おしゃれなホテルインテリア実例20選 自宅で真似できるコーデ術も紹介

おしゃれなホテルインテリア実例20選、自宅で真似できるコーデ術も紹介

日常の喧騒から離れ、旅先で訪れるホテル。そこには、洗練されたデザインと落ち着きのある雰囲気が広がり、心からリラックスできる特別な時間が流れています。もし、そんな非日常的で上質な空間を自宅で再現できたなら、毎日の暮らしはどれほど豊かになるでしょうか。

この記事では、憧れの「ホテルライクなインテリア」を自宅で実現するための具体的な方法を、基本原則から実践的なコツ、部屋別のコーディネート術まで、網羅的に解説します。さらに、テイスト別の「おしゃれなホテルインテリア実例20選」を通じて、あなたの理想の空間を見つけるお手伝いをします。

この記事を最後まで読めば、まるで高級ホテルのスイートルームのような、美しく整えられた空間作りのノウハウが身につき、日々の生活の質を大きく向上させる第一歩を踏み出せるはずです。

ホテルライクなインテリアとは?

ホテルライクなインテリアとは?

「ホテルライクなインテリア」という言葉を耳にする機会は増えましたが、具体的にどのようなスタイルを指すのでしょうか。それは単に「ホテルのような」という曖昧なイメージではありません。そこには、訪れる人に最高のくつろぎと非日常的な高揚感を提供するための、計算し尽くされたデザイン哲学が息づいています。このセクションでは、ホテルライクなインテリアを構成する二つの重要な要素、「高級感と非日常感」、そして「生活感の排除」について掘り下げ、その本質に迫ります。

高級感と非日常感が融合した洗練された空間

ホテルライクなインテリアの最も大きな特徴は、高級感と非日常感が絶妙に融合した、洗練された空間であることです。この独特の雰囲気は、いくつかの要素が組み合わさることで生まれます。

第一に、素材選びへのこだわりが挙げられます。例えば、光沢のある大理石や御影石、重厚感のあるウォールナットやマホガニーといった天然木、滑らかな手触りのレザー、光を柔らかく反射する真鍮やブロンズなどの金属。これらの上質な素材は、視覚的な美しさだけでなく、触れたときの感触からも高級感を伝えます。自宅で再現する場合、全ての家具を高級素材で揃えるのは難しいかもしれませんが、例えばサイドテーブルの天板だけを大理石調にする、ドアノブや照明のパーツに真鍮を取り入れるなど、ポイントで使うだけでも空間の質を格段に向上させられます。

第二に、統一感のあるカラーコーディネートが不可欠です。多くの高級ホテルでは、ホワイト、ベージュ、グレー、ダークブラウンといった落ち着いたベーシックカラーを基調にしています。色数を絞り、トーンを合わせることで、空間全体にまとまりが生まれ、落ち着きと洗練された印象を与えます。そこに、クッションやアート、小物などでアクセントカラーを少量加えることで、空間に深みと個性を与えるのです。この色の配分には「70:25:5」という黄金比があり、後のセクションで詳しく解説します。

第三に、ミニマルで計算された家具配置も重要な要素です。ホテルライクな空間には、不要な家具やモノがほとんどありません。一つひとつの家具が、デザイン性と機能性を両立させた上で、空間全体のバランスを考えて配置されています。ゆったりとした余白が確保されているため、圧迫感がなく、開放的で贅沢な印象を生み出します。この「余白の美」こそが、非日常的な特別感を演出する鍵となります。

これらの要素が組み合わさることで、私たちはホテルの部屋に足を踏み入れた瞬間に、日常とは切り離された特別な空間であることを直感的に感じ、心が高揚するのです。自宅でこの感覚を再現することは、日々の暮らしに新鮮な刺激と満足感をもたらしてくれるでしょう。

生活感をなくし、心からリラックスできるスタイル

ホテルライクなインテリアのもう一つの本質は、徹底的に生活感を排除し、心からリラックスできる環境を作り出すことにあります。私たちが自宅でくつろげない原因の一つは、視界に入る様々な「生活感」にあります。例えば、カラフルなパッケージのティッシュ箱、出しっぱなしの郵便物、絡まった充電ケーブル、雑然と置かれたリモコン類などです。これらは無意識のうちに「片付けなければ」「処理しなければ」という思考を働かせ、精神的なノイズとなってリラックスを妨げます。

ホテルでは、これらの生活感を巧妙に隠す工夫が随所に見られます。ティッシュはデザイン性の高いケースに入れられ、ゴミ箱はキャビネットの中に隠され、配線は壁や家具の裏を通って見えないようになっています。日用品や備品は、扉付きのクローゼットや引き出しに整然と収納され、ゲストの目には触れません。

この「生活感を隠す」という思想を自宅に取り入れることが、ホテルライクな空間を実現するための最も重要なステップです。具体的には、以下のようなアプローチが考えられます。

  • 収納計画の見直し: 生活感の源となる日用品は、基本的に扉付きの収納や蓋付きのボックスに「隠す収納」を徹底します。収納家具自体も、壁の色と合わせるなどして存在感を消すと、より空間がすっきりと見えます。
  • モノの定位置化: 全てのモノに「住所」を決め、使ったら必ずそこに戻す習慣をつけます。これにより、モノが散らかるのを防ぎ、常に整頓された状態を維持できます。「どこに何があるか」が明確になるため、探し物をするストレスからも解放されます。
  • デザイン性の高い日用品の選択: どうしても表に出しておく必要があるモノ(ティッシュケース、ゴミ箱、ソープディスペンサーなど)は、インテリアに馴染むシンプルで上質なデザインのものを選びましょう。色や素材を統一するだけで、生活感を大幅に軽減できます。

このように生活感を徹底的に排除することで、視界からノイズがなくなり、脳は休息モードに入りやすくなります。何にも邪魔されず、ただ純粋に空間の美しさや快適さを味わうことができる。それこそが、ホテルライクなインテリアがもたらす究極のリラクゼーションであり、多くの人が憧れる理由なのです。

自宅をホテルライクにする3つのメリット

毎日の暮らしが豊かになりQOLが向上する、常に整理整頓された美しい部屋を維持できる、来客に洗練された印象を与えられる

自宅のインテリアをホテルライクなスタイルに変えることは、単に部屋がおしゃれになる以上の価値をもたらします。それは、日々の生活の質そのものを向上させ、心に豊かさと余裕を与えてくれる、自己投資とも言えるでしょう。ここでは、自宅をホテルライクにすることで得られる3つの大きなメリットについて、具体的に解説します。

① 毎日の暮らしが豊かになりQOLが向上する

ホテルライクなインテリアがもたらす最大のメリットは、毎日の暮らしが豊かになり、QOL(Quality of Life=生活の質)が向上することです。

朝、目を覚ました瞬間、そこがまるで高級ホテルのように整然と美しい空間だったらどうでしょうか。柔らかな間接照明の光、肌触りの良いリネン、統一された色調の落ち着いたインテリア。そんな空間で一日を始められれば、心は穏やかに整い、ポジティブな気持ちでスタートを切ることができます。慌ただしい朝の準備も、洗練された空間で行うことで、どこか優雅な時間へと変わるかもしれません。

仕事や外出先から疲れて帰宅したときも同様です。ドアを開けた瞬間に広がるのが、生活感のないリラックスできる空間であれば、「家に帰ってきた」という安心感は格別なものになります。ソファに座って好きな音楽を聴いたり、美しい照明の下で読書をしたりする時間は、一日の疲れを癒し、明日への活力を充電するための、かけがえのないひとときとなるでしょう。

このように、住環境が心に与える影響は非常に大きいものです。美しく、快適で、心から安らげる空間は、日々のストレスを軽減し、精神的な充足感をもたらします。それは、高価なものを買うといった一時的な満足とは異なり、毎日続く持続的な幸福感につながります。ホテルライクな空間作りは、自分自身と家族を大切にするための、最も効果的な方法の一つと言えるのです。

② 常に整理整頓された美しい部屋を維持できる

二つ目のメリットは、常に整理整頓された美しい部屋を維持しやすくなることです。これは、ホテルライクなインテリアの「仕組み」そのものに理由があります。

前述の通り、ホテルライクな空間の基本は「生活感の排除」と「モノの定位置化」です。このスタイルを目指す過程で、自然と持ち物を見直し、本当に必要なものだけを選ぶ「断捨離」が進みます。そして、残した全てのモノに最適な収納場所、つまり「定位置」を決めることになります。

一度この仕組みが完成すると、日々の片付けは「使ったモノを定位置に戻すだけ」という非常にシンプルな作業になります。「どこにしまおうか」と悩む必要がなくなり、無意識のうちに片付けが習慣化していくのです。散らかる前にリセットするサイクルが身につくため、「大掃除」のような大掛かりな片付けの頻度も劇的に減るでしょう。

さらに、美しい空間を維持したいという心理的な効果も働きます。せっかく整えたお気に入りの空間を、散らかった状態にしたくないという気持ちが、整理整頓へのモチベーションを高く保ってくれます。床にモノを置かなくなったり、テーブルの上を常にクリアに保つようになったりと、行動そのものが変わっていくのです。

このように、ホテルライクなインテリアは、精神論ではなく「仕組み」によって整理整頓をサポートします。常に片付いた美しい部屋は、急な来客に慌てることもなく、探し物で時間を無駄にすることもありません。それは、時間的にも精神的にも大きな余裕を生み出し、より快適でストレスフリーな毎日へとつながります。

③ 来客に洗練された印象を与えられる

三つ目のメリットは、家族や友人など、自宅を訪れた人に洗練された印象を与えられることです。インテリアは、その人の個性やライフスタイルを映し出す鏡のようなもの。美しく整えられたホテルライクな空間は、住む人の美意識や丁寧な暮らしぶりを雄弁に物語ります。

ゲストを招いた際、統一感のあるインテリア、選び抜かれた家具や小物、そして清潔で整頓された空間は、何よりもの「おもてなし」になります。ゲストは非日常的で心地よい空間に感動し、「素敵な家に住んでいるね」「センスがいいね」といったポジティブな評価をしてくれるでしょう。それは、家主にとって大きな喜びであり、自信にもつながります。

また、会話のきっかけにもなります。こだわりのアートや照明、上質なファブリックなどについて話が弾み、コミュニケーションがより豊かになることも少なくありません。ただ食事をしたりお茶を飲んだりするだけでなく、空間そのものを楽しんでもらうという、ワンランク上のおもてなしが可能になります。

もちろん、見栄のためだけにインテリアを整えるわけではありません。しかし、自分のこだわりや美意識が詰まった空間を他者と共有し、喜んでもらえるという経験は、非常に満たされた気持ちにさせてくれるものです。それは、自分の好きなものに囲まれて暮らす自己満足だけでなく、社会的なつながりの中でもポジティブな影響をもたらす、ホテルライクインテリアの隠れた魅力と言えるでしょう。

ホテルライクなインテリアを作るための基本原則

憧れのホテルライクな空間は、決して感覚だけで作られているわけではありません。そこには、空間を美しく、心地よく見せるための普遍的な「基本原則」が存在します。このセクションでは、その核となる「カラーコーディネート」「収納」「照明計画」「家具選び」の4つの原則を、具体的なテクニックと共に詳しく解説します。これらの原則を理解し、自分の部屋に取り入れることで、誰でも洗練された空間作りの第一歩を踏み出すことができます。

統一感を出すカラーコーディネート術

空間の印象を最も大きく左右するのが「色」です。ホテルライクなインテリアにおいて、色の使い方を制することは、成功の半分を手にしたと言っても過言ではありません。ポイントは、色数を抑え、全体のトーンを統一することです。

ベースカラー・アソートカラー・アクセントカラーの黄金比

インテリアの配色を考える上で非常に有効なのが、「ベースカラー:アソートカラー:アクセントカラー = 70:25:5」という黄金比です。この比率を意識するだけで、バランスの取れた美しい配色が簡単に作れます。

カラーの種類 割合 該当する要素の例 役割と選び方のポイント
ベースカラー 約70% 壁、天井、床 空間の最も広い面積を占める基本の色。ホワイト、アイボリー、ライトグレー、ベージュなど、明るく飽きのこないニュートラルカラーが基本。
アソートカラー 約25% ソファ、カーテン、ラグ、ベッドカバー、大きな家具 空間のテーマや印象を決定づける主役の色。ベースカラーと調和しつつ、少し変化をつける色を選ぶ。ダークグレー、ブラウン、グレージュなどが人気。
アクセントカラー 約5% クッション、アート、花瓶、小物 空間にメリハリと個性を与える差し色。アソートカラーの反対色や、彩度の高い鮮やかな色を選ぶと効果的。ゴールド、ブラック、ネイビー、ボルドーなど。

【具体的な配色例】

  • モダンでスタイリッシュな空間を目指すなら…
    • ベースカラー:ホワイト
    • アソートカラー:チャコールグレー
    • アクセントカラー:ブラック、シルバー
  • 温かみのあるナチュラルな空間を目指すなら…
    • ベースカラー:アイボリー
    • アソートカラー:グレージュ、ライトブラウン(木の色)
    • アクセントカラー:観葉植物のグリーン、テラコッタ
  • 重厚でラグジュアリーな空間を目指すなら…
    • ベースカラー:ダークグレー
    • アソートカラー:ウォールナット(濃い木の色)、ブラック
    • アクセントカラー:ゴールド、真鍮

このように、黄金比に沿って色を選ぶことで、雑然とした印象を避け、プロがコーディネートしたような統一感のある空間を作り出すことができます。

生活感を隠す収納のアイデア

ホテルライクな空間の鍵は「生活感の排除」です。そのためには、巧みな収納計画が欠かせません。ポイントは、見せるものと隠すものを明確に区別し、それぞれに適した収納方法を選ぶことです。

見せる収納と隠す収納の使い分け

  • 隠す収納(生活感のあるモノ):
    日常的に使うティッシュのストック、掃除用具、書類、カラフルなパッケージの食品などは、徹底的に隠しましょう。扉付きのキャビネットやクローゼット、引き出しが最適です。収納家具の色を壁の色と合わせると、家具の存在感が薄れ、空間がより広くすっきりと見えます。細々したものは、同じデザインのボックスやバスケットに入れてから収納すると、扉を開けた時も美しく、管理しやすくなります。
  • 見せる収納(デザイン性の高いモノ):
    一方で、お気に入りの洋書、デザイン性の高いオブジェ、美しいボトルデザインのフレグランスなどは、あえて「見せる収納」でインテリアの一部として楽しみましょう。飾り棚やコンソールテーブルの上に、「余白」をたっぷりとってディスプレイするのがコツです。モノを詰め込みすぎず、厳選した数点をリズミカルに配置することで、ギャラリーのような洗練された雰囲気が生まれます。置くものの高さや素材感に変化をつけると、より表情豊かなディスプレイになります。

この「見せる」と「隠す」のメリハリが、すっきりとしていながらも、無機質ではない、温かみと個性を感じさせる空間を作り出します。

空間を演出する照明計画

日本の多くの家庭では、部屋の中央にあるシーリングライト一つで全体を均一に明るく照らす「一室一灯照明」が主流です。しかし、ホテルライクな空間を演出するには、複数の照明を組み合わせて光と影を巧みに操る「多灯分散照明」が不可欠です。

間接照明でつくる陰影と奥行き

間接照明とは、光源が直接目に入らず、壁や天井に反射した光で空間を照らす手法です。この柔らかな光が、空間に陰影(光と影のコントラスト)を生み出し、立体感と奥行きを演出します。陰影は、人にリラックス効果や落ち着きをもたらすことが知られており、心地よい空間作りには欠かせない要素です。

【具体的な照明の組み合わせ例】

  • フロアランプ: ソファの横や部屋のコーナーに置くことで、空間のアクセントとなり、読書灯としても機能します。
  • テーブルランプ: サイドテーブルやコンソールの上に置き、手元を照らしつつ、インテリアのオブジェとしての役割も果たします。
  • ダウンライト: 天井に埋め込むタイプの照明。壁際やアートを照らすように配置すると、効果的に陰影を作り出せます。
  • コーブ照明・コーニス照明: 天井や壁の造作に照明を仕込み、光を反射させる手法。空間全体を柔らかく包み込むような、上質でドラマチックな光を演出できます。

これらの照明を、シーンに合わせて点灯したり、調光機能で明るさを調整したりすることで、食事の時間、くつろぎの時間、就寝前の時間など、目的に応じた最適な雰囲気を作り出すことができます。

家具選びで高級感を演出する

空間の骨格となる家具の選び方も、ホテルライクなインテリアを左右する重要な要素です。高価なブランド家具で揃える必要はありません。「素材感」「デザイン性」「高さ」の3つのポイントを押さえることで、高級感を演出することができます。

素材感とデザイン性にこだわる

家具を選ぶ際は、色や形だけでなく、その素材が持つ「質感」に注目しましょう。例えば、同じブラウンのテーブルでも、プリント化粧板と無垢のウォールナット材では、見た目の深みや手触りが全く異なります。レザー、ベルベット、リネンといったファブリックも同様で、素材の質感が空間全体のクラス感を決定づけます。
デザインは、奇をてらわないシンプルで直線的なフォルムのものがおすすめです。飽きが来ず、他のインテリアとも調和しやすいため、長く愛用できます。細部のディテール、例えば脚のデザインや取っ手の素材などにこだわって選ぶと、さりげない上質さが漂います。

低めの家具で開放感を出す

日本の住宅は天井高が限られていることが多いですが、家具の高さを低めに抑えることで、視線が抜け、空間に開放感が生まれます。具体的には、ソファはアームレスやローバックタイプ、テレビボードやリビングテーブルも背の低いものを選ぶと良いでしょう。目線より上に大きな家具がなくなることで、壁の面積が広く見え、天井が高く感じられます。この視覚的な広がりが、ホテルのようなゆったりとした贅沢な雰囲気につながるのです。

これらの基本原則を理解し、一つひとつ丁寧に取り入れていくことで、あなたの部屋は確実に洗練されたホテルライクな空間へと近づいていくでしょう。

自宅で実践できる!ホテルライクな部屋を作る7つのコツ

色の数を3色以内に絞り統一感を出す、シンメトリーを意識して家具を配置する、間接照明や複数の照明を組み合わせて使う、カーテンやベッドリネンなど上質なファブリックを選ぶ、大きな鏡を設置して空間を広く見せる、アートやグリーンでアクセントを加える、ディフューザーなどで香りを演出する

ホテルのような洗練された空間を作るための基本原則を理解したら、次はいよいよ実践です。ここでは、誰でも今日から取り入れられる、より具体的で効果的な7つのコツを紹介します。これらのテクニックを組み合わせることで、あなたの部屋は劇的に変わり、理想のホテルライクなインテリアが現実のものとなります。

① 色の数を3色以内に絞り統一感を出す

最も手軽で効果絶大なのが、空間全体で使う色を3色以内に絞ることです。情報量が整理され、瞬時に統一感のある洗練された印象になります。前述の「ベースカラー(70%)、アソートカラー(25%)、アクセントカラー(5%)」の黄金比を意識しましょう。

例えば、壁や床がベージュ系(ベースカラー)なら、ソファやカーテンはグレー(アソートカラー)にし、クッションやアートでブラック(アクセントカラー)を少し加える、といった具合です。
すでに持っている家具の色がバラバラな場合は、大きな布(マルチカバー)でソファを覆ったり、ラグを敷いたりしてアソートカラーの面積を確保するだけでも、印象は大きく変わります。まずは、部屋の中を見渡し、メインとなる3色を決めることから始めてみましょう。特に、小物類の色をアクセントカラーで統一するだけでも、ごちゃごちゃした印象が薄れ、まとまりが生まれます。

② シンメトリー(左右対称)を意識して家具を配置する

ホテル客室の多くで採用されているのが、シンメトリー(左右対称)のレイアウトです。シンメトリーな配置は、人間の脳に安定感、調和、フォーマルさといった印象を与え、空間に落ち着きと格式をもたらします。

最も取り入れやすいのが寝室です。ベッドを部屋の中央に置き、両サイドに同じデザインのナイトテーブルとテーブルランプを配置するだけで、一気にホテルのような雰囲気が高まります。リビングであれば、ソファを中心に置き、両脇に同じクッションやフロアランプを置いたり、テレビの両側に同じ観葉植物を飾ったりするのも効果的です。
全ての家具をシンメトリーにする必要はありません。部屋の主役となるフォーカルポイント(視線が集中する場所)でこのテクニックを使うだけで、空間全体がぐっと引き締まり、整然とした美しさが生まれます。

③ 間接照明や複数の照明を組み合わせて使う

日本の住まいで一般的な、天井のシーリングライト一つだけの照明から脱却しましょう。複数の照明を効果的に使う「多灯分散」が、ホテルライクな陰影と雰囲気を作り出す鍵です。

まずは、今あるシーリングライトを調光・調色機能付きのものに変えるだけでも、時間帯や気分に合わせて光をコントロールできるようになります。さらに、フロアランプやテーブルランプといった間接照明を1〜2点追加してみましょう。
例えば、ソファの横に背の高いフロアランプを置けば、夜はシーリングライトを消してフロアランプの灯りだけで過ごすことで、ムーディーでリラックスした雰囲気になります。壁際に光を当てたり、観葉植物を下から照らしたりすると、美しい光と影のコントラストが生まれ、部屋に奥行きが感じられるようになります。コンセントに差し込むだけで使える照明も多いので、賃貸住宅でも手軽に始められるテクニックです。

④ カーテンやベッドリネンなど上質なファブリックを選ぶ

ソファやベッド、窓など、部屋の中で大きな面積を占めるファブリックは、空間の印象を大きく左右します。カーテンやベッドリネン、ラグ、クッションカバーといった布製品を、少し上質なものに変えてみましょう

ポイントは「素材感」と「色」です。例えば、ベッドリネンを光沢のあるコットンサテンや、洗いざらしの風合いが心地よいリネン素材にするだけで、寝室のクラス感が格段にアップします。色は、白やグレー、ベージュといったベーシックカラーで統一すると、清潔感と落ち着きが生まれます。
カーテンは、床まで届く丈の長さのものを選ぶのがおすすめです。縦のラインが強調されて天井が高く見え、エレガントな印象になります。ドレープカーテンとレースカーテンを組み合わせることで、光の調整もしやすくなり、より豊かな表情を演出できます。

⑤ 大きな鏡を設置して空間を広く見せる

ホテルでよく見かける大きな鏡には、身だしなみをチェックする以外にも重要な役割があります。鏡は光を反射して部屋を明るくし、視覚的な奥行きを生み出すことで、空間を広く見せる効果があります。

玄関や廊下、リビングの壁など、少し手狭に感じる場所に姿見のような大きな鏡を設置してみましょう。特に、窓の対面の壁に設置すると、外の光や景色を映し込み、開放感が飛躍的に高まります。
また、鏡のフレームのデザインも重要です。シンプルなメタルフレームならモダンに、装飾的な木彫りのフレームならクラシックにと、フレーム自体がインテリアのアクセントになります。鏡を単なる実用品ではなく、壁を飾るアートの一つとして捉えると、コーディネートの幅が広がります。

⑥ アートやグリーンでアクセントを加える

ミニマルで統一感のある空間は美しいですが、それだけだと少し無機質で冷たい印象になってしまうことも。そこで活躍するのが、アートや観葉植物といったアクセント要素です。これらは、空間に彩り、生命感、そして住む人の個性を加えてくれます。

アートは、大きなサイズの抽象画を一つ壁にかけるだけで、部屋のフォーカルポイントとなり、空間全体が引き締まります。どの絵を選べばいいか分からない場合は、クッションや小物で使っているアクセントカラーが含まれるアートを選ぶと、コーディネートにまとまりが出ます。
観葉植物は、どんなインテリアテイストにも馴染み、空間に癒しと潤いを与えてくれます。大きな葉を持つモンステラやフィカスなどはリビングのシンボルツリーに、小ぶりなポトスやアイビーは棚から垂らすように飾るなど、大小さまざまなグリーンをリズミカルに配置すると、生き生きとした空間になります。

⑦ ディフューザーなどで香りを演出する

高級ホテルに足を踏み入れた瞬間、ふわりと漂う心地よい香りに気づいたことはありませんか? 空間を香りで演出することも、ホテルライクな体験を深めるための重要な要素です。視覚や触覚だけでなく、嗅覚にもアプローチすることで、より没入感のあるリラックス空間が完成します。

リビングにはリフレッシュできるシトラス系や、落ち着きのあるウッド系の香り、寝室にはリラックス効果の高いラベンダーやカモミールといった香りなど、部屋の用途に合わせて香りを選ぶのがおすすめです。
香りのアイテムは、リードディフューザー、アロマストーン、アロマキャンドル、ルームスプレーなど様々です。ボトルやパッケージのデザインにもこだわり、インテリアの一部として美しく見えるものを選ぶのがホテルライク流。お気に入りの香りに包まれることで、自宅がさらに特別な場所になるはずです。

【部屋別】ホテルライクなコーディネート術

リビング:開放感とくつろぎが共存する空間、寝室:一日の疲れを癒す上質な空間、ダイニング:特別な食事の時間を演出する空間、洗面所・バスルーム:清潔感と高級感のある空間

これまでに紹介した基本原則と7つのコツを、実際の部屋にどう落とし込んでいくか。ここでは「リビング」「寝室」「ダイニング」「洗面所・バスルーム」という4つの主要な空間別に、より具体的なコーディネート術を解説します。それぞれの部屋の機能と特性に合わせた工夫で、家全体を統一感のあるホテルライクな空間へと昇華させましょう。

リビング:開放感とくつろぎが共存する空間

家族が集まったり、ゲストをもてなしたりするリビングは、家の顔とも言える場所。ここでは、パブリックスペースとしての洗練さと、プライベートなくつろぎを両立させることがテーマになります。

ローソファやガラステーブルで視線の抜けを作る

リビングで最も大きな面積を占めるソファは、背もたれやアームが低い「ロータイプ」を選ぶのがおすすめです。圧迫感が軽減され、空間全体に視線が通りやすくなるため、部屋が広く開放的に感じられます。リビングテーブルも同様に、ガラス天板のものを選ぶと、床が見えることで抜け感が生まれます。これらの家具は、空間の広がりを演出し、ホテルのラウンジのようなゆったりとした雰囲気を生み出すのに非常に効果的です。

大きめのラグでゾーニングする

ソファセットの下に大きめのラグを敷くことで、「くつろぎのエリア」を視覚的に区切る(ゾーニングする)ことができます。これにより、空間にメリハリが生まれ、リビング全体がより整った印象になります。ラグのサイズは、ソファの脚だけでなく、サイドテーブルなども含めて、家具一式がゆったりと乗るくらいの大きさが理想です。色は、壁やソファの色とトーンを合わせた無地や、主張しすぎない幾何学模様などが、洗練された印象を与えます。

寝室:一日の疲れを癒す上質な空間

一日の終わりと始まりを迎える寝室は、何よりもリラックスと安眠を追求したい場所。五感を癒す、上質で落ち着いた空間作りを目指しましょう。

デザイン性の高いヘッドボードを選ぶ

ベッドは寝室の主役です。特にヘッドボードのデザインは、寝室全体の印象を決定づける重要な要素。ファブリック張りでクッション性のあるヘッドボードは、高級感があるだけでなく、ベッドの上で読書をしたりする際に背もたれとしても快適です。木製やレザーなど、素材にこだわるのも良いでしょう。壁面にアクセントクロスを貼ったり、ヘッドボードの上に横長のアートを飾ったりすることで、ベッド周りを寝室のフォーカルポイントとして演出できます。

フットスローや複数のクッションでベッドを飾る

ホテルのベッドメイキングを参考に、寝室をグレードアップさせましょう。ベッドカバーの上に、足元部分だけ幅の狭い布(フットスローやベッドランナー)をかけるだけで、一気にホテルらしい装いになります。素材はベルベットやサテンなど、ベッドカバーとは異なる質感のものを選ぶと、美しいコントラストが生まれます。
さらに、サイズの異なるクッションを複数(3〜5個程度)リズミカルに並べるのも定番のテクニックです。枕と同じサイズのユーロクッション、標準的なクッション、小さなアクセントクッションなどを重ねることで、ベッドに立体感と豪華さが加わります。

ダイニング:特別な食事の時間を演出する空間

毎日の食事をとるダイニングは、単なる食事場所ではなく、家族や友人とのコミュニケーションを楽しむ大切な場所。照明や小物使いで、レストランのような特別な雰囲気を演出しましょう。

照明はペンダントライトを低めに吊るす

ダイニングテーブルの上の照明は、デザイン性の高いペンダントライトを選ぶのがおすすめです。ポイントは、テーブル面から60〜80cm程度の低い位置に吊るすこと。これにより、光がテーブルの上に集まり、料理を美味しく見せるとともに、囲む人々の顔を優しく照らします。周囲が少し暗くなることで、テーブルの上が舞台のようになり、親密で集中した雰囲気が生まれます。複数の小さなペンダントライトを並べて吊るすのも、リズミカルでおしゃれな印象になります。

食器やカトラリーにもこだわる

ホテルライクな食卓を演出するには、食器やカトラリー選びも重要です。食器は白や無地のシンプルなデザインで統一すると、どんな料理も引き立て、洗練された印象になります。カトラリーは、マットな質感のステンレスや、ゴールド、ブラックなど、色味のあるものを選ぶとテーブルのアクセントになります。ランチョンマットやテーブルランナー、ナプキンといったテーブルリネンも、色や素材を揃えることで、統一感のある美しい食卓が完成します。

洗面所・バスルーム:清潔感と高級感のある空間

洗面所やバスルームは、限られたスペースだからこそ、少しの工夫で大きく印象を変えることができます。ホテルのような清潔感と高級感を演出し、気持ちよく使える空間を目指しましょう。

タオルやアメニティグッズの色とデザインを揃える

生活感が最も出やすいのが、タオルや歯ブラシ、ソープボトルといった小物類です。タオルの色は、白、グレー、ベージュなど1〜2色に統一し、畳んで美しく重ねておくだけで、一気に清潔感と統一感が生まれます。シャンプーやハンドソープなどは、カラフルな市販のボトルのまま使わず、同じデザインのディスペンサーボトルに詰め替えるのが鉄則です。このひと手間が、驚くほど空間をすっきりと見せてくれます。

ホテルのように小物をトレーにまとめる

洗面台の上に直接モノを置くと、雑然として見えるだけでなく、掃除も面倒になります。そこでおすすめなのが、スタイリッシュなトレーを活用することです。ハンドソープのボトル、歯ブラシスタンド、コップなどを一つのトレーの上にまとめて配置するだけで、まるでホテルのアメニティのように整然と見えます。素材は、大理石調、ステンレス、アクリルなど、洗面所のテイストに合わせて選びましょう。物がまとまることで、掃除の際もトレーごと持ち上げるだけで済み、実用性も向上します。

おしゃれなホテルインテリア実例20選

ここでは、様々なテイストの「ホテルライクなインテリア」を20種類、架空の実例としてご紹介します。あなたの好みや理想のライフスタイルに合ったスタイルを見つけるためのヒントにしてください。それぞれの特徴と、再現するためのポイントを解説します。

① シティホテル風モダンインテリア

都心の高層ホテルを思わせる、シャープで洗練されたスタイル。モノトーンを基調に、ガラスやスチールなど無機質な素材を組み合わせます。直線的なデザインの家具を選び、生活感を徹底的に排除することで、クールで都会的な空間が完成します。

② リゾートホテル風ナチュラルインテリア

バリやハワイなどのリゾート地を彷彿とさせる、開放的でリラックスしたスタイル。ラタンやリネン、無垢材といった自然素材をふんだんに使い、観葉植物のグリーンをアクセントに加えます。アースカラーを基調とし、心から癒される空間を目指します。

③ デザイナーズホテル風ミニマルインテリア

デザイン性を追求しつつ、無駄を削ぎ落とした究極のシンプルスタイル。厳選されたアイコニックな家具を、アートのように配置します。色はホワイトやグレーで統一し、素材の質感や光と影の陰影で空間を構成します。

④ クラシックホテル風重厚インテリア

ヨーロッパの歴史あるホテルのような、格調高く重厚なスタイル。マホガニーなど濃い色の木材を使った家具、猫脚のチェア、装飾的なモールディングなどが特徴です。ベルベットやダマスク柄のファブリックを取り入れ、高級感を演出します。

⑤ アジアンリゾート風癒しのインテリア

タイやベトナムのリゾートヴィラをイメージした、エキゾチックで癒しに満ちたスタイル。ウォーターヒヤシンスやバンブー素材の家具、シルクのクッション、蓮の花をモチーフにした照明などが特徴。間接照明を多用し、幻想的な雰囲気を醸し出します。

⑥ 北欧ホテル風シンプル&クリーンインテリア

スカンジナビアデザインのホテルに見られる、明るく清潔感のあるスタイル。白やライトグレーを基調に、オーク材など明るい色の木製家具を合わせます。シンプルで機能的なデザインと、温かみのあるファブリックが心地よい空間を作ります。

⑦ モノトーンで統一されたスタイリッシュ空間

白、黒、グレーの無彩色のみで構成された、潔くスタイリッシュなインテリア。色の対比を活かし、シャープでモダンな印象を与えます。素材の質感(マット、光沢など)で変化をつけるのが、単調に見せないコツです。

⑧ ダークトーンでまとめた落ち着きのある空間

チャコールグレーやダークブラウン、ネイビーなどの暗い色を基調とした、洞窟のように落ち着く空間。書斎や寝室に最適で、上質な籠り感を演出できます。間接照明の光が壁に美しく映え、ドラマチックな雰囲気を生み出します。

⑨ ホワイトを基調とした明るく開放的な空間

壁も家具もファブリックも白で統一した、明るく清潔感あふれるインテリア。空間を広く見せる効果が最も高く、ミニマルでクリーンな印象を与えます。異なる素材感の白(リネン、コットン、ファーなど)を組み合わせることで、表情豊かな空間になります。

⑩ 木の温もりを感じる和モダンな空間

日本の伝統美と現代的なデザインを融合させた、凛とした静けさが漂うスタイル。格子や障子、畳といった和の要素を、直線的なデザインのローソファや低い家具と組み合わせます。穏やかで心落ち着く空間です。

⑪ 大理石を取り入れたラグジュアリー空間

床や壁、テーブルの天板などに大理石(または大理石調タイル)を取り入れた、高級感あふれるインテリア。天然石ならではの美しい模様が、空間に圧倒的な格を与えます。他の要素はシンプルにまとめ、大理石を主役にします。

⑫ ゴールドをアクセントにした華やかな空間

照明器具のフレーム、ミラーの縁、カトラリーなどにゴールドをアクセントとして加えた、華やかでエレガントなスタイル。ホワイトやグレー、ネイビーといったベースカラーと組み合わせることで、品の良いゴージャスさを演出できます。

⑬ グレーで統一された洗練された空間

近年人気の高い、グレーを基調としたインテリア。ライトグレーからチャコールグレーまで、様々なトーンのグレーを重ねることで、ニュアンスのある洗練された空間が生まれます。どんな色とも相性が良く、都会的で知的な印象を与えます。

⑭ レザーソファが主役のヴィンテージ空間

使い込まれたような風合いのレザーソファを主役にした、ブルックリンのロフトホテルのようなスタイル。古材やアイアン、レンガといった無骨な素材と組み合わせることで、男性的で趣のあるヴィンテージ感を演出します。

⑮ アートが際立つギャラリーのような空間

ミニマルな空間に、大型のアート作品を大胆に飾ったインテリア。壁をキャンバスに見立て、アートを主役にコーディネートします。アートの色を拾ってクッションなどの小物を選ぶと、空間に統一感が生まれます。

⑯ 間接照明が美しいムーディーな空間

天井の直接照明をなくし、フロアランプ、テーブルランプ、フットライトなど複数の間接照明だけで構成された空間。光と影が織りなす陰影が美しく、非常にリラックスできるムーディーな雰囲気を醸し出します。

⑰ シーリングファンが主役の海外リゾート風空間

天井でゆっくりと回るシーリングファンが、リゾート感を高めるインテリア。特に、羽が木製やラタン素材のものは、ナチュラルで開放的な雰囲気を演出します。空気を循環させる機能性も兼ね備えています。

⑱ コンクリート打ちっぱなしの都会的空間

壁や天井をコンクリート打ちっぱなしにした、インダストリアルで都会的なスタイル。無機質でクールな素材感と、上質なファブリックや温かみのある木の家具との対比が、ユニークでおしゃれな空間を生み出します。

⑲ 眺望を活かしたパノラマビュー空間

窓からの景色が主役となるインテリア。家具は背の低いものを選び、色も景色を邪魔しないニュートラルカラーで統一します。窓の外に広がる夜景や緑が、最高のアートとなります。

⑳ ファブリックで季節感を表現した空間

ベースのインテリアはシンプルに保ち、クッションカバーやブランケット、ラグといったファブリックで季節感を表現するスタイル。夏はリネンやコットンで涼しげに、冬はウールやファーで暖かく、と手軽に模様替えを楽しめます。

ホテルライクなインテリアが揃うおすすめブランド・ショップ

理想のホテルライクな空間を作るためには、どこで家具や小物を探せば良いのでしょうか。ここでは、テイストや価格帯の異なる、おすすめのインテリアブランド・ショップを5つご紹介します。それぞれの特徴を理解し、自分の目指すスタイルや予算に合わせて活用してみましょう。

リアルタイム検索で各ブランドの公式サイトを確認し、2024年時点の情報を基に特徴を記述しています。

ブランド名 特徴 価格帯の目安 おすすめアイテム
Cassina イタリアンモダンを代表する最高級家具ブランド。著名建築家による名作家具を多数扱い、そのデザイン性と品質はまさに芸術品レベル。空間の主役となる一級品を求める方に。 高価格帯 ソファ、チェア、テーブル
BoConcept デンマーク発祥のモダンインテリアブランド。都会的で洗練されたデザインが特徴で、ソファや収納家具はサイズや素材をカスタマイズできるのが魅力。シティホテル風の空間作りに最適。 中~高価格帯 カスタマイズソファ、ダイニングセット、収納家具
ZARA HOME 人気アパレルブランドZARAのホームファニシングライン。トレンドを巧みに取り入れたデザイン性の高いアイテムが、比較的手頃な価格で揃います。特にファブリックや小物類が豊富。 低~中価格帯 ベッドリネン、クッション、テーブルウェア、ディフューザー
KEYUCA 「Simple & Naturalに暮らす。」をテーマにした日本のライフスタイルショップ。日本の住環境に合わせた、使いやすく質実剛健なデザインが特徴。シンプルで機能的なアイテムを探すならここ。 低~中価格帯 カーテン、食器、キッチン雑貨、ゴミ箱
ACTUS ヨーロッパの家具ブランドを中心に、オリジナル家具や雑貨まで幅広く扱うセレクトショップ。「丁寧な暮らし」をコンセプトに、長く愛用できる上質なアイテムを提案。北欧やナチュラルテイストに強い。 中価格帯 ソファ、ダイニングテーブル、ラグ、子供家具

Cassina(カッシーナ)

イタリアの高級家具ブランドの最高峰として知られるカッシーナ。ル・コルビュジエやマリオ・ベリーニといった巨匠建築家・デザイナーが手掛けた、歴史に残る名作家具を数多く復刻・製造しています。その存在感は圧倒的で、一つ置くだけで空間の格を数段引き上げます。価格は非常に高価ですが、一生ものの家具として、また資産として、本物を追求したい方におすすめのブランドです。(参照:Cassina ixc. 公式サイト)

BoConcept(ボーコンセプト)

1952年にデンマークで設立されたボーコンセプトは、世界中に店舗を展開するグローバルなインテリアブランドです。そのデザインは、北欧の伝統を基盤としながらも、都会的でモダンなエッセンスが加えられています。最大の魅力は、高いカスタマイズ性。ソファのサイズ、張地、脚のデザインなどを自由に組み合わせ、自分の部屋にぴったりの一品を作ることができます。ショールームでは3Dシミュレーションを使ったインテリアプランニングサービスも受けられます。(参照:BoConcept公式サイト)

ZARA HOME(ザラホーム)

ファッションと同様に、世界の最新トレンドを反映したインテリアアイテムを毎週のように発表するザラホーム。ベッドリネン、クッション、ラグといったファブリック類から、食器、フレグランス、小さな家具まで、幅広いラインナップが魅力です。比較的手頃な価格帯で、デザイン性の高いアイテムが見つかるため、アクセントになる小物や、季節ごとに雰囲気を変えたいアイテムを探すのに最適です。オンラインストアも充実しています。(参照:ZARA HOME公式サイト)

KEYUCA(ケユカ)

「ちょうど良い。」を見つけるをコンセプトに、日本の暮らしに寄り添うアイテムを展開するケユカ。オリジナルデザインの家具、カーテン、食器、雑貨など、その製品はシンプルで機能的、かつ美しいデザインが特徴です。特に、豊富なサイズとデザインから選べるオーダーカーテンや、すっきりとしたデザインのゴミ箱などは人気が高いです。生活感を隠しつつ、使い勝手の良いホテルライクな空間を目指す上で、力強い味方となってくれるブランドです。(参照:KEYUCA公式サイト)

ACTUS(アクタス)

ヨーロッパの上質な輸入家具と、質の高いオリジナル家具を軸に、丁寧な暮らしを提案するライフスタイルショップ、アクタス。北欧やイタリアのモダンな家具から、温かみのある木の家具、デザイン性の高い雑貨まで、幅広いテイストのアイテムをセレクトしています。家具だけでなく、グリーンやアート、キッズ家具も充実しており、家族のライフステージに合わせたトータルコーディネートが可能です。長く愛せる、本質的な価値を持つアイテムと出会えます。(参照:アクタス・オンライン)

ホテルライクな部屋作りで失敗しないための注意点

高級な家具ばかりで落ち着かない空間にしない、モノを隠しすぎて使い勝手が悪くならないようにする、全ての部屋を同じテイストにしなくても良い

憧れのホテルライクなインテリアですが、理想を追い求めるあまり、かえって居心地の悪い空間になってしまうこともあります。ここでは、そうした失敗を避けるための3つの注意点を解説します。これらを押さえておくことで、見た目の美しさと暮らしやすさを両立した、真に快適な空間を実現できます。

高級な家具ばかりで落ち着かない空間にしない

ホテルライクを目指すあまり、カタログやショールームのように高級な家具やデザイン性の高いアイテムばかりで部屋を埋め尽くしてしまうと、どこか緊張感が漂い、心からリラックスできない空間になりがちです。まるでモデルルームのようで、自分の居場所ではないような感覚に陥ってしまうのです。

大切なのは、適度な「抜け感」と「パーソナルな要素」を取り入れること。全てのアイテムを完璧に揃えるのではなく、少し使い込んだ風合いの家具や、旅先で見つけた思い出の品、家族の写真などを、インテリアの雰囲気を壊さない程度に飾ってみましょう。そうした「自分らしさ」が垣間見えることで、空間に温かみと愛着が生まれ、自分だけの特別な場所として心からくつろげるようになります。

モノを隠しすぎて使い勝手が悪くならないようにする

「生活感をなくす」ことを意識しすぎるあまり、日常的に使うモノまで全て扉の奥深くにしまい込んでしまうと、今度は実用性が損なわれてしまいます。リモコンを使うたびにキャビネットを開け、ティッシュを取るためにわざわざ立ち上がって別の部屋に行く…といった生活は、次第にストレスになっていくでしょう。

デザイン性と実用性のバランスを取ることが重要です。例えば、リモコンやメガネなど、ソファ周りで頻繁に使うものは、デザイン性の高いトレイやボックスにまとめてサイドテーブルに置く、といった工夫が考えられます。「使用頻度」と「生活動線」を考慮し、よく使うモノは、美しく、かつアクセスしやすい場所に収納するというルールを設けることで、すっきりとした見た目と快適な暮らしを両立できます。

全ての部屋を同じテイストにしなくても良い

家全体に統一感を持たせたいという気持ちは大切ですが、全ての部屋を完璧に同じテイストでコーディネートする必要はありません。むしろ、それぞれの部屋の用途や使う人に合わせて、少しずつテイストを変えることで、家全体に奥行きと楽しさが生まれます。

例えば、ゲストも使うパブリックスペース(リビング、ダイニング)はモダンで洗練されたホテルライクなスタイルにし、プライベートな空間である寝室や書斎は、より自分の好みを反映させた温かみのあるナチュラルテイストや、趣味に没頭できるダークで落ち着いた空間にする、といったメリハリの付け方が可能です。空間ごとに異なる表情を持たせることで、家の中を移動する楽しみも増え、日々の暮らしがより豊かなものになるでしょう。

まとめ

この記事では、憧れの「ホテルライクなインテリア」を自宅で実現するための、定義からメリット、基本原則、具体的な実践テクニック、そして注意点までを網羅的に解説しました。

ホテルライクなインテリアの本質は、単なる見た目の美しさだけではありません。それは、高級感と非日常感を演出しつつ、徹底的に生活感を排除することで、心からリラックスできる最高の環境を作り出すという思想に基づいています。この空間を手に入れることで、日々の暮らしが豊かになりQOLが向上し、常に整理整頓された美しい部屋を維持できるなど、多くのメリットが得られます。

その実現のためには、

  • 「カラーコーディネート(3色以内・黄金比)」
  • 「収納(見せる・隠すのメリハリ)」
  • 「照明(多灯分散・間接照明)」
  • 「家具選び(素材・デザイン・低さ)」

といった基本原則を理解することが不可欠です。

そして、シンメトリーの活用、上質なファブリック選び、大きな鏡の設置といった具体的なコツを取り入れることで、誰でも理想の空間に近づくことができます。

完璧を目指しすぎず、まずはクッションカバーの色を揃えたり、間接照明を一つ置いたりすることから始めてみませんか。小さな成功体験を積み重ねながら、自分だけの理想の空間を創造していくプロセスそのものが、日々の暮らしに新たな楽しみと彩りを与えてくれるはずです。この記事が、あなたの理想の住まいづくりへの第一歩となることを願っています。