮するために、住環境のストレスをなくしたいビジネスパーソンに強くおすすめします。

ミニマルな暮らしをしたい人

「ミニマリズム」という考え方が広まる中、多くのモノを所有せず、必要最小限のモノだけでシンプルに暮らしたいと考える人が増えています。ホテルサブスクは、ミニマルな暮らしを実践するための最適な環境を提供してくれます。

生活に必要な家具・家電はすべて備え付けられているため、自分で大きなモノを所有する必要がありません。必然的に持ち物は衣類や身の回りの品だけになり、管理の手間やコストから解放されます。モノが少ないと、部屋がすっきりと片付くだけでなく、思考もクリアになり、本当に大切なことに集中しやすくなると言われています。

「モノの所有から解放されたい」「引っ越しのたびに大量の荷物を運ぶ生活から卒業したい」と考えている人にとって、ホテルサブスクは物理的にも精神的にも身軽な暮らしを実現するための一歩となるでしょう。

本格的な移住前にお試しで住んでみたい人

「いつかは地方でのんびり暮らしたい」「憧れのあの街に移住したい」と考えている人は少なくないでしょう。しかし、いきなり家を購入したり、長期の賃貸契約を結んだりするのは、大きなリスクを伴います。その街の気候や文化、コミュニティが自分に合うかどうかは、実際に住んでみないとわからないことが多いからです。

そこで役立つのが、ホテルサブスクを活用した「お試し移住」です。気になる街のホテルや提携施設に1ヶ月単位で滞在し、実際にその土地での生活を体験することができます。地域のスーパーで買い物をしたり、近所を散歩したり、地元の人と交流したりする中で、旅行では見えてこないその街のリアルな姿を知ることができます。

移住という大きな決断をする前に、その土地との相性を確かめるためのトライアル期間としてホテルサブスクを利用することで、移住後のミスマッチを防ぎ、後悔のない選択ができるようになります。この「お試し」ができる柔軟性は、ホテルサブスクならではの大きな魅力です。

ホテルサブスクを利用する際の注意点

予約の取りやすさを確認する、同伴者やペットの宿泊ルールを確認する、法人契約が可能か確認する

ホテルサブスクは非常に便利なサービスですが、契約前に確認しておくべきいくつかの注意点があります。これらを怠ると、期待していたような快適な生活が送れなくなる可能性もあるため、慎重にチェックしましょう。

予約の取りやすさを確認する

特に全国の拠点を自由に移動できる多拠点型のサービスを利用する場合、「予約の取りやすさ」は非常に重要なポイントです。人気のあるサービスや施設では、希望する日に予約が取れないという事態が起こり得ます。

  • 人気施設や時期の集中: 都心部の駅近ホテルや、景色の良いリゾート地の施設は人気が集中しがちです。また、ゴールデンウィークやお盆、年末年始といった長期休暇の期間は、予約が数ヶ月前から埋まってしまうこともあります。
  • 直前の予約: 「明日から急に別の場所に行きたくなった」という場合、直前の予約がどれくらい可能かを確認しておくことも大切です。サービスによっては、直前予約に強いプランや、キャンセル待ちの仕組みがある場合もあります。
  • 予約システムの使いやすさ: Webサイトやアプリの操作性もチェックしておきましょう。空室状況が一目でわかり、スムーズに予約・変更・キャンセルができるシステムは、ストレスなくサービスを使い続ける上で欠かせません。

可能であれば、SNSの口コミや利用者のブログなどを参考にして、リアルな予約状況を調べてみることをおすすめします。「いつも希望のホテルが予約でいっぱいで、結局あまり使えていない」といった声がないか、確認しておくと良いでしょう。

同伴者やペットの宿泊ルールを確認する

デメリットの項でも触れましたが、同伴者やペットに関するルールは、トラブルを避けるために必ず契約前に詳細まで確認してください。

  • 同伴者の定義とルール:
    • 「同伴者」には、友人や恋人だけでなく、家族(親、兄弟、子ども)も含まれるのか。
    • 宿泊が可能な場合、追加料金はいくらか。
    • 宿泊可能な日数に制限(例:月3泊まで)はあるか。
    • 宿泊しない「訪問(デイユース)」の場合でも、事前の申請や時間制限があるか。
    • 契約者本人と同時にチェックイン・チェックアウトする必要があるか。
  • ペットの宿泊ルール:
    • そもそもペット可の施設があるか。サービス全体でペット不可の場合も多いです。
    • ペット可の場合、犬種や大きさ、頭数に制限はないか。
    • 追加料金や清掃費用は発生するか。
    • ケージの持参など、滞在中のルールはあるか。

これらのルールはサービスごと、さらには施設ごとに異なる場合があります。「大丈夫だろう」という思い込みは禁物です。公式サイトのQ&Aや利用規約を隅々まで読み込み、不明な点があればカスタマーサポートに問い合わせて、書面などで明確な回答を得ておくと安心です。

法人契約が可能か確認する

出張や転勤、福利厚生など、ビジネス目的でホテルサブスクの利用を検討している場合は、法人契約に対応しているかを確認することが必須です。

  • 法人向けプランの有無: 個人契約とは別に、法人向けの特別なプランが用意されている場合があります。複数人での利用や、請求書払いなど、法人のニーズに合わせた柔軟な対応が期待できます。
  • 経費精算のしやすさ: 会社として経費で処理する場合、請求書や領収書の発行がスムーズに行えるかは重要なポイントです。インボイス制度に対応しているかも確認しましょう。
  • 福利厚生としての導入: 社員のワーケーションや多拠点での勤務を支援する福利厚生として導入する場合、社員が利用しやすい仕組みになっているか、管理部門の手間はどの程度か、といった視点での検討も必要です。

法人契約を前提とする場合は、サービスの営業担当者に直接問い合わせ、自社のニーズに合った利用方法を相談するのが最も確実です。複数のサービスを比較検討し、コストや利便性、サポート体制などを総合的に判断しましょう。

ホテルサブスクの費用は賃貸と比べてどう?

「ホテルサブスクは結局、賃貸よりも高いのか安いのか?」これは多くの人が抱く疑問でしょう。単純な月額料金だけを見るとホテルサブスクの方が高く見えることもありますが、トータルコストで比較すると、必ずしもそうとは限りません。ここでは、東京23区のワンルームに住むケースを想定して、両者の費用を比較してみましょう。

【比較モデル】東京23区・ワンルーム(25㎡)に1年間住む場合の費用シミュレーション

項目 賃貸物件 ホテルサブスク 備考
初期費用
敷金(家賃1ヶ月分) 100,000円 0円
礼金(家賃1ヶ月分) 100,000円 0円
仲介手数料(家賃1ヶ月分+税) 110,000円 0円
前家賃 100,000円 120,000円 サブスクは初月料金のみ
鍵交換費用 20,000円 0円
火災保険料 15,000円 0円
保証会社利用料 50,000円 0円
初期費用合計 495,000円 120,000円 差額:375,000円
ランニングコスト(月額)
家賃 100,000円 120,000円 サブスク料金は一例
水道・光熱費 10,000円 0円 サブスクは料金に込み
インターネット代 5,000円 0円 サブスクは料金に込み
月額合計 115,000円 120,000円 差額:5,000円/月
その他(初回のみ)
家具・家電購入費 200,000円 0円
引っ越し費用 50,000円 0円
その他合計 250,000円 0円 差額:250,000円
1年間のトータルコスト 1,985,000円 1,440,000円 差額:545,000円
(初期費用 + その他 + 月額費用×12ヶ月) (49.5万 + 25万 + 11.5万×12) (12万 + 0 + 12万×11)

※上記はあくまで一例であり、物件やサービス、個人のライフスタイルによって金額は変動します。

このシミュレーションからわかるように、月々の支払額はホテルサブスクの方が若干高い場合でも、賃貸で発生する高額な初期費用(敷金・礼金など)や、家具・家電の購入費用、引っ越し費用がかからないため、1年間のトータルコストで見るとホテルサブスクの方が安くなる可能性があります。

さらに、この比較には含まれていないホテルサブスクの付加価値も考慮する必要があります。

  • 清掃サービス: 自分で掃除する時間(機会費用)が節約できる。
  • 手続きの手間: ライフラインの契約・解約といった煩雑な手続きが不要。
  • 柔軟性: 2年契約などの縛りがなく、1ヶ月単位で解約できるため、ライフプランの変化に柔軟に対応できる。

結論として、ホテルサブスクが賃貸より高いか安いかは、利用期間とライフスタイルに大きく依存します。数ヶ月から1年程度の短期〜中期的な滞在であれば、トータルコストでホテルサブスクに軍配が上がることが多いでしょう。一方で、同じ場所に2年以上住み続ける予定であれば、初期費用を償却できるため、賃貸の方が割安になる可能性が高まります。

重要なのは、目先の月額料金だけでなく、初期費用から見えないコスト(手間、時間、柔軟性)まで含めた総合的なコストパフォーマンスで判断することです。

ホテルサブスクに関するよくある質問

ここでは、ホテルサブスクの利用を検討している方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

1ヶ月だけの短期間でも利用できる?

はい、多くのサービスで1ヶ月だけの短期間利用が可能です。

ホテルサブスクは、もともと中長期滞在を想定しつつも、賃貸契約のような長期の縛りがないのが大きな特徴です。そのため、多くのサービスが「1ヶ月単位」での契約・解約に対応しています。

  • お試し利用: 「まずは1ヶ月だけ試してみて、自分に合うかどうか判断したい」というニーズに応えられます。
  • 特定の目的での利用: 「来月の1ヶ月間だけ、集中的に作業する場所が欲しい」「長期休暇を利用して1ヶ月だけ地方暮らしを体験したい」といった目的にも最適です。

ただし、サービスによっては最低利用期間が2ヶ月や3ヶ月に設定されている場合や、1ヶ月だけの利用だと料金が割高になるプランもあります。契約前には必ず、最低利用期間と、期間に応じた料金体系を確認しましょう。

住民票は移せる?

いいえ、基本的には移せないケースがほとんどです。

前述のデメリットでも解説した通り、ホテルの客室は法的に「生活の本拠」とは見なされにくいため、住民票を登録することは原則としてできません。これは、ホテルサブスクを利用する上で最も注意すべき点の一つです。

  • 対策: 多くの利用者は、実家や親族の家などに住民票を置かせてもらい、郵便物などを転送してもらう形で対応しています。
  • 例外: 一部のサービスでは、マンスリーマンションやサービスアパートメントタイプの物件を提供しており、そうした施設では住民票の登録が可能な場合があります。住民票の移動が必須条件である場合は、「住民票登録可」を明記しているサービスや物件に絞って探す必要があります。

公的な手続きやサービスに影響が出る可能性があるため、住民票をどうするかは利用開始前に必ず計画を立てておきましょう。

2人以上で利用できるサービスはある?

はい、2人以上で利用できるサービスやプランも増えてきています。

当初は単身者向けのサービスが中心でしたが、カップルや友人同士、家族での利用ニーズの高まりを受け、各社が対応を進めています。

  • 2名利用プラン: ダブルベッドやツインベッドの部屋を用意し、2名での利用を前提としたプランを提供しているサービスがあります。1名利用時よりも割安な追加料金で利用できることが多いです。
  • 同伴者追加オプション: 基本は1名プランですが、追加料金を支払うことで同伴者の宿泊を許可するオプションを用意しているサービスもあります。
  • ファミリー向け物件:数はまだ少ないですが、goodroomホテルパスのように、広い間取りのサービスアパートメントを提供し、家族での利用に対応しているサービスも存在します。

ただし、どのサービス・施設でも2名以上で利用できるわけではありません。予約時に利用人数を選択できるか、公式サイトのFAQや利用規約で「2名利用」「同伴者」に関する規定を必ず確認してください。

光熱費は月額料金に含まれる?

はい、ほとんどのサービスで月額料金に含まれています。

水道・ガス・電気といった光熱費や、高速Wi-Fiなどのインターネット通信費が、月額料金にコミコミになっている点は、ホテルサブスクの大きなメリットの一つです。

これにより、以下の利点があります。

  • 費用の明確化: 毎月の住居関連費が定額となり、家計の管理が非常にシンプルになります。「今月は電気を使いすぎたかな」といった心配も不要です。
  • 手続きの簡略化: 面倒なライフラインの契約・開通・解約手続きが一切不要で、入居したその日から快適に利用を開始できます。

ただし、ごく稀に、共益費として別途請求されるプランや、一定の使用量を超えると追加料金が発生する規定がある場合も考えられます。念のため、料金体系の詳細に「光熱費・通信費込み」と明記されているかを確認しておくと、より安心です。

まとめ

ホテルのサブスクリプションサービスは、単なる「宿泊」や「居住」の新しい形に留まらず、私たちの「暮らし方」そのものに革命をもたらす可能性を秘めたサービスです。

この記事では、ホテルサブスクの基本から選び方、具体的なサービス、メリット・デメリットまでを網羅的に解説してきました。最後に、重要なポイントを振り返ります。

  • ホテルサブスクとは: 月額定額制で、初期費用やインフラ契約の手間なく、家具・家電付きの部屋に住めるサービス。
  • 選び方のポイント: 「滞在スタイル」「エリア」「予算」「設備」「利用人数」の5つの軸で、自分の目的を明確にすることが重要。
  • メリット: 初期費用の抑制、身軽な生活の開始、煩雑な手続きの不要化、場所の自由、家事の負担軽減など、多岐にわたる。
  • デメリット: 部屋のカスタマイズ不可、住民票の問題、限定的なキッチン・収納、同伴者ルールの制約など、事前に理解すべき点もある。
  • 費用: 賃貸と比較すると、月額料金だけでなく初期費用や付帯サービスを含めたトータルコストで判断することが賢明。特に短期〜中期滞在ではコストメリットが大きい。

働き方やライフスタイルが多様化する現代において、「一つの場所に縛られる」という従来の常識は絶対的なものではなくなりました。リモートワークをしながら全国を旅するように暮らす、本格的な移住の前にお試しで住んでみる、出張や転勤をより快適で生産的なものにする。ホテルサブスクは、こうした新しい時代のニーズに応え、一人ひとりが理想のライフスタイルを追求するための強力な選択肢となります。

この記事でご紹介した情報を参考に、ご自身の価値観や計画に最も合ったホテルサブスクリプションサービスを見つけ、新しい暮らしへの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。そこにはきっと、これまで想像もしなかったような、自由で豊かな毎日が待っているはずです。